麻子仁丸料(ましにんがんりょう)
麻子仁丸料(ましにんがんりょう)は、漢方の古典『傷寒論』に記される、「腸を潤して出す」ための代表的な便秘薬です。加齢や体質、乾燥などによって腸のうるおい(津液)が不足し、便が硬くコロコロになってしまった状態を、オイルのような生薬で滑らかに整えながら、自然な排便へと導きます。
成分(生薬)
麻子仁、大黄、枳実、杏仁、厚朴、芍薬
漢方的な考え方
漢方では、体力が低下したり体が乾燥傾向にあると、腸内の滑りが悪くなり、便が停滞しやすくなると考えます。この状態を無理に強い下剤で動かそうとすると、体力をさらに消耗させてしまうことがあります。麻子仁丸は、腸にたっぷりと「うるおい」を注ぎ込みながら、滞った「気」を動かすことで、お腹の張りを和らげ、スムーズな排出を助けます。
- ● 便秘・硬い便: 腸内が乾燥して便が硬く、いきんでもなかなか出ない状態。特にお年寄りや、体力の衰えを感じる方のコロコロとした便に。
- ● 腹部膨満・食欲不振: 便やガスが腸内に居座ることで、お腹がパンパンに張って苦しく、食事をおいしく受け付けられない状態。
- ● 便秘に伴う諸症状: 排泄が滞ることで体内に熱がこもり、頭が重くなったり、のぼせや吹き出物(にきび)が出やすくなっている状態。
構成生薬の役割
- ● 腸を潤し、便を滑らかにする: 植物の種子である麻子仁(ましにん)と杏仁(きょうにん)に含まれる良質な油分が、乾いた腸壁を潤し、硬くなった便をスルリと動きやすくします。
- ● 詰まりを解き、送り出す: 大黄(だいおう)が便の停滞を動かし、枳実(きじつ)と厚朴(こうぼく)が腸内の「気の詰まり」を解消。これにより腸の自然な動き(蠕動運動)を呼び覚まします。
- ● 緊張を緩め、張りを和らげる: 芍薬(しゃくやく)が腸管の過度な緊張や痙攣をほぐし、排便時の痛みやお腹の不快な張りを抑えます。これらのバランスにより、体に負担をかけすぎず、穏やかに便通を整えます。
監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)
執筆: KanpoNow編集部
※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。