五淋散(ごりんさん)
五淋散(ごりんさん)は、古くから泌尿器系の不調に用いられてきた処方で、「排尿時の痛み・違和感・尿の異常」を整える目的で組み立てられています。体内にこもった余分な熱や湿(余分な水分)をさばき、尿の流れを滑らかにするのが特徴です。
成分(生薬)
茯苓、黄芩、滑石、甘草、地黄、車前子、沢瀉、当帰、木通、山梔子、芍薬
漢方的な考え方
古典では、尿のトラブルは膀胱まわりに熱や湿気が停滞し、通りを妨げることで起こると考えられています。五淋散は、それらを洗い流すように排出しながら、炎症を鎮めて健やかな状態へと導きます。
- ● 頻尿・排尿痛: 尿路に余分な熱や刺激がこもり、排尿のたびに痛みや不快な刺激を感じやすい状態。
- ● 残尿感: 尿の通りがスムーズにいかず、出し切りたいのにすっきり排出できない状態。
- ● 尿のにごり: 体内の巡りが乱れ、余分な「湿」や「熱」が尿の質に影響を与えている状態。
構成生薬の役割
- ● 熱を冷まし炎症を鎮める: 黄芩(おうごん)・山梔子(さんしし)が、泌尿器系にこもった不快な熱を効率よく冷まします。
- ● 水の流れをスムーズにする: 滑石(かっせき)・沢瀉(たくしゃ)・車前子(しゃぜんし)・木通(もくつう)の組み合わせが、尿の通り道を整えて排出を助けます。
- ● 消耗を支え調和する: 地黄・当帰・芍薬が炎症などで消耗しやすい血分を補い、甘草が全体を調和させることで、心身への負担を和らげながら整えます。
監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)
執筆: KanpoNow編集部
※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。