淫羊藿(いんようかく)

まずは要点

  • どんな生薬? 淫羊藿は、伝統的に補腎壮陽・祛風除湿のはたらきが知られる生薬です。*③
  • 中身は? 主な特徴成分はフラボノイド配糖体イカリイン(icariin)などです。*②
  • 注意点 体質により合わないことがあり、陰虚火旺では用いないとされます。服用中の方は専門家に相談してください。*③

淫羊藿の基礎データ

  • 読み方: いんようかく
  • 基原・由来: メギ科イカリソウ属(Epimedium)数種の地上部です。*①
  • 主要成分: イカリイン(icariin)ほかフラボノイド類を含みます。*②
  • 性味: 辛・甘 / 温 帰経: 肝・腎 *③

伝統的な使われ方

淫羊藿は、腎の陽気を補う補腎壮陽として、インポテンツ・頻尿・腰膝のだるさなどに、また祛風除湿として痺痛やしびれに用いられてきました。*③ 単味や、熟地黄・枸杞子・仙茅などとの配合例が記載されています。*③

この生薬を含む漢方薬例

  • 二仙湯(にせんとう)(腎陽の衰えに用いる強壮の方剤)*⑤⑥
  • 贊育丹(さんいくたん)(生殖・腎虚傾向の補益に用いる方剤)*⑤⑥
  • 仙霊脾散(せんれいひさん)(痺痛・しびれの配合例として記載)*③

安全性と受診の目安

体質により合わないことがあり、伝統記載では陰虚火旺では避けるとされます。*③ 持病や併用薬がある方、妊娠・授乳中の方は自己判断での継続や中止を避け、専門家に相談してください。

  • すぐ相談: 動悸・のぼせ・不眠などの不調が続くとき
  • 服薬中: 他の滋養強壮薬と重複する場合は必ず確認してください

※このページは一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の決定には医療専門家の判断が必要です。

よくある質問

Q. どんな体質の方に向いていますか?

A. 伝統的には、冷えや倦怠、足腰のだるさなどを伴う腎陽虚の方に用いられてきました。*③

Q. 飲み合わせや注意点はありますか?

A. 体質により合わないことがあり、陰虚火旺では用いないとされます。サプリや滋養強壮薬との重複は避け、専門家にご相談ください。*③

*参考・出典

  1. 日本薬局方名称データベース|インヨウカク(淫羊藿)
  2. 東京生薬協会「インヨウカク/新常用和漢薬集」
  3. 薬膳情報.net「中薬(淫羊藿)」
  4. 日本メディカルハーブ協会「日本のハーブ:イカリソウとインヨウカク」
  5. イアトリズム事典「淫羊藿(いんようかく)」
  6. 漢方の見方「淫羊藿(いんようかく・イカリソウ)」

堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

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