細茶(さいちゃ)

まずは要点

  • どんな生薬? 細茶(さいちゃ)はチャノキ(Camellia sinensis)の葉を乾燥した生薬で、別名茶葉(ちゃよう)。伝統的に清頭目・利尿・止瀉のはたらきが知られ、頭痛・多眠・下痢の改善に配合されます。川芎茶調散の要薬として知られます。*①②③④
  • 中身は? カフェイン・テオフィリンなどのアルカロイド、カテキン類(EGCG 等)を含み、渋味のタンニンは収斂・止瀉に寄与します。*①④
  • 注意点 胃腸の弱い方では渋味で胃部不快や軟便が出ることがあります。カフェイン感受性が高い場合は不眠・動悸に注意。強い頭痛や血便を伴う下痢は受診を。*②④

細茶の基礎データ

  • 読み方: さいちゃ(別名:茶葉/チャヨウ)
  • 基原・由来: ツバキ科 Camellia sinensis の葉。*①②
  • 主要成分: カフェイン、テオフィリン、カテキン(EGCG 等)、タンニン。*①④
  • 性味: 苦・微苦 / 微寒 帰経: 心・肺・肝・腎・脾・胃(諸説)。*②③

伝統的な使われ方

清頭目として頭痛・めまい・眼の充血、止瀉として下痢に、生津止渇・利尿として口渇・尿利不利に。処方では川芎茶調散の配合が代表的で、白芷・川芎と協力して頭痛を改善します。*①②③④

この生薬を含む漢方薬例

  • 川芎茶調散

安全性と受診の目安

一般的な配合量では安全ですが、不眠・動悸・胃部不快などが出たら中止を検討。激しい頭痛や神経症状、血便・脱水を伴う下痢は速やかに受診を。*②④

  • すぐ相談: 38.5℃以上の発熱、持続する激しい頭痛、血便・黒色便、意識障害。
  • 服薬中: 症状が改善しない/悪化する、動悸・不眠が強い場合は用量・用法を見直し受診。

※このページは一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の決定には医療専門家の判断が必要です。

よくある質問

Q. 緑茶(細茶)と紅茶は同じ生薬に入りますか?

A. いずれもチャノキの葉で、発酵度の違いによる別製法です。生薬分類ではいずれも茶葉(細茶)に含められ、清頭目・止瀉などの作用が記載されます。*②③④

Q. 川芎茶調散での役割は?

A. 白芷・川芎とともに頭痛を改善する目的で配合され、細茶は清頭目・少量利尿の面から補助します。*①②④

*参考・出典

  1. 公益社団法人 東京生薬協会「チャヨウ(茶葉/細茶)」
  2. ツムラ「漢方ビュー|生薬辞典:茶葉」
  3. イアトリズム事典「細茶(=茶葉)」
  4. ウチダ和漢薬「生薬の玉手箱:茶葉(チャヨウ),細茶(サイチャ)」

堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

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