更年期の漢方の正しい選び方|症状と8つの体質から考える漢方ガイド

更新日:2026年7月20日監修:堀口和彦

更年期のさまざまな不調を体質から考える女性のイメージ

更年期の不調を、ひとつの症状名だけでなく、症状の重なりと8つの体質から整理する親ページです。

ほてりや発汗だけでなく、不眠、イライラ、むくみ、動悸、めまい、便秘、冷え、肩こり、体重増加など、更年期には身体と心の変化が重なって現れることがあります。

このページから、いま最も気になる症状の子ページと、気滞・血虚・陰虚・血瘀・気虚・湿痰・陽虚・湿熱の8体質へ進めます。

症状 × 体質から、あなたに合う漢方を見つけます。

このページは更年期のハブとなるページです。

更年期全体の見取り図を示し、症状別ページへ案内します。男性の更年期は女性の相談統計へ含めず、男性更年期の専用ページで分けて説明します。

更年期症状と更年期障害

更年期は、一般に閉経を挟む前後およそ10年間を指します。閉経年齢には個人差があり、年齢だけで更年期障害と判断するものではありません。

この時期には、女性ホルモンの変動に、睡眠、仕事や家庭の負担、体力、持病などが重なり、ほてり、発汗、冷え、動悸、めまい、肩こり、疲労、不眠、不安、気分の落ち込み、泌尿生殖器の不調など、多様な症状が現れることがあります。

閉経前後の心身の不調を「更年期症状」と呼び、その症状によって日常生活に支障が出る状態が「更年期障害」です。似た症状を起こす別の病気を除外することも重要です。

症状別ページから探す

このページでは全体像を確認し、具体的な悩みは症状別ページで詳しく見ます。相談データの件数は、公開統計36件の初期相談時に一緒に記録された件数であり、効果や推奨順位を示すものではありません。

症状別ガイド

更年期の8つの体質

気滞・血虚・陰虚・血瘀・気虚・湿痰・陽虚・湿熱の全体像を確認します。

症状別ガイド

更年期のホットフラッシュ

顔や上半身のほてり、急な発汗、寝汗、冷えのぼせを整理します。

相談データ36件中、17件に記録

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更年期太り

体重増加、水太り、腹部脂肪、代謝低下を体質から見ます。

相談データ36件中、2件に記録

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更年期の不眠

寝つきの悪さ、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡感の低下を整理します。

相談データ36件中、7件に記録

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更年期のイライラ

怒りっぽさ、不安、焦り、落ち込み、心の余裕の低下を整理します。

相談データ36件中、11件に記録

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更年期のむくみ

足や顔のむくみ、重だるさ、水分代謝の偏りを確認します。

相談データ36件中、6件に記録

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更年期の動悸

動悸、胸のざわつき、不安、息苦しさを安全面も含めて整理します。

相談データ36件中、2件に記録

症状別ガイド

更年期のめまい

ふわふわ感、回転感、立ちくらみ、頭重感を体質別に見ます。

相談データ36件中、9件に記録

症状別ガイド

更年期の便秘

硬い便、残便感、腹部膨満、便秘と下痢の反復を整理します。

相談データ36件中、19件に記録

症状別ガイド

更年期の冷え

手足の冷え、下半身の冷え、冷えのぼせを体質から見ます。

相談データ36件中、10件に記録

症状別ガイド

更年期の肩こり

首筋の張り、重だるさ、頭痛、冷えやストレスとの関係を整理します。

相談データ36件中、14件に記録

KanpoNowのAI漢方診断データ

AI漢方診断データ

診断画面で利用者が選択した症状・体質を集計したデータです。

堀口先生の相談データ

初期相談時の訴え、体質記録、初期回答での処方選定を整理した別のデータです。

両データは別母集団です。

件数を合算せず、割合も直接比較しません。以下のAIデータは、現行ページに掲載されていた2026年5月15日〜6月14日の集計を引き継いだスナップショットです。

順位 45〜59歳女性4,134名で選択された症状 割合
1 ホットフラッシュ 20.0%
2 更年期太り 17.3%
3 むくみ 16.7%
4 不眠 11.4%
5 イライラ 9.8%
6 めまい 6.7%
7 動悸 4.7%

