生理前や疲労時に、周囲がグルグル回って見える
ホルモン治療中で、自分や周囲がグルグル回って見え、強い吐き気も伴っていました。生理の約1週間前、風邪、疲労、ストレス時に出やすく、耳と頭部の検査では異常なしとされた例です。
フワフワと雲の上を歩いているように感じる。突然、周囲がグルグル回って吐き気がする。立ち上がるとクラッとする。
めまいは更年期世代の女性にもみられます。ただし、日本女性医学学会は、女性ホルモンが低下すると必ずめまいが起こりやすくなるわけではなく、更年期症状と考える前に耳の病気などを確認することが大切だとしています。
漢方で体質を考えるのは、脳、耳、心臓、血圧、貧血、甲状腺、薬の影響など、優先して確認すべき原因を見逃さないことが前提です。そのうえで、回転感、フワフワ感、立ちくらみ、吐き気、耳鳴り、頭痛、肩こり、冷え、胃腸、不安などを比較します。
顔の片側がゆがむ、片腕に力が入らない、ろれつが回らないなどのFASTサイン、突然の激しい頭痛、意識障害、立てない・歩けない症状がある場合は、救急要請を含めて速やかに対応してください。
急な難聴、片耳の聞こえにくさ、強い耳閉感を伴う場合も、早めに耳鼻咽喉科へ相談してください。
めまいには、周囲が回る回転性めまい、体が揺れる・浮くように感じる浮動性めまい、立ち上がった時の立ちくらみ、まっすぐ歩きにくい平衡障害などがあります。
更年期世代でもめまいはみられますが、日本女性医学学会は、その病態は十分には分かっておらず、女性ホルモン低下だけで説明できるとは限らないとしています。まず耳鼻咽喉科で、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などがないか診断を受けることが重要です。
「検査で異常なし」でも、症状が存在しないわけではありません。
耳・脳・循環器・血液などに重大な異常がないことを確認したあと、ホルモン変動、睡眠不足、疲労、不安、首肩こり、胃腸、水分代謝などを含めて考えます。
吐き気、耳鳴り、難聴、頭位による変化を確認します。まず耳鼻咽喉科で原因を確認します。
疲労、不安、薬、首肩こり、睡眠、血圧など幅広い原因を確認します。
脱水、食事不足、貧血、低血圧、薬、起立時の血圧調節などを確認します。
急に立てない・歩けない、片側の脱力や複視がある場合は救急対応を優先します。
その場で座るか横になり、階段、道路、浴室など危険な場所から離れます。車の運転はしません。
回るか、フワフワするか、何分続いたか、耳症状・頭痛・しびれ・胸痛があるかを確認します。
FASTサイン、意識障害、歩行不能、急な難聴、胸痛、失神があれば、様子を見ず医療機関へ連絡します。
更年期には、ほてり、発汗、睡眠、気分など多様な症状が変動し、めまいの感じ方に影響することがあります。
内耳疾患、血圧異常、貧血、甲状腺疾患、薬剤性など、更年期以外の原因を確認します。
重大な病気が否定されたあと、睡眠不足、精神的緊張、胃腸虚弱、冷えなどを体質とともに整理します。
漢方では、めまいの名前だけで処方を決めません。グルグル回って吐き気があるのか、フワフワして不安やのぼせがあるのか、疲れると立ちくらみが出るのか、冷えやむくみがあるのかを比較します。
体質は複数重なりますが、漢方的な説明は医学的な診断の代わりにはなりません。
たとえば、湿痰と血虚、気滞と陰虚が同時にみられることがあります。急性症状や反復する耳症状がある場合は、体質判定より先に医療評価が必要です。
| 体質 | めまいの出方 | 一緒に出やすい不調 | 漢方で見るポイント | 詳しく見る |
|---|---|---|---|---|
| 湿痰 | グルグル回る、吐き気、頭重 | 胃もたれ、むくみ、天候で悪化 | 水分停滞と胃腸虚弱 | 湿痰へ |
| 血虚 | フワフワ、立ちくらみ | 疲労、顔色不良、月経変化 | 心身を養う血の不足 | 血虚へ |
| 気滞 | ストレスで揺れる・ふらつく | 不安、のぼせ、喉や胸のつかえ | 気の滞りと高ぶり | 気滞へ |
| 陰虚 | 耳鳴り・ほてりと重なる | 寝汗、乾燥、不眠、焦燥 | 潤い不足と虚熱 | 陰虚へ |
| 気虚 | 疲労時・起立時にクラッとする | 食欲低下、息切れ、だるさ | 気力と回復力の不足 | 気虚へ |
| 陽虚 | 冷えるとふらつく | 下痢、むくみ、夜間尿、腰の弱り | 温め巡らせる力の不足 | 陽虚へ |
| 血瘀 | 頭痛・肩こりと重なる | 冷えのぼせ、月経痛、固定した痛み | 血の巡りの滞り | 血瘀へ |
| 湿熱 | 頭重・のぼせ・熱感と重なる | 発汗、便秘、顔の赤み | 余分な熱と水分の停滞 | 湿熱へ |
横にスクロールしてご覧いただけます。急な神経症状、難聴、歩行不能がある場合は、体質表より受診を優先してください。
湿痰は、余分な水分や濁りが停滞した状態です。グルグル回る、吐き気がする、頭が重い、胃が弱い、天候で悪化する場合に比較します。
血虚は、心身を養う血が不足した状態です。フワフワ感、立ちくらみ、疲労、不眠、月経変化などが重なる場合に比較します。医学的な貧血は血液検査で確認します。
気滞は、ストレスで気の巡りが滞った状態です。不安、のぼせ、喉や胸のつかえ、ため息、動悸などと浮動性めまいが重なる場合に比較します。
陰虚は、体を潤して熱を鎮める力が不足した状態です。耳鳴り、ほてり、寝汗、口の渇き、不眠などとめまいが重なる場合に比較します。
比較される漢方薬:女神散など。
女神散は、更年期ののぼせ、めまい、精神的な高ぶりなどがある場合に比較します。乾燥や虚弱の程度により、別の補う方向も検討します。
気虚は、心身を動かし回復させる気が不足した状態です。疲労時や起立時にふらつき、食欲低下、息切れ、朝のだるさが重なる場合に比較します。
比較される漢方薬:加味帰脾湯など。
心身の疲労、不安、不眠、食欲低下が重なる場合に比較します。失神しそうな立ちくらみや動悸を伴う場合は受診を優先してください。
陽虚は、体を温め、水や血を巡らせる力が不足した状態です。冷え、むくみ、下痢、夜間頻尿、腰の弱りなどとふらつきが重なる場合に比較します。
血瘀は、血の巡りが滞った状態です。首肩こり、頭痛、冷えのぼせ、月経痛、下腹部の張りなどとめまいが重なる場合に比較します。
湿熱は、余分な水分と熱が停滞した状態です。頭重感、のぼせ、発汗、顔の赤み、便秘などとめまいが重なる場合に比較します。
比較される漢方薬:桃核承気湯など。
比較的体力があり、便秘、のぼせ、イライラ、月経トラブルなどがある場合に比較します。虚弱、下痢、冷えが強い方には慎重に考えます。
同じめまいでも、回転性、フワフワ感、立ちくらみ、胃腸、冷え、のぼせ、不安、便通などによって方向性が異なります。耳・脳・血圧・貧血・薬剤性などの確認が先です。
| 漢方薬 | 比較するときの特徴 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| 半夏白朮天麻湯 | 胃腸虚弱、下肢の冷え、頭重、めまい | 慢性的な湿痰と胃腸の弱さがあるか |
| 苓桂朮甘湯 | めまい、立ちくらみ、動悸、水分停滞 | 気が上に突き上がる感覚と水滞があるか |
| 五苓散 | 口渇、尿量低下、吐き気、急性の水分偏在 | 急性の水滞か、胃腸虚弱型の慢性めまいか |
| 女神散 | 更年期ののぼせ、めまい、精神的高ぶり | 上半身の熱と気血水の乱れがあるか |
| 当帰芍薬散 | 冷え、むくみ、月経トラブル、ふらつき | 血虚と水分停滞が重なるか |
| 半夏厚朴湯 | 不安、喉・胸のつかえ、吐き気、フワフワ感 | 気滞と胃腸症状が中心か |
めまいの治療薬、降圧薬、睡眠薬、抗不安薬、ホルモン治療薬などを自己判断で中止・変更しないでください。
漢方薬にも甘草などが含まれ、複数処方の併用では生薬の重複に注意が必要です。持病と服用薬を医師・薬剤師へ伝えてください。
時刻、持続時間、回転かフワフワか、頭位、月経、食事、睡眠、薬、一緒に出た症状を記録します。
起床時は一度座り、足を動かしてからゆっくり立ちます。失神しそうな場合は受診してください。
空腹、無理なダイエット、発汗、下痢などはふらつきを招くことがあります。嘔吐で飲めない場合は医療機関へ相談します。
長時間のスマートフォン・パソコン作業では休憩を取り、無理のない範囲で目と肩を休めます。
飲酒、睡眠薬、抗不安薬、降圧薬などの後に悪化していないか記録し、処方医へ相談します。
良性発作性頭位めまい症などでは治療法がありますが、原因や患側により異なるため、医療者の指導を受けます。
更年期世代の女性にめまいがみられることはありますが、女性ホルモンの低下だけで起こるとは限りません。日本女性医学学会は、更年期症状と考える前に、まず耳鼻咽喉科でメニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などがないか確認することを勧めています。
感じ方は異なります。グルグル回る回転性めまいは内耳の病気などでみられ、フワフワする浮動性めまいは自律神経、疲労、薬、血圧、精神的緊張などでもみられます。ただし、感じ方だけで原因を決めることはできません。
回転性めまい、耳鳴り、聞こえにくさ、耳の詰まりがある場合は耳鼻咽喉科が基本です。ろれつが回らない、片側のしびれ・脱力、物が二重に見える、歩けないなどがあれば救急受診や脳神経系の評価を優先します。動悸、胸痛、失神を伴う場合は内科・循環器内科も必要です。
顔のゆがみ、片腕の脱力、言葉の異常などのFASTサイン、意識障害、突然の激しい頭痛、立てない・歩けない、強い胸痛や息苦しさがある場合は、救急要請を含めて速やかに対応してください。
一つに決めることはできません。回転性で吐き気や胃腸虚弱がある、フワフワして不安やのぼせがある、立ちくらみと疲労がある、冷えやむくみがあるなど、めまい以外の症状と体質を比較します。病気や薬の影響を確認してから選ぶことが前提です。
いいえ。半夏白朮天麻湯は、体力中等度以下で胃腸が弱く、下肢の冷え、頭重、めまい、立ちくらみなどがある場合に比較されます。のぼせや熱感が強い方、胃腸虚弱がない方、急性の危険症状がある方には、別の対応が必要です。
更年期世代にもみられますが、メニエール病、突発性難聴など耳の病気を先に確認します。特に急な聞こえにくさ、片耳の難聴、強い耳閉感を伴う場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
立ちくらみとして扱われます。脱水、食事不足、貧血、低血圧、薬の影響、起立時の血圧調節などが関係することがあります。頻繁に起こる、失神しそうになる、動悸を伴う場合は医療機関で確認してください。
良性発作性頭位めまい症では頭位治療や前庭リハビリが行われることがありますが、原因や患側によって方法が異なります。強い症状、神経症状、耳症状がある場合や診断前は、自己流で繰り返さず医師へ相談してください。
いいえ。統計は、めまいが主訴として分類された56件を母集団としていますが、処方件数は効果順位ではありません。代表相談例3件は具体像を伝えるための別枠です。漢方薬は、めまいの種類、月経、頭痛、肩こり、胃腸、便通、不安、体力、持病、服用薬まで含めて選定します。
耳鳴り・難聴・回転性めまいは耳鼻咽喉科、FASTサインや歩行不能は救急・脳神経系、胸痛・失神・動悸は内科・循環器内科が基本です。重大な病気が否定され、更年期症状もある場合は婦人科・更年期外来でも相談できます。
堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データを整備した「更年期症例」から、めまいが主訴として分類された全56件を整理しました。
体質、併発症状、漢方薬は1人に複数記録される場合があります。
体質判定で最も多く確認されました。
次に多く確認された体質です。
一緒に記録された症状で最も多い項目です。
半夏白朮天麻湯が最も多く記録されました。
※1人に複数の体質が記録されるため、合計は56件を超えることがあります。
※処方件数は効果や推奨の順位ではありません。相談時の体質、体力、便通、胃腸、睡眠、持病、服薬状況などを含めた選定記録です。
ホルモン治療中で、自分や周囲がグルグル回って見え、強い吐き気も伴っていました。生理の約1週間前、風邪、疲労、ストレス時に出やすく、耳と頭部の検査では異常なしとされた例です。
更年期障害の相談で、クラクラ・フワフワするめまいに、強い肩こり、頭痛、便秘が重なっていました。
※この集計と相談例は、堀口和彦先生による「うち漢方/光和堂薬局」時代の漢方相談・処方選定データを、個人が特定されない形で公開用に匿名化・要約したものです。KanpoNow薬局の販売実績・改善実績を示すものではなく、特定の漢方薬の効果を保証するものでもありません。
医療機関で優先すべき原因を確認したあと、めまいの種類と一緒に出る症状から体質を考えます。
回転感、フワフワ感、立ちくらみ、吐き気、頭痛、肩こり、冷え、胃腸、月経まで含めて、自分の体質傾向を確認してください。
KanpoNowのAI漢方診断は、堀口先生の漢方相談・処方選定の考え方をもとに、症状と複数の体質傾向から漢方薬の候補を提案します。
AI漢方診断をする(無料)本ページは一般的な健康情報と、匿名化された過去の相談データをもとに漢方の考え方を紹介するものであり、診断・治療・服薬指示を目的とするものではありません。めまいは、耳の病気、脳血管障害、血圧異常、不整脈、貧血、甲状腺疾患、薬剤などでも起こります。持病がある方、治療中の方、妊娠中・授乳中の方、ホルモン治療薬、降圧薬、睡眠薬、抗不安薬などを使用中の方は、自己判断で薬を中止・変更せず、医師または薬剤師へ相談してください。FASTサイン、突然の激しい頭痛、意識障害、歩行不能、急な難聴、胸痛、失神などがある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。
著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。