小建中湯(しょうけんちゅうとう)

小建中湯(しょうけんちゅうとう)は、『傷寒論』『金匱要略』に記される処方です。「中(ちゅう:胃腸)」を健やかに立て直すという名の通り、体力の弱りからくるお腹の痛みや、心身の落ち着かなさを整えるために用いられてきました。特に、お子さまの虚弱傾向や神経過敏にも広く活用される優しい処方です。

成分(生薬)

芍薬、桂皮、大棗、甘草、生姜

漢方的な考え方

古典では、エネルギーの消耗によってお腹の緊張が高まり、差し込むような痛みや動悸、疲れやすさが重なった状態を想定しています。無理に抑え込むのではなく、胃腸を温めて緊張をゆるめることで、回復しやすい体の土台を築きます。

  • 腹痛・慢性胃腸炎: 体力不足でお腹がこわばりやすく、差し込むような痛みや張りを繰り返してしまう状態。
  • 疲労倦怠・血色不良: 回復力が追いつかず、常に元気が出なかったり、顔色が悪く体調が整わなかったりする状態。
  • 神経質・夜泣き・夜尿症: お腹の不快感や緊張が抜けず、情緒が不安定になったり、自律的なコントロールが乱れたりしやすい状態。

構成生薬の役割

  • 痛みをゆるめ調和する: 芍薬(しゃくやく)がお腹の緊張(こわばり)をほどいて痛みを和らげ、甘草(かんぞう)が全体の働きをマイルドに調和させます。
  • 内側から温め巡らせる: 桂皮(けいひ)・生姜が冷えを改善して胃腸の動きを助け、大棗(たいそう)が消耗した体力の回復と気持ちの安定をサポートします。
  • 心身の土台を立て直す: これら五味の生薬が協力することで、胃腸の弱さからくる「痛み」と「不安」の両面を、内側から穏やかに整えていきます。

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堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。