著者:堀口和彦(東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師)|更新日:2025-08-21
はじめに
ストレスがかかった場合には、体や心の状態によっていろいろ症状が出てきます。その方の体質、気質というものがあるのですが、その体質と気質によってストレスがかかった時の症状は変わってきます。
ストレスがかかった時の反応には、4つのパターンがあると考えています。
- イライラしてしまう
- 気力が低下して、やる気がなくなってしまう
- 不安になってしまう、不安感が強まってしまう
- そわそわして落ち着かず、何に手をつけていいのかわからなくなる
同じ「ストレス」でも体や心の現れ方も人それぞれ。漢方では体質(証)を見極めて、気の巡り・血の不足・胃腸の虚弱などの偏りを整えます。
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説明者:堀口和彦 | インタビュー:KanpoNow 横山伸行
動画インタビュー
※本記事は上記インタビュー内容をもとに編集しています。
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ストレスの4タイプ
① 気滞(イライラ・怒りっぽい)
ストレスかかった時にイライラするタイプです。これが一番多いかもしれません。
このタイプの方は漢方では気滞(きたい)と言います。体の中を巡る気が、怒ったりすることによってストレスがかかり停滞してしまうわけです。これを気滞と言います。
気滞タイプでストレスがかかり、イライラで不眠や怒りっぽくなっ てしまうタイプの方には抑肝散(よくかんさん)という処方がよく使われます。
胃腸に来るタイプの方もいます。例えば、胃炎慢性胃炎とか胃潰瘍の方は減りましたが、逆流性食道炎などの方です。そのタイプの方には安中散(あんちゅうさん)という処方があります。ストレスで胃が痛くなる方によい処方です。
ストレスかかると、緊張感と一緒に喉に違和感、詰まったような、呼吸がしにくいような感じのタイプの方には、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)という処方もよく使います。
② 気虚(気力が出ない)
ストレスがかかると、もういいよみたいな感じで、やる気がなくなって低下してしまうタイプです。これは漢方では気虚(ききょ)と言います。気が全体的に少ないタイプです。
気虚タイプの方がストレスがかかった時には、すごく気力が低下します。意欲低下ともいいますが、だいたい消化器である胃腸が弱く、食べたものが体の中に十分消化吸収できないタイプが多いです。
このようなタイプの方には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)という処方があります。これは、血圧も低かったり、立ちくらみするような貧血っぽいタイプの方にもいいです。
胃腸が弱い方で、下痢や軟便になりがちで、しかもあまり食べられない食も細いようなタイプの方には、六君子湯(りっくんしとう)という処方があります。
③ 血虚(不安が強い)
ストレスかかることによって、不安を感じてしまうタイプです。このタイプの方は、血虚(けっきょ)と言いましていわゆる血が少ないという意味です。
血虚には貧血的な意味合いもあります。脳や体の働きを機能させる酸素や栄養分を十分に運び込むための血液が不足しているという意味です。検査では貧血とは言われないにしても血虚という方はよくいらっしゃいます。
不安感、ストレスがかかって不安で寝られなくなるタイプには、加味帰脾湯(かみきひとう)という処方がいいです。胃腸の働き、消化吸収が弱いので血を増やせないタイプにお勧めです。
もう1つは、柴胡桂枝乾姜湯という処方もあります。ストレスにかかって不安感、体が冷えて頭が重くなってしまったりする方にお勧めです。
④ 陰虚(そわそわ・頻尿)
ストレスがかかると、そわそわして落ち着かなくなるタイプです。こういうタイプは、漢方では陰虚(いんきょ)と言います。体の中の体液成分である水気が少ないという意味があります。
また、脳から出ている体を動かす神経の伝達物質(精神活動が正常に行われたり、体が動 たりするもの)が少なくなっているのも陰虚と漢方では捉えてます。
このようなストレスがかかるとソワソワして、落ち着かないタイプによく使うのが、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)です。ドキドキした動機や、不眠、熟睡感のないような方に有効です。
尿意を感じるとすぐにトイレに行きたくなってしまうタイプには、清心蓮子飲(せいしんれいしんいん)という処方もあります。
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ストレスのツボ
行間(こうかん)
ストレスがかかってイライラする気滞タイプの方に有効なツボです。
足の親指の拇指と示指の間にある「行間(こうかん)」というツボがお勧めです。足の指の付け根の間で、ちょうど谷になってるような場所です。
人差し指と親指の間で、そこを割と強く押してあげると、イライラやモヤモヤ感、ストレスを鎮める作用があります。
足三里(あしさんり)
気虚のタイプで、ストレスかかると意欲低下するタイプの方は「足三里(あしさんり)」というツがおすめです。
これは胃腸の働きを高める作用もあります。膝の下外側です。気力を高める作用がありますので、ストレスがかかって、ぐで~っとしてるようなタイプの方には足三里がおすめです。
おわりに
ストレスへの対処方法も体質によって、漢方薬のアプローチが変わってきます。ご自身の症状や体質に合った漢方薬を用いるようにお願いします。
どうぞお大事になさってください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医師・薬剤師等の専門家による個別の医療アドバイスに代わるものではありません。持病や服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は自己判断で服用せず、事前にご相談ください。
執筆・監修:堀口和彦/編集:KanpoNow横山伸行
著者プロフィール
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