複数の症状を選択できるため、割合の合計は100%になりません。

順位 AI診断での体質分類 割合
1 気滞 21.8%
2 湿痰 19.1%
3 血瘀 15.9%
4 血虚 11.5%
5 陰虚 10.2%
6 気虚 9.3%
7 中庸 5.9%
8 陽虚 4.3%
9 湿熱 2.0%

AI診断の体質分類には「中庸」が含まれます。本文の体質解説は、漢方の8体質を対象にしています。

堀口和彦先生の更年期相談データ

堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データを整備した「更年期症例」から、更年期の不調が主訴として分類された全36件を整理しました。

体質、併発症状、漢方薬は1人に複数記録される場合があります。

この集計は改善実績ではなく、初期相談時に記録された体質、併発症状、堀口先生の初期回答での処方選定履歴です。件数は効果や推奨順位を示すものではありません。

初期相談時に一緒に記録された症状

疲労・だるさ・気力低下

17件
不安・落ち込み

9件
関節・腰の痛み

7件

複数回答集計です。このページでは全体像を示し、各症状の詳細はリンク先のページで説明します。

記録された8つの体質

気滞

4件
血虚

4件
陰虚

9件
血瘀

8件
気虚

10件
湿痰

15件
陽虚

12件
湿熱

16件

1人に複数の体質が記録される場合があります。体質件数は優劣や診断の確定を示しません。

初期回答で選定された漢方薬

順位 漢方薬 件数 36件に対する割合
1 女神散 15件 41.7%
2 柴胡加竜骨牡蛎湯 9件 25.0%
3 柴胡桂枝乾姜湯 6件 16.7%
4 温経湯 5件 13.9%
5 加味逍遙散 4件 11.1%
6 疎経活血湯 3件 8.3%
7 通導散 2件 5.6%
8 桂枝茯苓丸料 2件 5.6%
9 黄連解毒湯 2件 5.6%
10 九味檳榔湯 2件 5.6%

