咳・喘息に漢方|空咳・痰が絡む咳・ゼーゼーする喘息を体質別に考える
監修:堀口和彦|更新日:2026-06-25
コンコンと乾いた咳が止まらない。水っぽい痰や鼻水が出る。黄色く粘る痰が絡む。ゼーゼー、ヒューヒューして息苦しい。緊張すると咳き込む。
咳や喘息は、単なる肺や気管支だけの問題とは限りません。漢方では、気が逆上する「気逆」、余分な水分が気道にたまる「湿痰」、熱と炎症が絡む「湿熱」、粘膜の潤い不足で過敏になる「陰虚」、ストレスで呼吸が浅くなる「気滞」などから整理します。
同じ咳でも、空咳なのか、痰が多いのか、痰が水っぽいのか、黄色く粘るのか、冷えで悪化するのか、緊張で悪化するのかで、考え方は変わります。
KanpoNowの診断データでは、咳・喘息を訴える方の体質は、湿痰と陰虚がともに多く、次いで気滞、血瘀、血虚が続きました。つまり、咳・喘息対策では「水分代謝」「粘膜の潤い」「気の巡り」を中心に見ることが重要です。
あなたに合う咳・喘息の漢方がわかる
AI漢方診断で体質を確認するKanpoNow診断データで見る咳・喘息の傾向
7,575件
KanpoNowで行われたAI漢方診断の件数です。
209件・3%
症状ランキングでは28位でした。
女性92%・平均49歳
50代33%、40代22%でした。
40代・50代が中心
乾燥、ストレス、更年期、体力低下、慢性化した咳が重なりやすい年代です。
湿痰 17%
水分代謝が滞り、水っぽい痰や鼻水、痰が絡む咳、ゼーゼー感につながりやすい体質です。
陰虚 17%
気道や喉を潤す陰が不足し、乾いた咳、喉の乾燥、痰の切れにくさにつながりやすい体質です。
気滞 15%
ストレスや緊張で気が滞り、喉のつかえ、咳込み、胸の苦しさにつながりやすい体質です。
血瘀13%・血虚12%
慢性炎症、血流低下、疲労、栄養不足により、咳が長引く背景になることがあります。
目次
咳・喘息とは
咳は、気道に入った異物や痰、刺激を外へ出すための反射です。喘息では、気道に慢性的な炎症があり、刺激によって気管支が狭くなり、咳、喘鳴、胸苦しさ、息苦しさなどが起こります。*①②
咳が長引く場合、風邪後の咳、咳喘息、アトピー咳嗽、気管支喘息、胃食道逆流症、後鼻漏、薬剤性、感染症、間質性肺炎など、さまざまな原因を確認する必要があります。*①②
咳・喘息は、呼吸器の状態を確認しながら体質を見ることが大切です。
漢方では、空咳、水っぽい痰、黄色く粘る痰、緊張で出る咳、風邪後に長引く咳を分けて考えます。
なぜ咳・喘息が起こるのか
漢方では、咳を「肺の気が上へ突き上げる状態」と見ます。本来は下へ降りるべき肺の気が、乾燥、冷え、水分停滞、熱、ストレスなどによって逆上すると、咳込みや喘鳴につながります。
風邪、冷え、ストレス、気道刺激で肺の気が逆上し、咳や息苦しさが出ます。
余分な水分が痰となり、気道の通り道を狭め、ゼーゼー、ヒューヒュー、痰が絡む咳につながります。
喉や気管の潤いが不足すると、冷気、会話、ホコリなどの刺激で空咳が出やすくなります。
咳・喘息は、湿っているのか、乾いているのか、冷えているのか、熱があるのか、ストレスで悪化するのかを見分けることが重要です。
漢方では「気逆・湿痰・乾燥」から見る
咳・喘息では、肺の気が逆上する「気逆」、痰や鼻水が多い「湿痰」、粘膜が乾いて過敏になる「陰虚」、炎症と熱が強い「湿熱」、ストレスで呼吸が浅くなる「気滞」を中心に見ます。
湿痰
透明で薄い痰や鼻水、冷えで悪化する咳、ゼーゼー感を伴うタイプです。
陰虚
コンコンとした空咳、喉の乾燥、粘る痰、風邪後に長引く咳のタイプです。
気滞
緊張、ストレス、喉のつかえ、胸苦しさで咳が出やすいタイプです。
湿熱
黄色く粘る痰、強い咳、熱感、息苦しさ、ゼーゼーを伴うタイプです。
咳・喘息を体質別に見る
咳・喘息では、湿痰、陰虚、気滞が中心になりやすく、黄色い痰や炎症が強い場合は湿熱、長引く咳や風邪をひきやすい場合は気虚、粘膜の修復力低下では血虚、慢性炎症や血流低下では血瘀、冷えが強い場合は陽虚も確認します。
湿痰
透明で薄い痰、水っぽい鼻水、冷えで悪化する咳、喘鳴を伴うタイプです。
陰虚
乾いた咳、喉の乾燥、痰が少なく粘る、夜間や乾燥で悪化するタイプです。
気滞
緊張、喉のつかえ、胸苦しさ、心因性の咳、咳喘息様の症状を伴うタイプです。
湿熱
黄色く粘る痰、強い咳、喘鳴、暑がり、炎症傾向を伴うタイプです。
気虚
風邪をひきやすい、咳が長引く、息切れしやすい、疲れやすいタイプです。
血虚
粘膜の修復が遅く、喉の違和感、疲労感、乾燥が続きやすいタイプです。
血瘀
長引く咳、胸部の違和感、肩こり、血流低下、慢性化と関係するタイプです。
陽虚
冷えると咳や痰が増える、息切れ、むくみ、胃腸虚弱を伴うタイプです。
湿痰(しったん)体質の咳・喘息
湿痰は、水分代謝が滞り、余分な水分が痰や鼻水として出やすい体質です。咳・喘息では、透明で薄い痰、水っぽい鼻水、冷えで悪化する咳、ゼーゼー感として現れます。
病態の考え方
胃腸が弱く、冷たい飲食や水分の摂りすぎが続くと、体内に余分な水がたまります。その水が肺や気道に上がると、痰や鼻水となって気の通り道をふさぎ、咳や喘鳴を起こしやすくなります。
見られやすい症状
- 透明で薄い痰が多い
- 水っぽい鼻水が出る
- 冷えると咳が悪化する
- ゼーゼー、ヒューヒューする
- むくみやすい
- 胃腸が弱い、冷たい飲食で悪化する
漢方の考え方・処方例
冷えによる水分停滞があり、うすい水様の痰、鼻水、咳、喘鳴を伴う場合には、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)などが検討されることがあります。
胃腸が弱く冷え症で、薄い水様の痰が多く、動悸、息切れ、むくみを伴う場合には、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)などを考えることがあります。
水分の偏り、むくみ、尿量の少なさ、鼻水や痰の多さを伴う場合には、五苓散(ごれいさん)なども体質によって候補になります。
胃腸が弱く、食欲不振、胃もたれ、水分停滞を伴う場合には、六君子湯(りっくんしとう)などで胃腸から整えることもあります。
養生のポイント
湿痰タイプでは、水分のガブ飲み、冷たい飲み物、生野菜、甘いものが痰を増やすことがあります。水分は喉が渇いた時に、温かいものを少しずつ摂りましょう。
陰虚(いんきょ)体質の咳・喘息
陰虚は、体を潤し冷ます陰液が不足しやすい体質です。咳・喘息では、喉や気道の粘膜が乾燥して過敏になり、コンコンと乾いた咳が続く状態として現れます。
病態の考え方
気道の潤いが不足すると、冷気、会話、ホコリ、乾燥した空気に敏感になります。痰は少ないのに咳が続く、痰が粘って切れにくい、風邪後に咳だけ残る場合は、陰虚の視点が重要です。
見られやすい症状
- コンコンと乾いた咳が続く
- 痰は少ないが粘って切れにくい
- 喉が乾く、イガイガする
- 会話や冷気で咳き込む
- 秋冬や乾燥で悪化する
- 皮膚や口が乾きやすい
漢方の考え方・処方例
喉や肺の潤い不足による空咳、痰の切れにくさ、咽頭の乾燥感を伴う場合には、麦門冬湯(ばくもんどうとう)などが検討されることがあります。
陰液の消耗による虚熱、ほてり、微熱感、長引く空咳、気管支炎を伴う場合には、滋陰降火湯(じいんこうかとう)などを考えることがあります。
腎の潤い不足、ほてり、口渇、疲れやすさを伴う場合には、六味丸(ろくみがん)なども体質によって候補になります。
養生のポイント
陰虚タイプでは、睡眠不足、夜更かし、飲酒、辛いもの、過度な発汗で気道の潤いを消耗しやすくなります。早めに休み、室内の乾燥を避け、温かい飲み物で喉を潤しましょう。
気滞(きたい)体質の咳・喘息
気滞は、ストレスや緊張で気の巡りが滞りやすい体質です。咳・喘息では、胸や喉のつかえ、緊張で出る咳、心因性の咳、気管支の緊張として現れます。
病態の考え方
緊張や不安で呼吸が浅くなると、胸郭や気管支がこわばり、気が上へ逆流しやすくなります。喉に何かが詰まったような違和感、会話や人前で咳き込む、低気圧やストレスで喘息が出る場合に関係します。
見られやすい症状
- 緊張すると咳が出る
- 喉に何かが詰まった感じがある
- 胸が苦しい、深呼吸しにくい
- ストレスで喘息が悪化する
- 気分がふさぐ、不安がある
- 痰は少ないが咳込みやすい
漢方の考え方・処方例
気の巡りの乱れによって呼吸が詰まり、喘鳴、息苦しさ、痰の少ない咳を伴う場合には、神秘湯(しんぴとう)などが検討されることがあります。
