治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)

治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)は、江戸時代の日本で創られた皮膚疾患の処方です。頭部や顔面に生じる湿疹、かゆみ、化膿(じゅくじゅく)を整えることを得意としています。体にこもった「熱」や「毒」が、上に昇って皮膚症状として現れた状態を、内側から整理して健やかな肌へと導きます。

成分(生薬)

川芎、蒼朮、連翹、忍冬、防風、甘草、荊芥、紅花、大黄

漢方的な考え方

漢方では、頭や顔面は「風(ふう)」や「熱」の影響を最も受けやすい場所と考えます。ここに血の滞りや余分な水分が加わると、赤みが強く、汁の出る治りにくい湿疹になります。本方は、これらの要因を「冷ます・巡らせる・出す」というステップで総合的に解消します。

  • 頭部・顔面の湿疹・皮膚炎: 顔や頭皮が赤く腫れたり、かさぶたができたり、強いかゆみを伴う皮膚トラブルが繰り返される状態。
  • 乳幼児の湿疹: 代謝が活発で体に熱がこもりやすいお子さまの、じゅくじゅくとした湿疹や皮膚の赤みが出やすい状態。
  • じゅくじゅくした化膿傾向: 余分な水分(湿)と熱が結びつき、分泌物が多くなったり、皮膚が熱を持って化膿しやすくなったりしている状態。

構成生薬の役割

  • 熱と炎症を鎮める: 連翹(れんぎょう)と忍冬(にんどう:スイカズラ)が、皮膚の赤みや腫れの原因となる強い熱を内側から清めます。
  • かゆみを散らし巡りを良くする: 防風・荊芥(けいがい)がかゆみを外へ追い出し、川芎(せんきゅう)・紅花が血の巡りを助けて、皮膚の再生に必要な栄養を届けます。
  • 余分なものを排出し調和する: 蒼朮(そうじゅつ)がじゅくじゅくした水分を乾かし、大黄が体内の不要な「こもり」を外へ導きます。甘草が全体をマイルドに調和し、皮膚への刺激をやわらげます。

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堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。