アレルギーに漢方|花粉症・鼻炎・喘息・皮膚のかゆみを体質別に解説
監修:堀口和彦|更新日:2026-06-26
毎年花粉の時期になると鼻水が止まらない。季節の変わり目に喘息が出る。皮膚が赤く腫れてかゆい。アレルギー症状は、鼻・気管支・皮膚など、体の表面に近い場所に現れます。
漢方では、アレルギーを単に「花粉やハウスダストに反応している状態」とは見ません。外からの刺激に対して、なぜ体が過剰に反応するのかを、肺、衛気、津液、脾、腎、肝のバランスから考えます。
同じアレルギーでも、水っぽい鼻水が止まらないタイプ、黄色く粘る鼻汁や咳が出るタイプ、皮膚がジュクジュクしてかゆいタイプ、乾燥して空咳や鼻づまりが残るタイプ、ストレスで悪化するタイプでは、合う漢方薬も養生も変わります。
KanpoNowの診断データでは、アレルギーを訴えた方は237件で、陰虚、血瘀、気滞が上位に出ていました。一般にアレルギーは「湿痰」や「湿熱」のイメージが強い症状ですが、KanpoNowでは乾燥、慢性炎症、血流の滞り、ストレスによる自律神経の乱れも重なっている可能性があります。
KanpoNow診断データで見るアレルギーの傾向
7,475件
KanpoNowで行われたAI漢方診断の件数です。
237件・3%
症状ランキングでは26位でした。
女性92%・平均46歳
50代35%、40代24%が中心でした。
40〜50代が中心
慢性鼻炎、皮膚のかゆみ、喘息、乾燥、ストレスを合わせて見る年代です。
陰虚 22%
体をうるおす陰液が不足し、粘膜や皮膚が乾燥しやすい体質です。
血瘀 18%
血行不良により、鼻・皮膚・気管支の慢性炎症が長引きやすい体質です。
気滞 16%
ストレスや自律神経の乱れにより、かゆみ、咳、喘息、鼻づまりが悪化しやすい体質です。
湿痰14%・血虚10%
水分代謝の停滞や栄養不足が、鼻水・痰・皮膚の弱さに関係します。
あなたのアレルギーは、水様鼻水型でしょうか。乾燥型でしょうか。ストレス増悪型でしょうか。
鼻水、鼻づまり、咳、痰、かゆみ、皮膚の乾燥、ストレス、冷え、睡眠まで含めて確認します。
AI漢方診断でアレルギー体質を確認する目次
アレルギーとは
アレルギーとは、本来は体を守る免疫反応が、花粉、ダニ、ハウスダスト、食物、動物、金属、薬剤などに対して過剰に働き、鼻、気管支、皮膚、目、消化管などに症状を起こす状態です。代表的には、アレルギー性鼻炎、花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、じんましん、食物アレルギーなどがあります。*①②
症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、喘鳴、息苦しさ、目のかゆみ、皮膚の赤み、湿疹、かゆみ、じんましんなど多様です。強い息苦しさ、全身のじんましん、顔や喉の腫れ、血圧低下などがある場合は、アナフィラキシーの可能性もあるため、速やかな医療対応が必要です。
アレルギーは、原因物質の回避と医療管理が基本です。
漢方では、アレルギーを起こしやすい体質を整える視点がありますが、原因の特定、重症度、吸入薬・抗アレルギー薬・外用薬・エピペンなどの必要性は医療機関で確認してください。
アレルギー発生の基本メカニズム
漢方では、アレルギーを「肺」を舞台にした過剰反応として見ます。ここでいう肺は、呼吸器だけでなく、鼻、皮膚、体表のバリア機能まで含む広い概念です。
体表を守る衛気が不安定になると、花粉、冷気、ほこりなどに過剰反応し、くしゃみ、鼻水、咳、かゆみが出やすくなります。
胃腸が弱り、水分代謝が乱れると、余分な水が鼻水や痰としてあふれます。水様鼻水、薄い痰、むくみを伴いやすくなります。
反応が長引くと、炎症による熱や乾燥が出ます。黄色い鼻汁、強いかゆみ、空咳、乾燥肌、慢性鼻づまりにつながります。
アレルギーでは、初期の水っぽい反応、途中の熱・炎症、後期の乾燥・慢性化を見分けることが重要です。花粉症でも、シーズン初期と後期では合う漢方が変わることがあります。
漢方では「肺・衛気・津液」から見る
