加味帰脾湯(かみきひとう)

加味帰脾湯(かみきひとう)は、「脾(消化吸収)」を立て直して気血を生み出し、心を養う力を補うことで、不眠や精神不安を整える処方です。疲れの中に熱感や落ち着かなさが混じるような状態にも配慮された構成になっています。

成分(生薬)

黄耆、柴胡、酸棗仁、蒼朮、人参、茯苓、竜眼肉、遠志、山梔子、大棗、当帰、甘草、生姜、木香

漢方的な考え方

栄養を全身に届ける「脾」の働きを助け、血(けつ)を補うことで、睡眠や情緒の安定を支えます。特に、消耗による熱感(焦りやほてり)が混じるタイプに適しています。

  • 心身の疲れ・血色不良: 気血が不足し、顔色や元気、回復力が落ちてしまっている状態。
  • 不眠症: 心を養う力が弱まり、寝つきが悪い、あるいは眠りが浅いといった症状が出やすい状態。
  • 精神不安・神経症: 疲労が続く中で、心のゆとりが保てず、落ち着かなさや不安が強まりやすい状態。
  • 熱感の混同: 消耗が激しいために「熱」が偏り、ほてり感やイライラ、焦燥感が混じる状態。

構成生薬の役割

  • 胃腸と回復力を支える: 人参・茯苓・蒼朮・大棗・甘草で胃腸を支え、黄耆が低下した回復力を助けます。
  • 血を補い心を落ち着かせる: 当帰・竜眼肉で血の不足に配慮し、酸棗仁・遠志が眠りの質や気持ちの落ち着きをサポートします。
  • 熱感といらだちを整える: 柴胡・山梔子が疲れの中に混じる熱感を冷まし、木香が巡りを整えて全体を調和させます。

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堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。