折衝飲(せっしょういん)

折衝飲(せっしょういん)

折衝飲(せっしょういん)は、古典『万病回春』に記される処方です。徐々に生じた「血の滞り(瘀血:おけつ)」をほどき、痛みや月経の乱れを整えるために組み立てられました。

成分(生薬)

牡丹皮、川芎、芍薬、桂皮、桃仁、当帰、延胡索、牛膝、紅花

漢方的な考え方

漢方では、血が滞って十分に巡らなくても、「一定の場所が痛む」「押すと痛みが強いまる」のような特徴が現れます。

  • 月経痛・月経困難:月経時に血の流れがスムーズに進み、徐々に血が溜まって強い痛みが生じている状態。
  • 月経不順:血の巡りが不安定なために、周期や経血の量が乱れやすい状態です。
  • 腰痛・肩こり・神経痛:局所の血行不良が背景にあり、筋肉のこわばりや鈍い痛みが慢性化している状態。

構成生薬の役割

  • 滞った血を力強く動かす:桃仁(とうにん)・紅花(こうか)・牡丹皮(ぼたんぴ)が、短く居座る古い血の滞りを減らして、流れを止めます。
  • 巡りを助ける痛みを鎮める:きゅう川芎(せん)・牛膝(ごしつ)が血行を末端まで送り出し、延胡索(えんごさく)が痛みを中心に鎮める役割を担っています。
  • 温めて血を養う:当帰(とうき)・薬が血を養ってしなやかさを与え、桂皮(けいひ)が巡りを温めて後押しすることで、痛みの原因を根本から整えます。

効能・効果(添付文書)

体力中等度以上で、下腹部痛があるものの次の諸症:月経不順、月経痛、月経困難、神経痛、腰痛、肩こり

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監修者プロフィール
堀口和彦

堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師

光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。

著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。