漢方では、鼻・気管支・皮膚は「肺」と深く関係すると考えます。肺の表面を守る衛気、粘膜や皮膚を潤す津液、体内の水分代謝を支える脾、生命力や冷えに関係する腎、ストレスと気の巡りに関係する肝を合わせて見ます。
| 症状の出方 | 漢方で見たい背景 | よくある体質 |
|---|---|---|
| 水様鼻水、くしゃみ、薄い痰 | 余分な水があふれ、肺の表面で過剰反応している | 湿痰 |
| 赤み、熱感、強いかゆみ、黄色い鼻汁 | 湿と熱が結びつき、炎症が強くなっている | 湿熱 |
| 乾燥、空咳、慢性鼻づまり、粉をふく皮膚 | 粘膜や皮膚の潤いが不足し、虚熱が残る | 陰虚 |
| ストレスで喘息・かゆみ・鼻づまりが悪化 | 気の巡りが滞り、自律神経が過敏になっている | 気滞 |
| 慢性鼻炎、にきび、赤み、治りにくい湿疹 | 血流が滞り、炎症が局所に残りやすい | 血瘀 |
| 乾燥肌、冷え、疲れ、皮膚粘膜の弱さ | 血が不足し、皮膚や粘膜を養えない | 血虚 |
アレルギーを体質別に見る
アレルギーは、症状の部位だけでなく、分泌物の質、熱感、乾燥、ストレス、冷え、胃腸の状態を見て整理します。花粉症、喘息、アトピー、じんましん、慢性鼻炎は、別々の病名であっても、漢方的には共通する体質背景を持つことがあります。
湿痰
冷えた水分があふれ、鼻水、痰、くしゃみ、喘鳴として現れやすいタイプです。
湿熱
湿と熱が結びつき、皮膚のジュクジュク、目のかゆみ、黄色い鼻汁、強い咳が出やすいタイプです。
陰虚
粘膜や皮膚の潤いが不足し、空咳、乾燥肌、鼻づまり、慢性炎症が残りやすいタイプです。
気滞
緊張やストレスで咳、喘息、かゆみ、鼻づまりが悪化しやすいタイプです。
血瘀
血行不良により、鼻炎、にきび、皮膚炎、赤みが長引きやすいタイプです。
血虚
血が不足し、皮膚や粘膜の修復力が弱く、乾燥やかゆみが出やすいタイプです。
気虚
衛気が弱く、風邪をひきやすい、花粉に負けやすい、症状が長引きやすいタイプです。
陽虚
体の芯が冷え、水分代謝が落ち、水様鼻水や冷えによる喘息が出やすいタイプです。
湿痰(しったん)体質のアレルギー
湿痰は、体内に余分な水分が停滞しやすい体質です。花粉症やアレルギー性鼻炎では、透明でサラサラした鼻水、くしゃみ、薄い痰、冷えで悪化する咳として現れます。
病態の考え方
胃腸が冷えたり、水分代謝が落ちたりすると、体に不要な水がたまります。アレルゲンが入ると、その水が鼻水や痰としてあふれ、鼻や気管支の通り道をふさぎます。
見られやすい症状
- 透明で水っぽい鼻水が止まらない
- くしゃみが連発する
- 薄い痰が多い
- 冷えると咳や鼻水が悪化する
- むくみやすい
- 胃腸が弱い、冷たい飲食で悪化する
漢方の考え方・処方例
透明で水様の鼻水、薄い痰、冷えを伴う鼻炎・花粉症・咳では、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)などが検討されることがあります。
首や肩のこわばりがあり、風邪の初期のような鼻づまりやくしゃみがある場合には、葛根湯(かっこんとう)などを考えます。
水分の偏り、口渇、尿量の乱れ、頭重感、めまいを伴う場合には、五苓散(ごれいさん)なども候補になります。
胃腸が弱く、痰や水分停滞が長引く場合には、六君子湯(りっくんしとう)などを体質に応じて考えることもあります。
養生のポイント
湿痰タイプでは、冷たい飲み物、牛乳、甘いもの、食べすぎで水分代謝が落ちやすくなります。花粉症シーズン中は、温かい食事と腹八分目を意識しましょう。
湿熱(しつねつ)体質のアレルギー
湿熱は、余分な水分と熱が結びついた体質です。アレルギーでは、目のかゆみ、皮膚の赤み、ジュクジュクした湿疹、黄色く粘る鼻汁、ゼーゼーする咳として現れます。
病態の考え方
アレルギー反応によって炎症が起こり、そこに余分な水分が加わると、湿熱になります。湿熱は、皮膚では赤くかゆい湿疹、鼻では粘る鼻汁、気管支では黄色い痰や喘鳴として現れやすくなります。
見られやすい症状
- 皮膚が赤く腫れてかゆい
- ジュクジュクした湿疹がある
- 目のかゆみや充血が強い
- 黄色く粘る鼻汁がある
- 黄色い痰、ゼーゼーする咳がある
- 暑がり、便秘、口渇を伴う
漢方の考え方・処方例
