EDで悩む男性

ED(勃起不全)の漢方とツボを4体質別に解説します(堀口メソッド)

著者:堀口和彦(東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師)|更新日:2025-09-11

説明者:堀口和彦 | インタビュー:KanpoNow 横山伸行

動画インタビュー

ここからは、体質別に解説していきます。

陽虚体質

一番は、陽虚(ようきょ)です。いわゆる体を働かせる成長ホルモンや男性ホルモンが不足すると、性欲が出てこず性機能も促進されません。

そういう方には、八味地黄丸料(はちみじおうがんりょう)を利用します。これは前立腺肥大や糖尿病、血糖値が高めの方にも適しますので、少し元気のない方におすすめです。

血虚体質

バイアグラなどは血液を陰部に集める作用がありますが、漢方にも血(けつ)の不足タイプに用いる処方があります。

特にEDでは、陰部・肝臓・腎臓などの内臓への血流不足が背景にあることが多く、解毒・代謝に関わる臓器に十分な血が巡らないことで機能が低下し、結果として陰部への血流も阻害されます。

このタイプには、肝機能の調和を図る小柴胡湯(しょうさいことう)大柴胡湯(だいさいことう)、元気を促進させる目的で補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を用います。

気虚体質

気力・やる気が出にくく、性欲も少なめのタイプです。一般的に消化吸収が弱く、食が細い傾向があります。

この体質の方には、気力を高める小建中湯(しょうけんちゅうとう)を用います。

また、胃などの手術後をきっかけに元気が落ち、EDに至る方もいます。その場合は、術後の体力回復に十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)を用います。

陰虚体質

体を潤す成分(陰分)が不足するタイプです。特に心臓や腎臓の潤いが不足すると、オーバーヒートしやすく、不安感や不整脈、動悸が出やすくなり、EDが起きやすくなります。

いざという時に不安や緊張が出て、うまく行為が進まないタイプには、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)を用います。

※ドリンク剤では「鹿茸(ろくじょう)」=若い鹿の角の成分が入っているものがおすすめ。腎の陽を補い、ホルモン作用を後押しします。

EDのツボ

陰包(いんぽう)

陰包(いんぽう)

足の内股(太ももの内側)、膝と股の中間あたり。肝経の経絡上で陰部に連なります。敏感な部位で刺激がダイレクトに届くため、行為の前などに指圧やマッサージがよいです。可能ならパートナーに押してもらうのも効果的。

陰谷(いんこく)

膝の内側にあるツボで、腎経につながります。日頃から経絡ラインを刺激しておくことで、ホルモンの働きを高める助けになります。

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FAQ(よくあるご質問)

EDの主な原因は?
血管・神経・ホルモン・心因性など多因子です。糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病や喫煙、薬剤性も関連します。
参考:NIDDK: Erectile DysfunctionMSDマニュアル:勃起障害(一般向け)
生活習慣でできる対策は?
運動・減量・禁煙・節酒、睡眠とストレス管理、糖尿病や高血圧の管理が推奨されます。
参考:NIDDK: EDの治療
病院での治療は?
PDE5阻害薬(シルデナフィル等)、陰圧式勃起補助具、注射療法、ホルモン治療、心理療法など。原因により検査(血液・ホルモン・超音波等)を行います。
参考:MSDマニュアル(専門向け):勃起障害

その他のFAQ

受診の目安

  • EDが急に出現し、胸痛・息切れ・労作時症状を伴う
  • 陰茎の痛み・変形・外傷、血尿や排尿困難、発熱などを伴う
  • 甲状腺・テストステロン低下が疑われる症状(低性欲、倦怠、体毛減少など)等

参考:NIDDK: EDMSDマニュアル(一般向け)

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医師・薬剤師等の専門家による個別の医療アドバイスに代わるものではありません。持病や服薬中の方は自己判断で服用せず、事前にご相談ください。

著者プロフィール

堀口 和彦(東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師)

光和堂薬局 院長

埼玉県生まれ
東京理科大学薬学部卒
同大学院修士課程修了
総合漢方研究会 学術部員
元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員
公益法人埼玉県鍼灸師会会員
さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)
一般財団法人日本漢方連盟 会員
著書:やさしい漢方入門(健友館)、パプアニューギニアの薬草文化(アボック社)、体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐(万来舎)など

販売薬局:光和堂薬局(さいたま市西区指扇領別所326-1)・許可(さ局)第7105号。

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