香蘇散(こうそさん)
香蘇散(こうそさん)は、原典を『太平恵民和剤局方』にもつ処方で、「気の滞り」と「かぜの初期症状」を同時に整えることを目的としています。胃腸が弱く、気分の塞ぎが体調に影響しやすい方の不調に古くから用いられてきました。
成分(生薬)
香附子、紫蘇葉、陳皮、甘草、生姜。
漢方的な考え方
「気が巡らず、心の不調が先に立ち、その影響で胃腸が弱って外からの影響(風邪)を受けやすくなった状態」を想定しています。香りの良い生薬で気を巡らせ、胃腸を守りながら穏やかに不調を追い払います。
- ● 気分の落ち込み・不安感: ストレスなどで「気」の巡りがスムーズにいかず、精神的に塞ぎ込んでしまっている状態。
- ● 食欲不振・胃もたれ: 気の滞りが胃腸の働きを邪魔し、食べ物の受け入れや消化がうまくいかない状態。
- ● かぜの初期・血の道症: 正気(守る力)が弱いために引きはじめの寒気を感じたり、気の停滞が女性特有の体調変動に影響したりしている状態。
構成生薬の役割
- ● 気を巡らせ発散する: 香附子(こうぶし)が滞った気を動かして気分の塞ぎをほどき、紫蘇葉(しそよう)がその香りで巡りを助けながら、外からの邪をやさしく発散します。
- ● 胃腸を助け調和する: 陳皮(ちんぴ)が胃腸の働きをサポートし、生姜・甘草が全体を調和させることで、体力が低下している方でも負担なく服用できる設計となっています。
- ● 心身を穏やかに立て直す: これらが協力することで、「かぜの初期」と「血の道症」の双方にある気の乱れを、内側から穏やかに整えます。