鬱金(うこん)

まずは要点

  • どんな生薬? 鬱金(ウコン)はショウガ科の根茎で、日本では外用の軟膏などに配合されてきました。*①
  • 中身は? 代表成分はクルクミノイド(クルクミン等)と精油成分(ターメロン等)です。*①
  • 注意点 健康食品などで過量・長期摂取により健康被害の報告があります。体調変化時は使用を中止して受診してください。*④⑤

鬱金の基礎データ

  • 読み方: ウコン
  • 基原・由来: Curcuma longa の根茎(日本の「鬱金」)。中国の「鬱金」は部位・種が異なるため名称に差異があります。*①
  • 主要成分: クルクミン、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、ターメロン等の精油。*①
  • 性味・帰経: 辛・苦 / 寒、心・肝・胆(諸説あり)。*②

伝統的な使われ方

鬱金は、伝統的に活血止痛・行気解鬱・凉血清心・利胆退黄などの目的で用いられてきました。胸腹部のつかえや痛み、黄疸傾向などに配合される古典方が知られます。*②

この生薬を含む漢方薬例

  • 中黄膏(ちゅうおうこう)〈外用・打撲・捻挫の初期など〉*①
  • 菖蒲鬱金湯(しょうぶうこんとう)〈胸腹部のつかえなど〉*②
  • 宣郁通経湯(せんいくつうけいとう)〈月経不順など〉*②

安全性と受診の目安

鬱金やその成分を含む製品では、体質や摂り方によって肝機能障害・肺障害などの報告があります。サプリ等での長期・多量摂取は避け、体調変化があれば中止して医療機関へご相談ください。*④⑤

  • すぐ相談: 倦怠感、食欲低下、黄疸、濃い尿、息切れ・咳の悪化などが続くとき
  • 服薬中: 他の薬を使っている方は自己判断での継続・中止を避け、専門家へ

※このページは一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の決定には医療専門家の判断が必要です。

よくある質問

Q. 日本の「鬱金」と中国の「鬱金」は同じですか?

A. 日本の鬱金は Curcuma longa の根茎を指しますが、中国では部位・種の概念が異なります。名称の違いにご注意ください。*①

Q. サプリのウコンはたくさん飲んでも大丈夫ですか?

A. 過量・長期摂取で健康被害の報告があります。体質によっては合わないこともあるため、用量・期間に注意し、体調変化時は中止して受診してください。*④⑤

*参考・出典

  1. 東京生薬協会「ウコン/新常用和漢薬集」  
  2. 薬膳情報.net「中薬(鬱金)」  
  3. 名古屋漢方「【漢方生薬解説】鬱金」  
  4. 日本呼吸器学会誌「ウコンによる薬剤性肺障害」  
  5. 日本医師会「健康食品による健康被害の未然防止」  

堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

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最終更新日: