加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散(かみしょうようさん)は、宋代の『和剤局方』に収載される逍遙散を基本に、山梔子・牡丹皮を加えて「熱の偏り」にも配慮した処方です。

成分(生薬)

柴胡、芍薬、蒼朮、当帰、茯苓、山梔子、牡丹皮、甘草、生姜、薄荷

漢方的な考え方

「肝の気の滞り」と「血の不足」が重なることで、感情の起伏や体のリズムが乱れやすくなった状態を想定しています。滞ったエネルギーが熱に変わり、のぼせやイライラとして現れるのを穏やかにしずめていきます。

  • 精神不安・いらだち:気の巡りが滞ることで、感情がスムーズに流れず内にこもりやすい状態。
  • のぼせ感・肩こり:巡らない気血が上部に偏り、頭のほてりや首肩の緊張として現れる状態。
  • 婦人科関連の不調:ホルモンバランスの変動時期に、気血の乱れが月経の悩みや血の道症として影響する状態。
  • 冷え症・疲れやすさ:体を支える基礎体力が弱まり、全身の巡りが滞りやすい状態。

構成生薬の役割

  • 気を巡らせ血を養う:柴胡と薄荷で気の滞りをやさしく解消するほぐし、当帰・芍薬が不足しがちな血を補います。
  • 胃腸を支える熱をさばく:蒼朮・茯苓が胃腸を助けて元気を支え、山梔子・牡丹皮が滞りから生じたゆっくりな熱を穏やかに整えます。
  • 全体を調和する:生姜・甘草が全体を調和させることで、心身の緊張をゆるめ、内側からバランスを整える方向で働きます。

効能・効果(添付文書)

体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症: 冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症※、不眠症

※血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って 現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状のことです。

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堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。