更年期障害に悩む女性

更年期障害の漢方とツボを3体質別に解説します(堀口メソッド)

著者:堀口和彦(東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師)|更新日:2025-09-09

更年期の漢方薬(体質別)
気滞体質

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

血瘀体質

桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがんりょう)

血虚体質

加味逍遙散(かみしょうようさん)

説明者:堀口和彦 | インタビュー:KanpoNow 横山伸行

動画インタビュー

更年期障害に漢方は有効か?

特に更年期障害はホルモンのバランスが乱れて起こる症状ですので、バランスの乱れたものを回復していくという意味では、漢方はすごく得意な領域になります。

具体的に体質ごとに紹介していきます。

気滞体質

気滞は気が滞るタイプです。これは精神的な症状、いわゆるイライラ感とか不眠が多いタイプの方です。

そういったタイプの方に一番よく使うのが柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)という漢方です。これは不安感や動悸なども抑える作用があります。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

血瘀体質

血瘀は、血の循環が悪いタイプです。血の巡りが悪いという言葉を使いますが、そういったタイプの方です。

このタイプの方の漢方薬で有名なのが、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)です。血の循環を良くする代表的な漢方で、ホルモンの働きを調和させるような作用もあります。

桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがんりょう)

血虚体質

もう1つが血虚と言いまして、血が不足しているタイプの方です。こういった方の場合の更年期の時はどちらかっていうと、火照るのと冷えるのが交互に来たりするような状態です。

漢方薬は、加味逍遙散(かみしょうようさん)という漢方薬をよく使います。冷えや火照り、不眠や精神的なイライラ感に有効です。これは、気滞のタイプの方にも利用できます。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

更年期障害のツボ

まずはホットフラッシュといった「冷えのぼせ」タイプの方には、この足の親指と人差し指の間の太衝(たいしょう)というツがおすめです

太衝(たいしょう)

このツボを若干痛いぐらいに強めに押すと効果があります。

もう1つは、動悸とか不安感に有効なツボです。肘の内側にあります少海(しょうかい)というツボがおすめです。ドキドキと心臓が動悸する場合は、心臓のある左側を押していただくと動悸を鎮める作用があります。

少海(しょうかい)

おわりに

更年期はホルモンが入れ替わることによって体が変わる時期です。この変わる時期に、ご自分の体を良い方向に持っていってあげたいものです。更年期後がすごく元気になる方もたくさんいらっしゃいますので。

例えば、アレルギーの症状が更年期後になくなったとか、冷え症で病弱だった方が更年期後に元気になることがよくあります。

どうしてもネガティブに悲観的に考えてしまう更年期の時期です。少しだけ立ち止まって、自分の体や生活習慣をこの機会に見直してみてはいかがですか。更年期後に元気にするために、よい機会と思っていただいて、漢方などで調整してみてください。

 

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FAQ(よくあるご質問)

漢方はどれくらいで実感できますか?
体質・症状の程度により異なります。数週間で変化を感じる方もいますが、体質改善目的の場合は数か月単位での調整が必要です。
ホルモン補充療法(HRT)と併用できますか?
併用される方も多いです。薬の重なりを避けるため、必ず処方医・薬剤師にご相談ください。
更年期のイライラや不眠が強いときは?
生活リズムの調整、睡眠衛生の見直しとあわせ、体質に合った漢方を検討します。症状が強い・長引く場合は医療機関へ。

その他のFAQ(よくあるご質問)

※医療機関への受診の目安

  • 胸痛・息切れ・めまい失神など急性症状を伴うホットフラッシュ
  • 月経異常(過多月経・不正出血)が続く
  • 抑うつ・不安が強く、日常生活に支障がある
  • 脚の一側だけの腫れ・痛み・熱感・色調変化

参考リンク:e-ヘルスネット「更年期障害」日本産科婦人科学会「更年期障害」女性の健康推進室ヘルスケアラボ

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医師・薬剤師等の専門家による個別の医療アドバイスに代わるものではありません。持病や服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は自己判断で服用せず、事前にご相談ください。

著者プロフィール

堀口 和彦(東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師)

光和堂薬局 院長

埼玉県生まれ/東京理科大学薬学部卒/同大学院修士課程修了/総合漢方研究会 学術部員/ 元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員/公益法人埼玉県鍼灸師会会員/ さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)/一般財団法人日本漢方連盟 会員/ 著書:やさしい漢方入門(健友館)、パプアニューギニアの薬草文化(アボック社)、 体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐(万来舎)など

販売薬局:光和堂薬局(さいたま市西区指扇領別所326-1)・許可(さ局)第7105号。

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