喉のつかえ感、異物感、不安、気分のふさぎ、心因性の咳を伴う場合には、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などを考えることがあります。
気分のふさぎ、喉のつかえ、風邪をひきやすさ、喘息や気管支炎を伴う場合には、柴朴湯(さいぼくとう)なども候補になります。
心身の緊張、不安、動悸、不眠、胸部の緊張が強い場合には、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などが検討されることもあります。
養生のポイント
気滞タイプでは、胸を開いて呼吸を深くすることが大切です。朝晩に腹式呼吸を行い、肩や胸郭をゆるめ、ストレスを一人で抱え込まないようにしましょう。
湿熱(しつねつ)体質の咳・喘息
湿熱は、余分な水分や老廃物に熱が加わった体質です。咳・喘息では、黄色く粘る痰、強い咳、喉の熱感、喘鳴、息苦しさとして現れます。
病態の考え方
湿が熱で煮詰まると、痰は黄色く粘り、切れにくくなります。気道の炎症や熱が強いと、咳の勢いが強くなり、ゼーゼー、ヒューヒューとした喘鳴を伴うことがあります。
見られやすい症状
- 黄色く粘る痰が出る
- 咳の勢いが強い
- ゼーゼー、ヒューヒューする
- 喉が渇く、熱感がある
- 暑がり、汗をかきやすい
- 便秘、飲酒、脂っこい食事で悪化する
漢方の考え方・処方例
肺に熱がこもり、激しい咳、喘鳴、息苦しさ、喉の渇きを伴う場合には、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)などが検討されることがあります。
肺の熱と粘り気の強い痰があり、痰が多く切れにくい咳、気管支炎を伴う場合には、清肺湯(せいはいとう)などを考えることがあります。
胸脇部の張り、便秘、ストレス、熱こもりを伴う場合には、大柴胡湯(だいさいことう)なども体質によって候補になります。
のぼせ、赤ら顔、強いイライラ、熱こもりが目立つ場合には、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などを考えることもあります。
養生のポイント
湿熱タイプでは、飲酒、脂っこい食事、夜食、甘いものが痰と熱を増やします。胃腸の負担を減らし、便通を整え、症状が強い時は早めに医療機関で確認しましょう。
気虚(ききょ)体質の咳・喘息
気虚は、生命エネルギーである気が不足しやすい体質です。咳・喘息では、風邪をひきやすい、咳が長引く、息切れしやすい、咳をする体力も弱い状態として現れます。
病態の考え方
胃腸が弱いと気を十分に作れず、肺の働きや体表を守る力が低下します。風邪後に咳だけ残る、慢性的に気管支が弱い、疲れると咳が出る場合は、気虚を考えます。
見られやすい症状
- 風邪をひきやすい
- 咳が長引く
- 息切れしやすい
- 疲れやすい、だるい
- 胃腸が弱い、食欲がない
- 声に力がない
漢方の考え方・処方例
疲労倦怠感、食欲不振、風邪をひきやすさ、長引く咳を伴う場合には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などが検討されることがあります。
食欲不振、疲労倦怠、冷え、慢性的な体力低下、咳の長引きを伴う場合には、人参養栄湯(にんじんようえいとう)などを考えることがあります。
胃腸が弱く、食欲不振、胃もたれ、痰や水分停滞を伴う場合には、六君子湯(りっくんしとう)などで胃腸から立て直すこともあります。
養生のポイント
気虚タイプでは、無理に活動量を増やすより、胃腸と睡眠を整えることが先です。温かく消化のよい食事を腹八分目にし、風邪後はしっかり休みましょう。
血虚(けっきょ)体質の咳・喘息
血虚は、体を養う血が不足しやすい体質です。咳・喘息では、気道粘膜の修復力が落ち、風邪後に咳が長引く、喉の違和感が続く、疲労感や不眠を伴う状態として現れます。
病態の考え方
血は、粘膜や筋肉に栄養を届ける働きがあります。血が不足すると、荒れた気道粘膜の回復が遅れ、咳が長引いたり、少しの刺激で咳き込みやすくなったりします。
見られやすい症状
- 風邪後に咳が長引く
- 喉の違和感が残る
- 疲れやすい
- 眠りが浅い
- 顔色が悪い、めまいがある
- 乾燥や不安を伴う
漢方の考え方・処方例