複数回答集計です。堀口先生の初期回答で実際に選定を確認できた処方だけを集計しています。件数は効果や一般的な推奨順位を示すものではありません。

更年期相談の代表例

以下の6件は、公開統計36件とは別の症例です。初期相談時の情報だけを要約し、個人情報、購入・配送に関する情報、服用後の経過は掲載していません。

44歳女性

ほてりと睡眠の乱れに、もともとの冷えが重なった例

ほてりで夜中や早朝に目が覚め、もともとの冷えと便秘も重なっていました。初期相談時には、熱感だけでなく、冷えと胃腸の状態を一緒に確認しています。

初期相談時の体質記録:陽虚・湿熱

堀口先生の初期回答で選定:柴胡加竜骨牡蛎湯女神散
53歳女性

イライラ・不眠・肩こりが重なった例

感情の高ぶりに加えて、肩こりと眠りの浅さが続いていました。初期相談では、気力の低下と水分代謝の偏りも含めて体質を整理しています。

初期相談時の体質記録:気虚・湿痰

堀口先生の初期回答で選定:柴胡桂枝乾姜湯抑肝散
ほかの代表相談例4件を見る
50歳女性

ホットフラッシュと動悸、汗が気になった例

夏場に強くなるほてりと発汗に、動悸と便通の不安定さが重なっていました。初期相談では、熱のこもり方と体力のバランスを確認しています。

初期相談時の体質記録:気虚・湿熱

堀口先生の初期回答で選定:桂枝茯苓丸料黄連解毒湯
51歳女性

ほてりと疲労、不安感が重なった例

月経の変化とともにホットフラッシュが現れ、だるさ、集中力の低下、不安感も感じていました。初期相談では、巡りと冷えの両面から体質を整理しています。

初期相談時の体質記録:血瘀・陽虚

堀口先生の初期回答で選定:加味逍遙散
49歳女性

めまい・肩こり・頭痛と便秘が重なった例

ふわふわするめまいに、強い肩こりと頭痛、便秘が重なっていました。初期相談では、胃腸の状態と体力、熱の偏りを一緒に確認しています。

初期相談時の体質記録:気虚・湿熱

堀口先生の初期回答で選定:桃核承気湯
51歳女性

むくみ・体重増加・だるさが重なった例

むくみが強く、体のだるさと体重増加、月経周期の変化が重なっていました。初期相談では、水分の偏りと血の巡りを中心に確認しています。

初期相談時の体質記録:陰虚・湿熱

堀口先生の初期回答で選定:桂枝茯苓丸料五苓散

更年期を8つの体質から考える

更年期の不調を整理する8つの体質一覧

同じホットフラッシュや不眠でも、熱がこもっているのか、冷えているのか、疲れているのか、水分や血の巡りが滞っているのかで考え方が変わります。体質は1つに限定されず、複数が重なることがあります。

緊張・イライラ・不安

気滞(きたい)体質

気の巡りが滞り、胸や喉のつかえ、ため息、動悸、不眠、感情の揺れが重なりやすい体質です。

更年期の気滞体質を表すイメージ
疲労・めまい・乾燥

血虚(けっきょ)体質

心身を養う血が不足し、疲れやすさ、めまい、眠りの浅さ、肌や髪の乾燥が重なりやすい体質です。

更年期の血虚体質を表すイメージ
ほてり・寝汗・口渇

陰虚(いんきょ)体質

体を潤し熱を鎮める力が不足し、夕方以降のほてり、寝汗、口の渇き、不眠が出やすい体質です。

更年期の陰虚体質を表すイメージ
冷えのぼせ・肩こり

血瘀(けつお)体質

血の巡りが滞り、顔はほてるのに足は冷える、肩こり、頭痛、下腹部の張りが重なりやすい体質です。

更年期の血瘀体質を表すイメージ
だるさ・気力低下

気虚(ききょ)体質

心身を動かす気が不足し、疲労、食欲低下、息切れ、少し動いただけで消耗する状態が出やすい体質です。

更年期の気虚体質を表すイメージ
むくみ・重だるさ

湿痰(しったん)体質

余分な水分が停滞し、むくみ、めまい、頭重感、胃もたれ、体の重さが重なりやすい体質です。

更年期の湿痰体質を表すイメージ
芯からの冷え・弱り

陽虚(ようきょ)体質

体を温め動かす力が不足し、冷え、頻尿、下半身の弱り、疲労、温めると楽になる症状が出やすい体質です。

更年期の陽虚体質を表すイメージ
熱感・発汗・便通

湿熱(しつねつ)体質

余分な水分と熱がこもり、暑がり、多汗、便秘、腹部脂肪、肌の不調が重なりやすい体質です。

更年期の湿熱体質を表すイメージ

8体質の見分け方と症状別の考え方を詳しく確認できます。

更年期の8つの体質を見る

受診を優先したい症状

更年期だけと決めつけず、医療機関へ相談してください

更年期に似た症状は、甲状腺疾患、貧血、循環器疾患、婦人科疾患、睡眠障害、精神疾患、薬の影響などでも起こります。症状が強い場合や長引く場合は、婦人科、内科、循環器内科、精神科・心療内科など、症状に応じた医療機関で確認してください。

更年期と漢方について、よくある質問

更年期には、どの漢方薬がよく比較されますか?

更年期の漢方は、症状名だけでなく体質と症状の重なりで選びます。イライラや気分の波、のぼせ、肩こりがある場合は加味逍遙散、冷えのぼせや肩こり、下腹部の張りがある場合は桂枝茯苓丸料、のぼせとめまいが目立つ場合は女神散、不安・動悸・不眠が強い場合は柴胡加竜骨牡蛎湯などを比較します。

加味逍遙散と桂枝茯苓丸料は、どう使い分けますか?

イライラや精神不安などの精神神経症状が強い場合は加味逍遙散、冷えのぼせ、肩こり、頭痛、下腹部の張りなど血の滞りが目立つ場合は桂枝茯苓丸料を比較します。ただし、体力、便通、月経・閉経の経過、持病、服薬状況まで確認して選びます。

加味逍遙散と女神散は、どう違いますか?