肺に熱がこもり、激しい咳、喘鳴、のどの渇き、気管支喘息・気管支炎のような症状を伴う場合には、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)などが検討されることがあります。
むくみ、喉の渇き、汗、目のかゆみ、関節の腫れや痛み、皮膚炎を伴う場合には、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)などを考えることがあります。
かゆみが強く、分泌物が多く、赤みや熱感を伴う皮膚症状では、消風散(しょうふうさん)なども候補になります。
発赤があり、ときに化膿傾向がある皮膚症状、じんましん、湿疹では、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などを体質に応じて考えることもあります。
養生のポイント
湿熱タイプでは、甘いもの、脂っこいもの、アルコール、刺激物、酸化した油で炎症が長引きやすくなります。症状が強い期間は、食事を軽くし、便通を整えましょう。
陰虚(いんきょ)体質のアレルギー
陰虚は、体を潤し冷却する陰液が不足しやすい体質です。アレルギーでは、空咳、鼻の奥の乾燥、慢性鼻づまり、乾燥肌、粉をふく皮膚、夜間のかゆみとして現れます。
病態の考え方
アレルギー反応が長引くと、粘膜や皮膚の潤いが消耗します。潤いが不足すると、鼻や気管支は過敏になり、わずかな刺激でも咳や鼻づまり、かゆみが出やすくなります。
見られやすい症状
- 空咳が続く
- 鼻の奥が乾燥して詰まる
- 皮膚がカサカサしてかゆい
- 夜間にかゆみが強くなる
- のどが渇く
- ほてり、不眠、寝汗を伴う
漢方の考え方・処方例
鼻・咽喉・皮膚など上半身に熱や炎症が残り、慢性鼻炎、蓄膿症、にきび、慢性扁桃炎を伴う場合には、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)などが検討されることがあります。
肺にこもった熱が鼻に及び、粘り気のある鼻汁や頑固な鼻づまりが続く場合には、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)などを考えることがあります。
乾いた咳、痰が切れにくい咳、のどの乾燥を伴う場合には、麦門冬湯(ばくもんどうとう)なども候補になります。
熱感と口渇が強く、ほてり、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみを伴う場合には、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)などを体質に応じて考えることがあります。
養生のポイント
陰虚タイプでは、サウナ、夜更かし、過度な発汗、香辛料で潤いがさらに消耗しやすくなります。睡眠を確保し、温かい水分を少量ずつ摂り、保湿を徹底しましょう。
気滞(きたい)体質のアレルギー
気滞は、ストレスや緊張で気の巡りが滞りやすい体質です。アレルギーでは、ストレスで喘息が悪化する、かゆみが爆発する、鼻づまりが強くなる、天候変化に過敏になる形で現れます。
病態の考え方
ストレスで肝の気が滞ると、自律神経が乱れ、気管支、鼻、皮膚が過敏になります。もともと湿痰や陰虚がある方では、そこにストレスが重なって症状が急に強くなることがあります。
見られやすい症状
- ストレスで咳や喘息が悪化する
- イライラするとかゆみが増す
- 緊張すると咳き込む
- 喉に何か詰まった感じがある
- 天気や気圧の変化に敏感
- 不眠、動悸、不安を伴う
漢方の考え方・処方例
神経が高ぶり、イライラ、かんしゃく、不眠、筋肉の緊張を伴う場合には、抑肝散(よくかんさん)などが検討されることがあります。
神経過敏、興奮しやすい、不眠、動悸を伴い、ストレスで皮膚や呼吸器症状が悪化する場合には、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)などを考えることがあります。
精神的な緊張が呼吸に影響し、喘息や咳が出やすい場合には、神秘湯(しんぴとう)なども候補になります。
