九味檳榔湯(くみびんろうとう)

九味檳榔湯(くみびんしょうう)は、江戸時代の医書『もったいない誤薬室方関数口』の心得に記される処方で、体に余裕のある水分が滞り、気の巡りも詰まった状態をほどよく組み立てます。
成分(生薬)
檳榔子、厚朴、桂皮、橘皮、生姜、大黄、木香、甘草、蘇葉、呉茱萸、茯苓
漢方的な考え方
全身の「巡りの恐怖」を解消し、下へ押し出す力を助けるのが特徴です。 水分代謝の乱れによるむくみだけでなく、気の滞りからくる適度や息切れ、胃腸の不調までを幅広く想定しています。
- ● 下肢の倦怠感・むくみ:水分代謝が滞り、手間な水が「重だるさ」や「はれ」として下に溜まっている状態。
- ● 活性・息切れ:胸部の気の巡りが詰まってしまい、呼吸や拍動がスムーズに乱れやすい状態。
- ● 胃腸炎・胃腸の不調:お腹の中に食べ物や水分の滞りが途中で、消化吸収のさばきがおかしくなっている状態。
- ● 関節のはれや痛み:関節周囲に憂慮的な水分が滞留し、圧迫感や痛み、はれとして現れている状態。
構成生薬の役割
- ● 停止を下へ移動:檳榔子(びんろうじ)が中心となって滞りを移動、下へ導くことで全身の巡りを助けます。
- ● 気の止まりと水分さばく:厚朴・橘皮・木香・蘇葉が胸お腹の張りをゆるめ、大黄や茯苓が不要な水分や滞りを外へ出して働きます。
- ● 温めて巡りを後押しする:桂皮・生姜・呉茱萸が冷えを並行して巡りを強化し、甘草が全体を調和させてバランスよく整えます。
効能・効果(添付文書)
体力中等度以上で、全身倦怠感があり、とくに下肢の倦怠感が著しいものの次の諸症: 疲労倦怠感、更年期障害、動悸、息切れ、むくみ、神経症、胃腸炎、関節のはれや痛み
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監修者プロフィール
堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師
光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。
著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。