安中散(あんちゅうさん)

安中散(あんちゅうさん)は、出典を宋代の「太平恵民和剤局方」に持つ処方で、もともとは「胃の痛み・吐き気・胸のつかえ・膨満感」など、胃の不調が続きやすい状態に用いられてきた歴史ある処方です。

成分(生薬)

桂皮、延胡索、牡蠣、茴香、甘草、縮砂、良姜

漢方的な考え方

日本では処方の運用が整理され、現在は「体力中等度以下で腹部の力が弱く、胃痛又は腹痛があり、ときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、はきけ等を伴う」タイプを目標に使われます。

  • 冷えによる不調: 冷えやすい、冷えると胃痛又は腹痛が出やすいなど、冷えが関係している状態。
  • ストレスによる不調: 緊張で胃が張る、げっぷが増える、胸やけが出るなど、胃の動きが乱れやすい状態。
  • 胃腸の弱り: 食後に胃が重い、胃もたれしやすい、食欲が落ちやすいなど、胃腸が弱り気味の状態。

構成生薬の役割

  • 温めて整える: 桂皮・良姜などで胃を温め、茴香・縮砂などで胃の動きと巡りを助けます。
  • 痛みに配慮する: 延胡索が胃痛や腹痛など、痛みのつらさに配慮する構成です。
  • 不快感を鎮める: 牡蛎は胃の不快感が続くときの落ち着かなさに配慮する目的で用いられます。
  • 全体を調和する: 甘草がそれぞれの生薬を調和させ、胃の内側から不快感を整える方向で働きます。

効能・効果(添付文書)

体力中等度以下で、腹部は力がなくて、胃痛又は腹痛があってときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、はきけ、嘔吐などを伴うものの次の諸症:神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱

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堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。