人参(にんじん)
まずは要点
- どんな生薬? 人参(ニンジン/オタネニンジン)は、補気薬の代表で、疲労・食欲不振・冷えなどに配合されます。*①②
- 中身は? 主成分はサポニン(ジンセノサイド群)、多糖体、精油成分です。*①③
- 注意点 体質や用量により、不眠・動悸・のぼせなどが出ることがあります。抗凝固薬や血糖降下薬との相互作用も報告されています。*④⑤
人参の基礎データ
- 読み方: ニンジン(オタネニンジン/高麗人参)
- 基原・由来: ウコギ科 Panax ginseng の根(乾燥根、日本薬局方収載)。*①②
- 主要成分: ジンセノサイド群(Rb1、Rg1 等)、多糖体、揮発成分。*①③
- 性味: 甘・微苦 / 微温 帰経: 脾・肺(心)。*②③
伝統的な使われ方
脾肺の気を補い、消化機能や体力低下を立て直す目的で使われます。疲労、食欲不振、息切れ、冷えなどに用いられてきました。*②③
この生薬を含む漢方薬例
- 六君子湯(りっくんしとう)(胃もたれ、食欲不振、胃痛 など)
- 人参湯(にんじんとう)(胃腸虚弱、下痢、腹痛 など)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)(虚弱体質、疲労倦怠、食欲不振 など)
- 人参養栄湯(にんじんようえいとう)(体力低下、疲労倦怠、食欲不振 など)
- 桂枝人参湯(けいしにんじんとう)(頭痛、動悸、下痢 など)
安全性と受診の目安
適量では安全に用いられますが、不眠・動悸・のぼせ・胃部不快などが出る場合があります。抗凝固薬や血糖降下薬との相互作用に注意してください。*④⑤
よくある質問
Q. 高麗人参(紅参)と白参の違いは?
A. 蒸して乾燥したものが紅参、皮をむいて乾燥したものが白参で、加工の違いで成分や性質が変わります。*③
Q. 興奮や不眠を感じたときは?
A. 一時的に休薬し、症状が続く場合は専門家に相談してください。*④