貝母（ばいも）

まずは要点

• どんな生薬？ 貝母（ばいも）はFritillaria 属の鱗茎を乾燥した生薬で、清熱化痰・潤肺止咳、散結のはたらきが知られます。咳・痰、乾いた咳や喉の違和感の改善を狙って配合されます。*①②③
• 中身は？ ステロイド性アルカロイド（peimine, peiminone/peiminine など）が知られます。*①②③
• 注意点 体質により胃部不快・軟便が出ることがあります。息苦しさや血痰、高熱を伴う場合は受診を検討します。*④

貝母の基礎データ

• 読み方： ばいも
• 基原・由来： Fritillaria thunbergii（浙貝母）、F. cirrhosa（川貝母）などの鱗茎（日本でもアミガサユリ（F. verticillata var. thunbergii）の記載が一般的）。*①②③
• 主要成分： peimine, peiminone（peiminine）などのアルカロイド、微量フラボノイド・多糖。*①②③
• 性味： 苦・甘 / 微寒〜寒　帰経： 肺・心。*③

伝統的な使われ方

肺熱・燥咳による乾いた咳・喉の乾きや、痰が絡む咳に用いられてきました。川貝母は潤肺・止咳、浙貝母は化痰・散結に比重を置く使い分けが記載されています。*①②③

この生薬を含む漢方薬例

• 清肺湯（せいはいとう）（せき、たん、気管支炎など）

安全性と受診の目安

体質や体調により胃部不快・軟便などが出ることがあります。呼吸困難、持続する高熱、血痰、胸痛などは医療機関へ。自己判断での長期連用は避けます。*④

• すぐ相談： 息苦しさの増悪、血痰や40℃近い高熱、胸痛。
• 服薬中： 持病や他剤を併用している場合は自己判断での継続・中止を避け、専門家へ。

※このページは一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の決定には医療専門家の判断が必要です。

よくある質問

*参考・出典

1. 公益社団法人 東京生薬協会「バイモ（貝母）」 ①
2. ツムラ「漢方ビュー｜生薬辞典：貝母」 ②
3. 富山大学 和漢医薬学総合研究所「伝統医薬DB（貝母）」 ③
4. MSDマニュアル家庭版（受診目安の一般情報） ④