喉のつかえ感、不安、気分のふさぎ、心因性の咳を伴う場合には、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などを体質に応じて考えることもあります。
養生のポイント
気滞タイプでは、症状を気にしすぎるほど交感神経が高ぶり、かゆみや咳が増えることがあります。腹式呼吸、入浴、軽い散歩、睡眠の確保で、過敏になった体をゆるめましょう。
血瘀(けつお)体質のアレルギー
血瘀は、血の巡りが滞りやすい体質です。アレルギーでは、慢性鼻炎、蓄膿症、にきび、治りにくい湿疹、赤みが残る皮膚炎として現れることがあります。
病態の考え方
血流が悪いと、炎症の回復に必要な新鮮な血が届きにくく、老廃物も回収されにくくなります。その結果、鼻・咽喉・皮膚に慢性炎症が残り、症状が長引きやすくなります。
見られやすい症状
- 慢性鼻炎や副鼻腔炎を繰り返す
- にきびや赤みが残りやすい
- 湿疹が治りにくい
- 肩こり、首こりが強い
- 顔色がくすむ、シミが気になる
- 冷えのぼせを伴う
漢方の考え方・処方例
鼻・咽喉・皮膚など上半身に熱や炎症が残り、慢性鼻炎、蓄膿症、にきびを伴う場合には、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)などが検討されることがあります。
顔面や頭部の熱、にきび、赤み、皮膚炎を伴う場合には、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)などを考えることがあります。
血の巡りが悪く、冷えのぼせ、肩こり、月経不調、肌荒れを伴う場合には、桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがんりょう)なども候補になります。
発赤があり、ときに化膿傾向がある皮膚症状、じんましん、湿疹では、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などを体質に応じて考えることもあります。
養生のポイント
血瘀タイプでは、首・肩・骨盤まわりの血流を整えることが重要です。長時間の同じ姿勢を避け、入浴やストレッチで巡りを回復させましょう。
血虚(けっきょ)体質のアレルギー
血虚は、体を養う血が不足しやすい体質です。アレルギーでは、皮膚や粘膜の修復力が落ち、乾燥肌、かゆみ、荒れやすさ、症状の長引きとして現れます。
病態の考え方
皮膚や粘膜は、血によって栄養されます。血が不足すると、バリア機能が弱くなり、外からの刺激に過敏になります。アトピー、じんましん、慢性湿疹、鼻粘膜の弱さにも関係します。
見られやすい症状
- 皮膚が乾燥してかゆい
- 湿疹が治りにくい
- 顔色が悪い、貧血気味
- 疲れやすい
- 髪や爪が弱い
- 不眠、不安を伴う
漢方の考え方・処方例
乾燥肌で分泌物が少なく、冷え症や皮膚のかゆみを伴う場合には、当帰飲子(とうきいんし)などが検討されることがあります。
皮膚がカサカサして色つやが悪く、のぼせや月経不順を伴う場合には、温清飲(うんせいいん)などを考えることがあります。
血を補いながら水分代謝も整える必要がある場合には、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)なども候補になります。
胃腸の弱り、不眠、不安、血色の悪さを伴う場合には、加味帰脾湯(かみきひとう)などを体質に応じて考えることもあります。
養生のポイント
血虚タイプでは、睡眠不足と食事不足で皮膚粘膜の修復力が落ちます。温かく消化の良い食事、十分な睡眠、目の酷使を避けることを意識しましょう。
気虚・陽虚(ききょ・ようきょ)体質のアレルギー
気虚は、体を守る衛気が弱りやすい体質です。陽虚は、体を温める力が不足しやすい体質です。アレルギーでは、風邪をひきやすい、花粉に負けやすい、冷えると鼻水や喘息が悪化する形で現れます。
病態の考え方
衛気が弱いと、外からの刺激に対して体表が安定せず、鼻、皮膚、気管支が過敏になります。陽虚があると、水分が冷えて動きにくくなり、透明な鼻水や薄い痰が長引きます。
見られやすい症状
- 風邪をひきやすい
- 花粉症が毎年重い
- 疲れると鼻炎や喘息が出る