加味逍遙散は、のぼせ感にイライラ、精神不安、肩こり、疲れやすさ、便秘傾向などが重なる場合に比較されます。女神散は、のぼせとめまいが目立ち、不安や動悸などを伴う場合に比較されます。症状名だけでなく、体力や胃腸の状態も含めて判断します。

ホットフラッシュに動悸・不眠・不安が重なる場合は、どの漢方薬を比較しますか?

動悸、不眠、不安、緊張が強い場合は、柴胡加竜骨牡蛎湯女神散柴胡桂枝乾姜湯などを比較することがあります。便秘の有無、体力、冷え、発汗、気分の落ち込みなどによって選び分けます。胸痛、失神、強い息苦しさ、急な激しい動悸がある場合は、漢方より医療機関での確認を優先してください。

冷え・むくみ・めまいがある更年期には、どの漢方薬が考えられますか?

冷えとほてりが同居する場合は温経湯、水分の偏りによるむくみやめまいには五苓散、下半身のむくみや重だるさが目立つ場合は九味檳榔湯などを比較することがあります。ただし、心臓・腎臓・甲状腺などの病気でもむくみやめまいは起こるため、急な悪化や片脚だけの腫れは受診が必要です。

イライラ・不安・気分の落ち込みには、どの漢方薬を比較しますか?

イライラや気分の波には加味逍遙散抑肝散、不安・動悸・不眠が強い場合は柴胡加竜骨牡蛎湯、疲労や冷えを伴う場合は柴胡桂枝乾姜湯などを比較します。強い抑うつ、自傷・希死念慮、躁状態、幻覚や妄想がある場合は、早急に医療機関へ相談してください。

便秘や肩こり、冷えのぼせがある場合は、どの漢方薬が考えられますか?

冷えのぼせと肩こりが中心なら桂枝茯苓丸料、便秘やのぼせ、下腹部の張りが強い場合は桃核承気湯通導散などを比較することがあります。桃核承気湯や通導散には便通へ働く生薬が含まれるため、下痢しやすい方、妊娠中・授乳中の方、ほかの下剤を使用中の方は自己判断で使わず相談してください。

ホルモン補充療法(HRT)や病院の薬と漢方は併用できますか?

併用を検討できる場合はありますが、自己判断で追加・中止しないでください。HRTを受けている方、持病の治療中の方、複数の薬や漢方薬を使用している方は、処方医と薬剤師に使用中の薬をすべて伝え、甘草、大黄、麻黄、黄芩などの重複や相互作用を確認します。

更年期の漢方は、どのくらい続けて判断しますか?

服用期間は製品、処方、症状によって異なりますが、漫然と長期間続けず、数週間から1か月を目安に症状の変化と副作用を確認します。改善がない、悪化した、むくみ・動悸・筋肉のつり・発疹・胃腸症状などが現れた場合は、服用を中止または見直し、医師・薬剤師・登録販売者へ相談してください。

どのような更年期症状なら、漢方より医療機関を優先すべきですか?

胸痛、失神、冷汗、強い息苦しさ、急に始まった激しい動悸、片側の麻痺やしびれ、突然の激しい頭痛、閉経後の出血、長く続く不正出血、片脚だけの急な腫れ、原因不明の体重減少がある場合は受診を優先してください。自傷・希死念慮、躁状態、幻覚や妄想、日常生活を保てないほどの不調がある場合も、早急に医療機関へ相談してください。

参考・出典

症状と体質から確認する

更年期の不調は、ひとつの症状だけでなく、睡眠、気分、冷え、熱感、胃腸、水分代謝、月経・閉経の経過を合わせて見ることが大切です。

症状 × 体質から、あなたに合う漢方を見つけます。

※本ページは一般的な情報提供を目的とし、個別の診断・治療・服薬指示に代わるものではありません。漢方薬は、体質、持病、妊娠・授乳の有無、服薬状況によって適否が異なります。治療中の方は自己判断で薬を追加・中止せず、医師または薬剤師へご相談ください。

監修者プロフィール
堀口和彦

堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師

光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。

著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。