著者:堀口和彦(東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師)|更新日:2025-08-20
目次
- はじめに
- 動画インタビュー
- イライラの3タイプ
- ① 血瘀タイプ(血の巡りが悪い)
- ② 血虚タイプ(血が不足)
- ③ 陰虚タイプ(体液が不足)
- イライラに用いるツボ
- FAQ(よくあるご質問)
- 著者プロフィール
はじめに
イライラとは、ストレスが溜まっている状態です。それは誰でも起こる感情ですが、それが持続的に、頻繁にイライラ感として起こると、そこは改善したほうがいいかなと思います。
漢方的には、イライラっていうのは、気の滞りである気滞(きたい)と考えます。元気の気である「気」が停滞している状態です。
本来、気は体の中をぐるぐる常に巡っているものです。そうすると精神的にも健康的なのですが、様々なストレスや仕事上のプレッシャーなどに追いかけられるような状態になると、気が停滞してしまうのです。
その結果、イライラしてきます。
それだけでしたら時期を過ぎれば発散され、解消されるわけです。しかし、持続してしまう場合には、それを助長してしまう背景や体質の存在を疑いましょう。
今回は、慢性的で頻繁に起こるイライラを解決する糸口をご案内します。
説明者:堀口和彦 | インタビュー:KanpoNow 横山伸行
動画インタビュー
※本記事は上記インタビュー内容をもとに編集しています。
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イライラの3タイプ
タイプとして、3つに分けます。
① 血瘀タイプ(血の巡りが悪い)
一つ目は、血瘀(けつお)という、いわゆる血液の循環が悪いタイプです。
頭に血が上るという言い方があります。怒っているときに頭の方に血が上って、停滞してそのまま下りてこないような感じです。そういうタイプの人は、イライラを起こしてしまう気力の気が頭の方に上がっているわけです。
さらに血瘀で血液の循環が悪いと、気も血も停滞してしまうのです。そうするとどうしてもイライラ感が持続してしまうのです。
結果として精神的というかちょっと病的なイライラ感となります。
漢方薬は、次を使います。
これは婦人科に使うお薬で、血液の循環をよくします。
のぼせで頭の方に血が上っている状態を下げる作用があります。特に便秘気味の人に有効です。あまりひどいときにそれ使うと、便が緩くなるかもしれませんが、頭に上った血と気を下してくれます。
※もしもあなたが女性特有のお悩みを抱えていて、漢方の力を借りたいと思っている場合は、こちらの記事も参考になると思います。
→女性のつらさ(PMS/更年期/子宮内膜症/不妊/冷え)を漢方とツボでケア
② 血虚タイプ(血が不足)
このタイプは、血瘀とは逆で血虚(けっきょ)といい、血が不足しているタイプです。
この血の不足は、肝臓の中の血が不足しています。肝臓は、食べ物やお薬など体に入った悪いものを解毒する場所です。その解毒代謝するのが肝臓ですが、肝臓の血液が不足してくるとエネルギーとしての気を収めることができなくなってきます。
そうするとその気は、空気と同じで軽いものなので、どうしても上に上がってしまう性質があり、肝臓に収めきれなかった気が、頭の方に上っていきます。いわゆる頭に来る。まさに怒ることを言いますけど、イライラしてくるのです。
このタイプは、どちらかというと抑えきれない、イライラ感を我慢できなくなってくるのです。
血虚タイプの漢方薬は、加味逍遙散(かみしょうようさん)をよく使います。
のぼせ、手足がほてったり、逆に冷えたりとか若干ストレスを感じるようなタイプにいいと思います。
③ 陰虚タイプ(体液が不足)
陰虚(いんきょ)は、体の中の体液、いわゆるリンパ液を含めて、水の成分が不足しているタイプです。
この陰虚の方は、だいたい血虚が進んで血液も不足しているけれど、さらに体液も不足してくるのです。心がカサカサ、ギスギスしてくると言いますが、心に潤いがない状態になりやすいのです。
ちょっとしたことが気になったりとか、不眠、寝つきが悪い、熟睡感がないとか、あるいはパニックぽくなったりする方もいらっしゃいます。いわゆる精神的に不安定な状態です。
そういった方のイライラは、抑えることができなくなってしまいまいます。
そのタイプの漢方薬はでよく使うのが、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、あるいは桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)です。
竜骨と牡蛎という生薬が、鎮静させる作用があります。
イライラに用いるツボ
今回は足と手をご紹介します。
まずは、肝臓につながっている肝経の経絡のライン上にある太衝(たいしょう)というツボです。怒りやイライラ感というのは、東洋医学では肝臓に関係あるのです
太衝(たいしょう)
ちょうど足の親指と人差し指の付け根です。ちょうど骨の間を探っていってください。強く押すとちょっと痛いところがあります。
グッと押すと痛いところを、イライラしているときには、強めに押してください。ちょっと痛いくらいに。そうすると鎮静されます。上に登ったものを下におろす作用があります。
中衝(ちゅうしょう)
もう一つは、手の方です。中衝(ちゅうしょう)というツボです。中指の親指側です。ちょうど爪の生え際の側です。

これ両方を押すようにあげると良いです。イライラ感、頭の方に上った気を下す作用があります。ここもちょっと痛いと思うぐらい押してあげると、イライラしているときは、自然と静まってきます。
ぜひお試しください。両手、両足をやっていただいてよいと思います。
おわりに
イライラも体質によって、漢方薬のアプローチが変わってきます。ご自身の症状や体質に合った漢方薬を用いて、早く元気になってください。
応援しています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医師・薬剤師等の専門家による個別の医療アドバイスに代わるものではありません。持病や服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は自己判断で服用せず、事前にご相談ください。
執筆・監修:堀口和彦/編集:KanpoNow横山伸行
著者プロフィール
FAQ(よくあるご質問)
漢方薬はどれくらいで効きますか?
いま飲んでいる西洋薬と併用できますか?
通販で購入するときの注意点は?
配送はどれくらいで届きますか?
病院の漢方薬との違いは?
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