甘露飲(かんろいん)

甘露飲(かんろいん)は、宋代の『太平恵民和剤局方』に記載される処方で、口や舌、歯ぐきなどに生じる炎症や痛みを、「熱」と「乾き(陰の不足)」の両面から整えることを目的としています。

成分(生薬)

地黄、甘草、石斛、麦門冬、茵蔯蒿、黄芩、枳実、枇杷葉、天門冬

漢方的な考え方

古典では、胃や肺にこもった熱が上に昇り、口腔内のトラブルとして現れる状態が想定されています。単に冷やすだけでなく、潤いを与えることで炎症を穏やかにしずめていきます。

  • 口内炎・舌の荒れや痛み: 体の上部に熱が偏り、粘膜が乾燥して炎症を起こしやすい状態。
  • 歯周炎: 熱と乾きが絡み合い、歯ぐきに赤みや痛みが出やすい状態。
  • 体力中等度以下: 強く冷ましすぎる処方よりも、潤いを補いながら整える方針が適している状態。

構成生薬の役割

  • 粘膜の潤いを支える: 地黄・麦門冬・天門冬・石斛の組み合わせが、口腔内や粘膜の乾きをやわらげ、潤いを補います。
  • 熱の偏りと巡りを整える: 黄芩・茵蔯蒿がこもった熱を冷まし、枳実・枇杷葉が気の通りを整えて炎症の停滞を防ぎます。
  • 穏やかに調和する: 甘草が全体を調和させて刺激を和らげ、内側から口腔トラブルを整える方向で働きます。

漢方薬一覧へ

堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。