甘草(かんぞう)
まずは要点
- どんな生薬? 甘草(カンゾウ)は多くの漢方で味をととのえ、働きのバランスを取る「調和役」で用いられます。
- 中身は? 代表成分はグリチルリチン酸です。*①②
- 注意点 長期・多量で偽アルドステロン症のリスクがあります。むくみ・だるさ・血圧上昇などに注意してください。*④⑤
甘草の基礎データ
- 読み方: カンゾウ
- 基原・由来: マメ科ウラルカンゾウ/スペインカンゾウの根・ストロン *①②
- 主要成分: グリチルリチン酸 ほか *①②
- 性味: 甘 / 平 帰経: 心・肺・脾・胃 *③
伝統的な使われ方
甘草は、せきやのどの不快をやわらげたり(潤肺・止咳)、こむら返りのようなつっぱりを落ち着かせたり(緩急止痛)、 ほかの生薬どうしの作用の角をとって全体の働きを整える目的で配合されます。*②③
この生薬を含む漢方薬例
- 安中散(あんちゅうさん)(胃痛・胃もたれ等)
- 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)(こむらがえり等)
- 桂枝湯(けいしとう)(かぜの初期等)
- 炙甘草湯(しゃかんぞうとう)(動悸・息切れ等)
- 桔梗湯(ききょうとう)(扁桃炎等)
安全性と受診の目安
甘草やグリチルリチン酸を含む製剤では、偽アルドステロン症(低カリウム血症・むくみ・高血圧・だるさ・筋力低下など)が知られています。「長く飲んでいる」「複数の製品で重なっている」などの方は特に注意が必要です。*④⑤
- すぐ相談: むくみ、こむら返り、動悸、だるさ、血圧上昇が続くとき
- 服薬中: 持病や他の薬を使っている方は、自己判断での継続・中止は避け、専門家へ
※このページは一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の決定には医療専門家の判断が必要です。
よくある質問
Q. 甘草はどんなときに使われますか?
A. せき・のどの不快、筋けいれんの痛みの緩和などを狙って配合されることが多く、方剤全体のバランスを整える役割も担います。*②③
Q. 飲み合わせや副作用が心配です
A. 長期・多量・重複摂取で偽アルドステロン症のリスクが上がります。むくみ・だるさ・血圧上昇などの症状は早めにご相談ください。*④⑤