- 冷えると鼻水・咳が悪化する
- 胃腸が弱い
- 汗をかきやすい、息切れしやすい
漢方の考え方・処方例
疲れやすく、汗をかきやすく、風邪をひきやすい方の体力低下やバリア低下には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などが検討されることがあります。
水様鼻水、薄い痰、冷えを伴う鼻炎・花粉症・咳では、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)などを考えることがあります。
胃腸が弱く、食欲不振や痰が長引く場合には、六君子湯(りっくんしとう)なども候補になります。
深部の冷え、むくみ、ふらつき、下痢を伴う場合には、真武湯(しんぶとう)などを体質に応じて考えることもあります。
養生のポイント
気虚・陽虚タイプでは、冷たい飲食、睡眠不足、過労でバリア機能が落ちます。首・背中・お腹を冷やさず、朝食を抜かず、体を温める生活を意識しましょう。
アレルギーの漢方薬は、病期と体質で変わります
水様鼻水が出る初期、赤みやかゆみが強い中期、乾燥や鼻づまりが残る後期では、見るべき体質が変わります。症状だけでなく、冷え、熱、乾燥、ストレス、胃腸、睡眠を合わせて確認しましょう。
食事・小児・親の不安から見るアレルギー
アレルギー誘発食品・刺激物の影響
アレルギー症状が強い時期は、食事の影響も無視できません。鮮度の落ちた肉や魚介類、サバ、エビ、ピーナッツ、チョコレート、唐辛子、酸化した油脂、スナック菓子、アルコール、コーヒーなどは、体内の熱や炎症を助長し、かゆみ、喘息、じんましん、鼻炎を悪化させることがあります。
乳幼児の食物アレルギーと免疫寛容
乳幼児期は、消化酵素や腸内環境、免疫寛容がまだ発達途中です。そのため、食物に過敏に反応することがあります。小児の食物アレルギーは自己判断で除去を続けるのではなく、医師の指導のもとで安全に進めることが重要です。
親の不安が子どもの症状に影響することもあります
小児のアトピーや喘息では、親が症状を心配しすぎることで、子どもも緊張し、掻きむしりや発作への不安が強くなることがあります。もちろん必要な治療は行いながら、家庭ではできるだけ安心して過ごせる空気を作ることが大切です。
アレルギーは「外からの刺激」だけではありません
花粉、ダニ、ハウスダスト、食物などの外因を避けることは基本です。しかし、睡眠不足、冷たい飲食、胃腸の弱り、ストレス、過労、乾燥、血流低下があると、同じ刺激でも強く反応しやすくなります。
アレルギーを整える生活養生
1. 冷たい飲食・甘いものを控える
冷たい飲み物、アイス、牛乳の多飲、甘いものは、胃腸を冷やし、余分な水である湿を増やしやすくします。水様鼻水、痰、むくみが多い方は、まず冷飲食を減らしましょう。
2. 睡眠を確保し、陰を守る
夜更かしや睡眠不足は、粘膜や皮膚を潤す陰を消耗します。陰が不足すると、鼻の奥の乾燥、空咳、皮膚の乾燥、夜間のかゆみが悪化しやすくなります。
3. 症状が強い時期は刺激物を避ける
唐辛子、こしょう、アルコール、コーヒー、チョコレート、脂っこい食事、酸化した油は、炎症やかゆみを助長しやすい食品です。症状が強い時期は控えめにしましょう。
4. 乾布摩擦で皮膚と肺のバリアを鍛える
漢方では、皮膚と肺はつながっていると考えます。乾布摩擦などで皮膚を適度に刺激することは、衛気を整え、冷気や花粉への反応を和らげる助けになります。強くこすりすぎず、皮膚が少し温まる程度に行いましょう。
5. 腹式呼吸で気滞をゆるめる
ストレスで咳や喘息、かゆみが悪化する方は、呼吸が浅くなりやすい状態です。朝晩に腹式呼吸を行い、胸や喉の緊張をゆるめることで、過敏な反応を落ち着かせやすくなります。
6. 原因物質を避ける工夫を続ける
花粉、ダニ、ハウスダスト、ペット、カビ、食物、金属など、原因が分かっている場合は回避が基本です。漢方で体質を整える場合も、原因物質を無視してよいわけではありません。
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よくある質問
アレルギーには、どの漢方薬がよいですか?
