生理不順に漢方|月経周期の乱れ・遅れる生理・少ない経血を体質別に考える

更新日:2026年7月20日監修:堀口和彦

生理不順や月経周期の乱れに悩む女性のイメージ

生理が予定より早い、遅い、何か月か飛ぶ。経血量が少ない・多い。生理痛やPMS、冷え、ストレスも重なる。

生理不順は、周期だけでなく、妊娠可能性、経血量、血塊、痛み、体重変化、睡眠、ストレス、年齢、持病、服用薬まで合わせて確認する必要があります。

漢方では、気・血・水・精のバランスから、気滞、血瘀、血虚、気虚、湿痰、陰虚、陽虚、湿熱の8体質で整理します。

周期が早い・遅い生理が飛ぶ経血量の変化PMS・冷え・ストレス

症状 × 体質から、あなたに合う漢方を見つけます。

生理不順・月経周期の乱れで比較される漢方薬

漢方薬 比較する状態
加味逍遙散 ストレス、イライラ、不安、PMS、周期の揺れ、冷えのぼせ
当帰芍薬散 経血量が少ない、周期が遅い、冷え、むくみ、めまい
桂枝茯苓丸料 血塊、生理痛、暗い経血、肩こり、冷えのぼせ
温経湯 周期が長い、経血量が少ない、下半身の冷え、手足のほてり
通導散 便秘、血塊、強い生理痛、下腹部の張り、比較的体力がある
桃核承気湯 便秘、のぼせ、血塊、月経痛、骨盤まわりの滞り
加味帰脾湯 疲労、不眠、不安、動悸、胃腸虚弱、経血量の減少
真武湯 強い冷え、下痢、むくみ、だるさ、周期の遅れ

処方名だけで選ばず、妊娠可能性、周期、経血量、出血期間、痛み、体重変化、婦人科疾患、持病、服用薬、体質を確認します。

漢方選びより婦人科・産婦人科への相談を優先するサイン

妊娠の可能性、3か月以上の無月経、閉経後の出血、非常に多い出血、長く続く出血、強い下腹部痛、発熱、悪臭のあるおりもの、強いめまい・息切れがある場合は、自己判断で漢方薬を選ばず、医療機関での確認を優先してください。

生理不順と全身の状態をまとめて確認する

AI漢方診断であなたの漢方を見つける

生理不順とは

月経周期は、月経が始まった日から次の月経が始まる前日までの日数です。一般的な目安は25〜38日で、月経期間は3〜7日です。周期が繰り返しこの範囲から外れる、毎回大きく変動する、月経が飛ぶ場合は月経不順として確認します。

頻発月経

周期が短い

予定より早く来る状態です。出血量や貧血症状も確認します。

希発月経

周期が長い

月経が遅れ、数週間から数か月空く状態です。

周期不整

予測できない

早い月と遅い月があり、周期が安定しない状態です。

出血の変化

量・期間が変わる

少ない、多い、長く続く、月経以外に出血する状態です。

先に確認したい原因と検査

生理不順の評価では、周期だけでなく、妊娠可能性、経血量、痛み、体重変化、服用薬を確認します。必要に応じて、婦人科診察、妊娠検査、超音波検査、血液検査などが行われます。

  • 月経の開始日、終了日、周期、経血量、血塊、痛み
  • 妊娠の可能性、妊娠・出産・授乳歴
  • 急な体重減少・増加、食事制限、過度な運動
  • PCOS、甲状腺疾患、高プロラクチン血症の可能性
  • 子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などの婦人科疾患
  • ピル、ホルモン薬、甲状腺薬、向精神薬、サプリメントの使用
  • ストレス、睡眠不足、更年期移行期との関係

KanpoNow AI診断データで見る生理不順

2026年6月25日時点の直近30日間では、AI漢方診断7,580件のうち、生理不順を症状として選択した方は209件、約3%でした。

体質チェックの「月経周期が一定しない」への該当は1,233件、全診断の約16%で、平均年齢44歳、40代39%、50代34%でした。

直近30日7,580件

AI漢方診断の総件数

生理不順209件

症状選択は約3%・28位

周期が一定しない1,233件

体質チェックの約16%

相談者傾向平均44歳

40代39%・50代34%

「月経周期が一定しない」と回答した方の上位体質

気滞

30%
血瘀

25%
血虚

14%
湿痰

13%
気虚

7%

AI診断画面で選択された体質の集計です。堀口先生の相談データとは別母集団であり、割合を直接比較しません。

堀口先生の相談・初期処方選定データ

堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データを整備した「生理不順症例」から、本人女性の現在の生理不順・月経周期の乱れとして15件をSTRICT候補に抽出しました。

