柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)

柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)は、古典『景岳全書』の考え方を基にした処方で、気の巡りが滞って起こる「胸・脇・腹部の張りと痛み」をほどいていく目的で組み立てられています。エネルギーが伸びやかに巡らず、体に詰まりや重苦しさを感じる状態を整えるために用いられます。

成分(生薬)

柴胡、芍薬、甘草、青皮、川芎、香附子、枳実

漢方的な考え方

「肝(かん)」ののびやかな巡りが滞り、胸腹部が重苦しく、時には差し込むような痛みが出る状態を想定しています。滞った「気」を動かし、筋肉や神経の緊張をゆるめることで、不快な症状を内側から和らげていきます。

  • 胸腹部の重苦しさ: 気の巡りが悪いために、胸からみぞおちにかけて何かつかえたような、詰まったような感覚がある状態。
  • 側胸部痛・腹痛: 脇(肋骨まわり)が張って痛んだり、お腹の中にガスが溜まって張るような、差し込むような痛みがある状態。
  • 頭痛・肩背のこわばり: 下の滞りが上にまで波及し、筋肉が緊張して首、肩、背中のこりや頭痛として現れている状態。

構成生薬の役割

  • 気の詰まりをほどく: 柴胡(さいこ)を中心に、香附子(こうぶし)・青皮(せいひ)・枳実(きじつ)が協力して、胸腹部にこびりついた「気の停滞」を強力に動かします。
  • 痛みと緊張をやわらげる: 芍薬(しゃくやく)・甘草が筋肉や内臓の緊張をゆるめて痛みを鎮め、川芎(せんきゅう)が血行を助けて肩背や頭部の不快感に配慮します。
  • 張って痛むタイプを整える: これらが組み合わさることで、神経痛や腹痛などの「張りを伴う痛み」を、巡りの視点から根本的に整える方向で働きます。

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堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

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