アレルギーだからといって、すべての方に同じ漢方薬が合うわけではありません。水様鼻水なら湿痰、赤みやかゆみが強ければ湿熱、乾燥や慢性鼻づまりがあれば陰虚、ストレスで悪化するなら気滞を考えます。
花粉症の時期に同じ漢方を飲み続けてもよいですか?
花粉症は時期によって証が変わることがあります。初期は水様鼻水、中期は炎症やかゆみ、後期は乾燥や鼻づまりが目立つことがあります。症状の変化に合わせて見直すことが大切です。
アトピーやじんましんにも漢方は考えられますか?
体質に応じて考えることはあります。ジュクジュクして赤みが強い場合、カサカサして乾燥が強い場合、ストレスでかゆみが悪化する場合では、考え方が異なります。医療機関での治療と併用する場合は、医師・薬剤師に相談してください。
子どものアレルギーに漢方を使ってもよいですか?
小児では年齢、体重、症状、既往歴、食物アレルギーの有無によって対応が変わります。自己判断せず、小児科医や薬剤師に相談してください。呼吸苦や全身症状がある場合はすぐに医療機関を受診してください。
アレルギー体質は治りますか?
原因物質への反応のしやすさには個人差があります。漢方では、過剰反応を起こしにくい体を目指して、冷え、水分代謝、乾燥、血流、ストレス、胃腸の弱りを整えることを考えます。
受診の目安
以下のような場合は、体質によるアレルギーと決めつけず、医療機関に相談してください。
- 息苦しさ、ゼーゼー、ヒューヒューする呼吸がある場合
- 顔や唇、喉が腫れる場合
- 全身のじんましん、嘔吐、腹痛、意識がぼんやりする場合
- アナフィラキシーが疑われる場合
- 喘息発作を繰り返す場合
- ステロイド吸入薬や抗アレルギー薬を使っても改善しない場合
- 皮膚を掻き壊して感染が疑われる場合
- 食物アレルギーが疑われる場合
- 小児、高齢者、妊娠中、授乳中の場合
- 薬剤アレルギーが疑われる場合
アレルギーは、重症化することがあります。
漢方は体質を整える選択肢の一つですが、喘息発作、アナフィラキシー、重い皮膚炎、食物アレルギーでは、医療機関での評価と治療が必要です。
参考・出典
AI漢方診断へ
アレルギーは、同じ「鼻水」「咳」「かゆみ」でも、体質によって考え方が変わります。
水様鼻水が中心なのか、赤みや熱感が強いのか、乾燥して慢性化しているのか、ストレスで悪化するのか。まずは自分の体質を知ることが、漢方選びの第一歩です。
アレルギーに合う漢方を、体質から確認する
鼻水、鼻づまり、咳、痰、喘息、皮膚のかゆみ、乾燥、赤み、ストレス、冷え、睡眠まで含めて確認します。
※本ページは一般的な情報提供を目的としたものであり、医師・薬剤師等の専門家による個別の医療アドバイスに代わるものではありません。アレルギーには、アレルギー性鼻炎、花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、じんましん、食物アレルギー、薬剤アレルギー、アナフィラキシーなどが含まれます。漢方薬は体質や症状、持病、服薬状況によって適否が異なります。喘息治療薬、抗アレルギー薬、ステロイド薬、免疫抑制薬などを使用中の方、妊娠中・授乳中の方、小児、高齢の方は、自己判断で服用・中止せず、事前に医師または薬剤師にご相談ください。息苦しさ、顔や喉の腫れ、全身のじんましん、意識がぼんやりする、強い喘息発作がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師
光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。
著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。