体質、併発症状、漢方薬は1人に複数記録される場合があります。

公開統計に用いる最低基準の30件に達していないため、体質割合、併発症状割合、初期処方選定ランキングのグラフは掲載しません。

15件を原文照合すると、「生理不順はない」と明記された例、過去の無月経、ほかの症状が主訴の例、医療確認を優先すべき例が含まれていました。代表相談例は、主訴性と初期処方選定を確認できた6件だけを別枠で掲載しています。

これは改善実績ではなく、初期相談時の症状、体質、初期処方選定履歴です。代表相談例6件は統計の分母・分子には使用していません。

生理不順・月経周期の乱れを8体質から考える

生理不順を整理する漢方の8つの体質
同じ周期の乱れでも、ストレス、血の不足・滞り、冷え、水分停滞、熱のこもりで考え方が変わります。
ストレス・緊張型

気滞体質

ストレスや緊張で気の巡りが滞り、月経が早まったり遅れたりしやすい状態です。

生理不順と気滞体質のイメージ
確認するサイン周期が一定しない、PMS、イライラ、不安、乳房の張り、ため息、喉や胸のつかえ
処方を比べる視点加味逍遙散柴胡桂枝乾姜湯などを、冷え、体力、便通、のぼせ、不眠の有無から比較します。
経血不足・疲労型

血虚体質

月経を支える血が不足し、経血量が少なく、周期が遅れやすい状態です。

生理不順と血虚体質のイメージ
確認するサイン少ない・薄い経血、周期の遅れ、めまい、立ちくらみ、疲れ目、顔色の悪さ、乾燥
処方を比べる視点当帰芍薬散温経湯などを、むくみ、冷え、ほてり、胃腸の強さから比較します。
潤い不足・ほてり型

陰虚体質

体の潤いが不足し、経血量の少なさに、ほてり、寝汗、乾燥が重なりやすい状態です。

生理不順と陰虚体質のイメージ
確認するサイン少ない経血、手足のほてり、口や唇の乾燥、寝汗、眠りの浅さ、夕方以降の熱感
処方を比べる視点温清飲温経湯などを、乾燥と熱、下半身の冷え、皮膚症状から比較します。
血の巡り・血塊型

血瘀体質

骨盤まわりの血の巡りが滞り、生理痛や血塊、暗い経血、周期の乱れが出やすい状態です。

生理不順と血瘀体質のイメージ
確認するサイン強い生理痛、血塊、暗い経血、下腹部の張り、便秘、肩こり、冷えのぼせ
処方を比べる視点桂枝茯苓丸料通導散桃核承気湯などを、体力、便秘、出血量、妊娠可能性から比較します。
疲労・胃腸虚弱型

気虚体質

気が不足し、月経を起こす力や出血を収める力が弱く、疲労や胃腸虚弱が重なりやすい状態です。

生理不順と気虚体質のイメージ
確認するサイン疲れやすい、月経後にぐったりする、出血が長引く、食欲不振、息切れ、気力低下
処方を比べる視点補中益気湯加味帰脾湯などを、出血の状態、貧血、不眠、不安、胃腸の弱りから比較します。
水分停滞・重だるさ型

湿痰体質

余分な水分や老廃物が停滞し、むくみ、重だるさ、胃腸の停滞と周期の乱れが重なりやすい状態です。

生理不順と湿痰体質のイメージ
確認するサインむくみ、体の重さ、胃もたれ、雨天時の不調、月経前の体重増加、白っぽいおりもの
処方を比べる視点五苓散六君子湯などを、水分の偏り、胃腸虚弱、尿量、むくみから比較します。
冷え・代謝低下型

陽虚体質

体を温め動かす力が不足し、強い冷え、長い周期、少ない経血、下痢が重なりやすい状態です。

生理不順と陽虚体質のイメージ
確認するサイン下腹部・腰・足の冷え、周期が長い、少ない経血、下痢、頻尿、足腰のだるさ
処方を比べる視点真武湯温経湯などを、冷え、水分停滞、胃腸の状態、妊娠可能性から比較します。
熱こもり・多い経血型

湿熱体質

余分な水分と熱がこもり、周期の早まり、多い経血、にきびや粘つくおりものが重なりやすい状態です。

生理不順と湿熱体質のイメージ
確認するサイン周期が早い、経血量が多い、熱感、にきび、便秘、口の粘り、黄色く粘るおりもの
処方を比べる視点温清飲黄連解毒湯などを、出血、熱感、皮膚症状、胃腸の強さから比較します。

