黄耆(おうぎ)
まずは要点
- どんな生薬? 黄耆(オウギ)は「補気」の要となる生薬で、体力が落ちやすいときの土台づくりに配合されます。*①②
- 中身は? イソフラボン(フォルモノネチン)、サポニン(アストラガロシド)、多糖類など。*①②
- 注意点 体質・持病・妊娠中/授乳中・免疫抑制剤の使用中などは自己判断せず相談してください。*④
黄耆の基礎データ
- 読み方: オウギ
- 基原・由来: マメ科キバナオウギ Astragalus membranaceus または A. mongholicus の根 *②
- 主要成分: アストラガロシド類、イソフラボン(フォルモノネチン等)、多糖類 *①②
- 性味: 甘 / 温 帰経: 脾・肺 *③
伝統的な使われ方
黄耆は補気・固表(体表のバリアを補う)を中心に、体力が落ちやすい、汗が出やすい、回復を促したいときなどに配合されます。古典的には補気昇陽・固表止汗・托毒排膿・利水退腫の働きが述べられ、状況に応じて人参・白朮・当帰などと組み合わせます。*③
この生薬を含む漢方薬例
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)(むくみ・関節の腫れ痛み 等)
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)(虚弱体質・疲れやすい 等)
- 黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)(体力低下・汗が出やすい 等)
- 玉屏風散(ぎょくへいふうさん)(風邪をひきやすい体質の改善 等)
- 加味帰脾湯(かみきひとう)(貧血、不眠症、精神不安 等)
安全性と受診の目安
一般に大きな問題は少ないとされますが、免疫抑制剤との相互作用の可能性や、妊娠中・授乳中の安全性データが限られる点が指摘されています。サプリ等での長期多量摂取は避け、持病や併用薬がある場合は医療専門家にご相談ください。*④
- すぐ相談: 皮疹・かゆみ、息苦しさなど異常を感じたとき
- 服薬中: 免疫抑制剤や抗がん剤などを使用中、自己判断での開始/中止は避けてください
※このページは一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の決定には医療専門家の判断が必要です。
よくある質問
Q. 黄耆はどんなときに使われますか?
A. 体力が落ちやすい、汗をかきやすい、回復を促したいときなどに、他の生薬と併用して補気・固表を狙って用いられます。*③
Q. 安全性はどうですか?
A. 比較的安心とされますが、免疫抑制剤との相互作用の可能性や、妊娠中・授乳中の使用は不明点があります。個別事情は専門家にご相談ください。*④