著者:堀口和彦(東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師)|更新日:2025-08-19
はじめに
アトピー性皮膚炎は、漢方ではどのようにとらえるかを私、堀口和彦がインタビューにお応えした内容をもとに、代表的な3タイプ別にわかりやすく解説したものです。
簡単に言うと、アレルギー体質で炎症を起こして体に熱を持たせている、皮膚表面の水分量=潤いを保持できていない、ストレスなどの精神的な要素が関わっているといった感じです。
以下に詳しく解説いたしますので、ご自分のタイプを知り、今日から実践できるセルフケアの参考にしていただけたら幸いです。
説明者:堀口和彦 | インタビュー:KanpoNow 横山伸行
動画インタビュー
※本記事は上記インタビュー内容をもとに編集しています。
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アトピーの3タイプ
主なタイプは次の3つに分類されます(重複する場合もあります)。
湿熱タイプ:皮膚表面に水が停滞したり、体全体に水が停滞している。
陰虚タイプ:皮膚が乾いて赤み・ほてり。夜間のかゆみが強い。
気滞タイプ:ストレスや自律神経の乱れで悪化、掻いてしまう。
簡易セルフチェックをしてみましょう。
〇分泌物や熱感が強い/汗で悪化
→ 湿熱タイプ
〇乾燥やほてり/夜間のかゆみ
→ 陰虚タイプ
〇イライラ・ストレスで悪化/掻きむしりがち
→ 気滞タイプ
① 湿熱タイプ(じゅくじゅく・炎症)
皮膚表面に水が停滞したり、体全体に水が停滞しているタイプです。
アレルギー的な体質は、遺伝として受け継いでしまうことはあります。これが体の中に熱を持たせるのです。
漢方では湿熱(しつねつ)と言います。
皮膚表面に水が停滞したり、体全体に水が停滞しているタイプです。そして、アレルギーの体質があると、体の中の余分な水と熱炎症が一緒になってしまうのです。
そうなると、その皮膚の弱いところに出るとグジュグジュしたような膿が出ます。あるいはじんましんで、腫れ盛り上がるような皮膚の状態になるタイプです。
水分代謝が悪い方、むくみやすいタイプが特徴です。特に、梅雨など湿気の多いときに症状が出やすい。
水分体制をよくするというポイントから、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を使います
これは水分代謝を良くする石膏という身体の中の熱や炎症を取るような作用が含まれています。皮膚全般の炎症などを取るのです。
消風散(しょうふうさん)という漢方薬も使います。これも同じような成分が入っていますい。
② 陰虚タイプ(乾燥・かゆみ)
体の中の水気が少ないタイプです。皮膚表面っていうのはバリア機能があります。外からばい菌などの外的から皮膚が守るためには、適度な水分、潤いが必要です。
それが保持できないタイプの方を、陰虚(いんきょ)と言います。体を潤す体液が不足しているタイプです。
体液が不足してくると皮膚がカサカサして乾燥します。その荒れたところから炎症を起こします。それを外から掻くなどの刺激があり皮膚炎が広がってしまうというタイプです。
このタイプには、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を用います。石膏を中心に知母とか人参も入っています。体液を潤す成分も入っています。
その他、当帰飲子(とうきいんし)という漢方薬も使います。乾燥肌系の皮膚炎に使います。
③ 気滞タイプ(ストレス悪化)
ストレスとか精神的な要素で悪化するタイプです。これを漢方では、気滞(きたい)と言って、精神的な要素である元気の「気」が過剰にあって、停滞するタイプです。
ストレスがかかると熱を持つという方です。
そして、湿熱や陰虚タイプの方で、皮膚表面に炎症の要素があり、そこに気滞の要素が加わると、より悪化させてしまうのです。
実は、気滞だけではアトピー性皮膚炎は出ないのです。しかし、陰虚や湿熱のタイプに
気滞がプラスされると、悪化してしかもなかなか治らないのです。
いつまでもすっきり治らないってタイプの方は、この気滞が一緒になっている方が多いのです。
特に皮膚の病気っていうのは、外から見えるので、若い方は周りの目を気にされると思います。
家族や友人からは「どうしたの?」なんて言われると、自分では気にしなかったのに、余計気になってきたりしまいます。
そうするとそれがストレスになって、余計にかゆみを生んでしまいます。そういうタイプも気滞タイプになります。
心身ともに緊張感というストレスを静め、精神的なイライラ感を静める必要がある抑肝散(よくかんさん)という漢方薬をよく使います。
また、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)という鎮静作用がある漢方薬も有効です。特にストレスがかかって痒くなってしまう症状に用います。
※もしもあなたがイライラすることがあって、漢方の力を借りたいと思っている場合は、こちらの記事も参考になると思います。
アトピー性皮膚炎に用いるツボ
腎兪(じんゆ)
一番いいツボは、腰にあります。
場所は、腰に手を当てた時に親指がいくところです。ちょうど肋骨の下の方になります。
このツボが腎兪(じんゆ)です。
志室(ししつ)
志室(ししつ)は、臓腑で言うと腎臓の上あたりで、副腎というホルモンを出す場所のツボです。
よく副腎皮質ステロイドホルモンとい言う皮膚に塗る薬もあるように、そのホルモンを分泌する場所です。
アレルギーやアトピーなどがある方は、腎兪(じんゆ)や志室(ししつ)がこって、硬くなっています。それは、副腎がフル回転して働かされている状態な証です。
そこで、ここを自分でゆっくりマッサージや指圧をしてしてあげることで、副腎の働きがぐっと上がってきます。
扶突(ふとつ)

次は首にあるツボです。
顔、頭皮などに湿疹やアトピーが出る方にお勧めは、扶突(ふとつ)です。ちょうど首の付け根にあります。
自分でマッサージするように押してあげるといいですよ。
これは頸部リンパ節って言って、首のところにあるリンパ節の中心部分になり、これをマッサージすることで、頭や顔の方のリンパ液の流れをよくします。
ツボをマッサージする際は、ピンポイントでなくてよいです。首に沿ってこうマッサージしてあげるなど、お風呂に入ったときに行うのもいいですよ。
潤いが不足している方は、皮膚を潤す作用があります。たまっている人は、むくみをとってくれます。いわゆるリンパの流れをよくする作用があるので、特に顔に出ている方にお勧めです。
おわりに
耳鳴りも体質によって、漢方薬のアプローチが変わってきます。ご自身の症状や体質に合った漢方薬を用いて、早く元気になってください。
応援しております。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医師・薬剤師等の専門家による個別の医療アドバイスに代わるものではありません。持病や服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は自己判断で服用せず、事前にご相談ください。
執筆・監修:堀口和彦/編集:KanpoNow横山伸行
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