漢方薬を比較するときのポイント

月経・全身の特徴 比較する処方 特に確認すること
ストレスで周期が揺れる、PMS、不安、不眠 加味逍遙散柴胡桂枝乾姜湯 冷え、のぼせ、体力、胃腸、便通
経血量が少ない、遅れがち、めまい、冷え 当帰芍薬散温経湯 妊娠可能性、貧血、むくみ、ほてり
血塊、生理痛、暗い経血、便秘 桂枝茯苓丸料通導散桃核承気湯 出血量、下腹部痛、妊娠可能性、婦人科疾患
疲労、胃腸虚弱、出血が長引く 補中益気湯加味帰脾湯 貧血、食欲、動悸、不眠、出血の原因
冷え、下痢、むくみ、周期が長い 真武湯温経湯六君子湯 体温感、胃腸、尿量、体力、妊娠可能性

処方名は比較の例です。症状名だけで自己選択せず、妊娠可能性、持病、服用薬、婦人科受診歴を確認します。

原文確認した代表相談例

以下は、初期相談時の症状と堀口先生の初期回答で実際に選定された漢方薬を、個人が特定されないよう要約したものです。改善経過や効果を示す症例ではありません。

37歳女性

周期の乱れと多い経血、冷え・疲労が重なった例

月経周期が安定せず、経血量の多さと生理痛があり、腰から下の冷え、全身のだるさ、便秘、むくみも重なっていました。初期相談では、骨盤まわりの巡りと水分代謝を合わせて確認しています。

周期が不安定経血量が多い冷え・だるさ

初期回答で選定:九味檳榔湯通導散

38歳女性

月経が約2か月に1回で、遅れが続いた例

月経が常に遅れがちで、平均すると約2か月に1回でした。お腹まわりの体重増加と、排便量が少なくすっきりしない状態も気になっていました。

周期が長い腹部の体重増加便通の停滞

初期回答で選定:桂枝茯苓丸料通導散

代表相談例をさらに4件見る

36歳女性

不安・緊張・不眠と下痢を伴う生理不順の例

生理不順に加えて、動悸、不安、緊張、不眠、頭痛、下痢が重なっていました。初期相談では、自律神経の緊張と胃腸の弱りを同時に確認しています。

不安・緊張不眠・動悸下痢

初期回答で選定:柴胡桂枝乾姜湯六君子湯

35歳女性

23〜25日周期で早く来る月経の例

月経周期が23〜25日と短く、月経開始時に頭痛、ふらつき、動悸がありました。普段からイライラや不安を感じやすく、手足と腹部の冷え、首肩のこりもありました。

周期が短い頭痛・ふらつき冷え・不安

初期回答で選定:柴胡桂枝乾姜湯温経湯

32歳女性

ストレス・疲労・体重増加と生理不順が重なった例

ストレス、だるさ、気力低下、産後からの体重増加があり、産婦人科でも生理不順と血の巡りについて指摘されていました。初期相談では、気分の揺れと骨盤内の巡りを合わせて確認しています。

ストレス疲労・気力低下体重増加

初期回答で選定:加味逍遙散通導散

26歳女性

周期が長くなり、経血量が減った例

半年ほど前から月経周期が長く不規則になり、経血量もかなり少なくなっていました。同じ時期に吹き出物、疲れやすさ、気力低下、目の疲れも現れていました。

周期が長い経血量が少ない疲労・吹き出物

初期回答で選定:補中益気湯十味敗毒湯

この6件は代表例カード専用です。相談統計の分母・分子には使用していません。

生活で確認すること

月経記録

開始日、終了日、周期、経血量、血塊、痛み、不正出血を記録します。診察時にも役立ちます。

体重・食事・運動

急な減量・増量、食事制限、過食、激しい運動と周期変化の関係を確認します。

睡眠とストレス

夜更かし、仕事・家庭の負担、環境変化の後に周期が変わるか記録します。

妊娠可能性と服用薬

妊娠可能性、ピル・ホルモン薬、甲状腺薬、向精神薬、サプリメントを医師・薬剤師へ共有します。

よくある質問

生理不順は、どのくらい周期が乱れたら婦人科へ相談した方がよいですか?

月経周期は一般に25〜38日が目安です。この範囲から繰り返し外れる、急に周期が変わった、3か月以上月経がない、出血が長く続く場合は婦人科へ相談してください。妊娠の可能性がある場合は、最初に妊娠を確認します。

生理不順には、どの漢方薬が使われますか?

