十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は、日本で創られた代表的な皮膚疾患の処方です。皮膚の赤み・腫れ・熱感・化膿しやすさなどの炎症のサインが出始めた段階を、体表に魅了された「邪(じゃ)」としてとらえ、これらを早めに外へさばき、症状をこじらせにくい目的で用いられます。

成分(生薬)

桔梗、柴胡、川芎、茯苓、樸樕、独活、防風、甘草、荊芥、生姜

漢方的な考え方

皮膚トラブルを「表(ひょう)」の乱れと捉えます。炎症が長くなる背景には、巡りの滞りや水分代謝の乱れが隠れていると考え、表の熱を逃がしながら、腫れや膿の原因となる停止滞を内側から解消していくアプローチを取ります。

  • 化膿性皮膚疾患(初期):赤み、腫れ、熱感が出始め、そのまま膿を持ったり痛みが強まったりしやすい不安定な状態。
  • 湿疹・じんましん:局所に熱がこもり、激しいかゆみや赤みがどんどん出たり、ぶり返したりを繰り返している状態。
  • 皮膚の不快な滞り:水分代謝の乱れによるジクジク感や、血行による皮膚の荒れ、こわばりが炎症を長引かせている状態。

構成生薬の役割

  • 原因を外へ追い出す:荊芥(けいがい)・防風・生姜が体表の乱れをさばいて発散させ、柴(胡さいこ)が内側に集まった巡りの滞りをほどきます。
  • 膿や腫れを中心:桔梗が排出を助け、樸樕(ぼくそく)が「できるもの」の化膿傾向を鎮めます。独活(どっかつ)・川芎(せんきゅう)は痛みと巡りに、茯苓は控えめな水分に取り組みます。
  • 炎症の流れを断ち切る:十種の生薬が協力することで、かなりな皮膚のつらら、不安のスパイラルから抜け出すための回復過程を内側から思います。

効能・効果(添付文書)

体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症:化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、湿疹・皮膚炎、水虫

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堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。