大柴胡湯(だいさいことう)
大柴胡湯(だいさいことう)は、『傷寒論』『金匱要略』に記される処方です。体力がある程度充実している方の、体内に強くこもった「熱」と「つかえ」を正面からほどくために組み立てられました。脇腹の張りや便秘、それに伴うのぼせや肩こりなど、内側の圧力が逃げ場を失っている状態をスッキリと整えます。
成分(生薬)
柴胡、半夏、黄芩、芍薬、大棗、枳実、生姜、大黄
漢方的な考え方
漢方では、脇腹からみぞおちにかけてが張って苦しい状態を「胸脇苦満(きょうきょうくまん)」と呼び、気が滞って熱が溜まったサインと捉えます。この「張って逃げ場がない」状態に対し、滞りを外へ逃がしつつ下へも通す(便通を促す)ことで、体内の圧力を開放し、全身の巡りを正常化させます。
- ● 脇腹からみぞおちの苦しさ: 気が停滞して熱がこもることで、腹部に強い圧迫感や張りを感じ、スッキリしない状態。
- ● 便秘・肥満傾向: 内側の熱とつかえが原因で腸の通りが悪くなり、老廃物をため込みやすくなっている状態。
- ● 肩こり・頭痛・のぼせ: 逃げ場を失った熱や気が上半身に偏ることで、筋肉がこわばり、顔がほてったり頭が重くなったりする状態。
構成生薬の役割
- ● つかえを解いて熱をさばく: 柴胡(さいこ)が胸脇の滞りを外へ逃がし、黄芩(おうごん)が内側の余分な熱を冷まします。
- ● 内側の停滞を下へ通す: 枳実(きじつ)と大黄(だいおう)が強力に連携し、腸のつかえを解消して便とともに老廃物を排出させ、圧迫感をほどきます。
- ● 緊張を和らげ胃腸を整える: 芍薬(しゃくやく)・大棗が張りつめた心身をゆるめ、生姜・半夏が胃腸の動きを正常化することで、ため込みやすい体質を内側から改善へ導きます。
監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)
執筆: KanpoNow編集部
※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。