加味逍遙散当帰芍薬散桂枝茯苓丸料温経湯通導散桃核承気湯などが比較されます。ただし、周期が早いか遅いか、経血量、血塊、生理痛、冷え、PMS、便通、体力、妊娠可能性、持病や服用薬によって判断が変わります。

ストレスで生理が遅れたり早まったりすることはありますか?

強いストレス、睡眠不足、生活環境の変化は、視床下部・下垂体・卵巣系の働きに影響し、月経周期が乱れることがあります。ただし、ストレスだけと決めつけず、妊娠、体重変化、甲状腺疾患、PCOS、薬の影響なども確認します。

経血量が少なく、生理が遅れがちな場合はどう考えますか?

漢方では血虚、気虚、陽虚、陰虚などを比較します。一方、急な体重減少、過度な運動、摂食不調、甲状腺疾患、高プロラクチン血症、卵巣機能の低下などでも起こるため、長引く場合は婦人科で確認してください。

経血に塊があり、生理痛も強い場合は血瘀ですか?

血瘀の特徴と重なることはありますが、塊や痛みだけで体質を確定しません。子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などでも経血量の増加や強い痛みが起こるため、症状が強い場合は婦人科の確認を優先します。

生理が3か月以上来ない場合、漢方だけで様子を見てもよいですか?

3か月以上月経がない場合は、漢方だけで様子を見ず婦人科へ相談してください。妊娠、体重変化、過度な運動、PCOS、甲状腺疾患、高プロラクチン血症、視床下部・下垂体・卵巣の異常などを確認する必要があります。

ピルやホルモン治療と漢方薬は併用できますか?

併用される場合もありますが、自己判断で追加・中止・減量しないでください。低用量ピル、黄体ホルモン製剤、不妊治療薬、甲状腺薬、向精神薬など、服用中の薬とサプリメントを医師と薬剤師へ伝えて確認します。

妊娠中や妊娠の可能性がある場合も、同じ漢方薬を使えますか?

同じようには考えられません。月経不順に使われる漢方薬の中には、妊娠中または妊娠の可能性がある方で自己判断を避けるべき処方があります。妊娠の可能性がある場合は、服用前に産婦人科医または薬剤師へ相談してください。

相談データの統計グラフがないのはなぜですか?

STRICT抽出後の候補は15件で、KanpoNowが公開統計に用いる最低基準の30件に達しなかったためです。少数例の割合を一般的な傾向として見せず、原文確認した代表相談例6件だけを掲載しています。

AI漢方診断では、生理不順について何を確認しますか?

周期が早い・遅い・飛ぶ・不規則という変化、経血量、色、血塊、生理痛、PMS、冷え、ほてり、便通、むくみ、疲労、ストレス、睡眠、体重変化、更年期、妊娠可能性、婦人科受診歴、服用薬を確認します。受診優先の症状がある場合は医療機関での確認を優先します。

受診の目安

次の場合は、漢方だけで様子を見ず、婦人科・産婦人科へ相談してください。

  • 妊娠の可能性がある
  • 3か月以上月経がない
  • 初経後から極端に周期が不規則、または急に周期が変わった
  • 出血量が非常に多い、1〜2時間でナプキンがいっぱいになる
  • 出血が長く続く、月経以外の出血がある
  • 強い下腹部痛、発熱、悪臭のあるおりものがある
  • めまい、息切れ、動悸、顔色不良など貧血が疑われる
  • 急な体重減少、摂食不調、過度な運動がある
  • にきび・多毛・急な体重増加を伴い、PCOSが疑われる
  • 閉経後に出血した

参考・出典

生理不順の出方と、全身の体質を整理する

周期、経血量、血塊、生理痛、PMS、冷え、むくみ、便通、疲労、ストレス、睡眠、体重変化、更年期、妊娠可能性、服用薬を確認します。

AI漢方診断で、あなたに合う漢方を見つける

※本ページは一般的な情報提供を目的とし、診断や治療を代替するものではありません。生理不順には、妊娠、PCOS、甲状腺疾患、高プロラクチン血症、子宮・卵巣疾患、体重変化、過度な運動、ストレス、更年期、薬の影響などが関係します。妊娠中・授乳中、妊娠の可能性がある方、持病や服用薬がある方は、自己判断で漢方薬を開始・中止・変更せず、医師または薬剤師へ相談してください。

監修者プロフィール
堀口和彦

堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師

光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。

著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。