麻黄(まおう)

まずは要点

  • どんな生薬? 麻黄(マオウ)は発汗を促し、気道をひろげて咳や喘鳴をしずめる目的で配合されます(発汗解表・平喘)。*①②③
  • 中身は? 主成分はエフェドリン類アルカロイド(エフェドリン、プソイドエフェドリン等)で、その他フラボノイドなどを含みます。*②③
  • 注意点 長期・多量や体質により、不眠・動悸・血圧上昇・口渇などが出ることがあります。循環器疾患、甲状腺機能亢進症などの既往がある場合は慎重に。*①②④

麻黄の基礎データ

  • 読み方: マオウ
  • 基原・由来: マオウ科 Ephedra sinica などの地上茎(日本薬局方)。*①②
  • 主要成分: エフェドリン、プソイドエフェドリン、その他アルカロイド、フラボノイド等。*②③
  • 性味: 辛・微苦 / 温 帰経: 肺・膀胱。*②③

伝統的な使われ方

外感の悪寒・発熱・無汗を発散させ、せき・喘鳴をしずめる目的で用いられてきました。実証寄りで冷えをともなう感冒初期や、気道平滑筋のけいれん性の咳に配合されます。*①②③

この生薬を含む漢方薬例

安全性と受診の目安

交感神経刺激様の作用により、不眠、動悸、血圧上昇、口渇、排尿障害などが出ることがあります。心疾患・高血圧・甲状腺機能亢進症・前立腺肥大などの方は注意し、自己判断での継続・中止は避けてください。*②④

  • すぐ相談: 動悸が強い、息切れや胸痛、激しい頭痛、血圧の急上昇、不眠が続く など。
  • 服薬中: 循環器疾患、甲状腺機能亢進症、前立腺肥大、妊娠・授乳中の方、刺激薬(カフェイン等)併用時は事前に専門家へ。

※このページは一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の決定には医療専門家の判断が必要です。

よくある質問

Q. 夜に飲むと眠れなくなる?

A. 覚醒的に働くことがあるため、就寝前は避けることが多いです。動悸や不眠が出たら中止し、相談してください。*②④

Q. 発汗が強くてつらいのですが?

A. 体質や処方により発汗が強まることがあります。脱水に注意し、症状が強い場合は中止して専門家へ。*①②

*参考・出典

  1. 公益社団法人 東京生薬協会「マオウ/新常用和漢薬集」
  2. ツムラ「漢方ビュー|麻黄」
  3. 富山大学 和漢医薬学総合研究所「伝統医薬DB:麻黄」
  4. 厚生労働省 通知「一般用漢方製剤の添付文書等に記載する使用上の注意の一部改正について」

堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

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