不安、不眠、動悸、精神疲労、血の不足を伴う場合には、加味帰脾湯(かみきひとう)などが検討されることがあります。
気力と体力が落ち、疲労感や顔色の悪さ、回復力低下を伴う場合には、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などを考えることがあります。
乾燥と咳が目立ち、喉や気道の潤い不足を伴う場合には、麦門冬湯(ばくもんどうとう)なども候補になります。
養生のポイント
血虚タイプでは、夜更かし、食事抜き、過労で粘膜の回復が遅れます。睡眠、温かい食事、たんぱく質を意識し、風邪後は早めに休みましょう。
血瘀(けつお)体質の咳・喘息
血瘀は、血の巡りが滞りやすい体質です。咳・喘息では、慢性化した気道の炎症、胸部の違和感、肩こり、冷えのぼせ、長引く咳の背景として関係することがあります。
病態の考え方
咳が長引くと、胸や背中の筋肉がこわばり、血流も悪くなります。血流が滞ると、粘膜や気管支の修復が遅れ、咳の悪循環につながることがあります。
見られやすい症状
- 咳が慢性化している
- 胸や背中がこわばる
- 肩こり、頭痛がある
- 冷えのぼせがある
- 更年期や月経周期で悪化する
- 疲労や睡眠不足で悪化する
漢方の考え方・処方例
血の巡りを整え、冷えのぼせ、肩こり、生理痛、慢性化した不調を伴う場合には、桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがんりょう)などが検討されることがあります。
のぼせ、めまい、血の道症、更年期障害、神経症を伴う場合には、女神散(にょしんさん)などを考えることがあります。
気道に熱が残り、粘り気の強い痰や長引く咳を伴う場合には、清肺湯(せいはいとう)なども候補になります。
養生のポイント
血瘀タイプでは、胸郭と背中のこわばりをゆるめることが大切です。肩甲骨を動かし、入浴で巡りを整え、咳で固まった筋肉をやさしくほぐしましょう。
陽虚(ようきょ)体質の咳・喘息
陽虚は、体を温める力が不足しやすい体質です。咳・喘息では、冷えると咳や痰が増える、息切れしやすい、むくみや胃腸虚弱を伴う状態として現れます。
病態の考え方
体が冷えると水分代謝が落ち、肺や気道に冷たい水がたまりやすくなります。冷たい空気、冷たい飲食、雨の日、冬場に咳や喘鳴が悪化しやすいタイプです。
見られやすい症状
- 冷えると咳が出る
- 薄い痰が多い
- 息切れしやすい
- むくみやすい
- 胃腸が弱い
- 下痢、冷え、疲労感を伴う
漢方の考え方・処方例
冷えによる水分停滞、薄い水様の痰、咳、喘鳴、鼻水を伴う場合には、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)などが検討されることがあります。
胃腸が弱く冷え症で、薄い水様の痰、動悸、息切れ、むくみを伴う場合には、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)などを考えることがあります。
深部の冷え、むくみ、ふらつき、下痢を伴う場合には、真武湯(しんぶとう)なども体質によって候補になります。
養生のポイント
陽虚タイプでは、冷たい飲食と冷気を避けることが大切です。首元、背中、お腹を温め、温かい汁物や生姜を取り入れましょう。
咳・喘息の漢方薬は、痰と乾燥の状態で選びます
「咳にはこの漢方」と一律に決めるのではなく、空咳なのか、透明な痰が多いのか、黄色く粘る痰なのか、緊張で咳き込むのかを確認することが大切です。
小児・風邪後・胃腸から見る咳
小児の喘息と緊張
小児の喘息では、気道の過敏さに加えて、環境変化、緊張、不安が関係することがあります。漢方では、気滞や湿痰、湿熱を見ながら、本人が安心できる環境づくりも大切にします。
風邪後に長引く咳
風邪の熱や鼻水は治ったのに咳だけ残る場合、気道粘膜が荒れて過敏になっていることがあります。乾いた咳、会話や冷気で悪化する咳では、陰虚や粘膜の潤い不足を確認します。
胃腸と痰の関係
漢方では、胃腸が弱ると余分な水分が生まれ、それが痰として肺に上がると考えます。食べ過ぎ、水分の摂りすぎ、冷たい飲食は、痰の多い咳を悪化させることがあります。
ストレスと咳
ストレスや緊張で呼吸が浅くなると、喉や胸のつかえ感、咳込み、息苦しさが出やすくなります。気滞タイプでは、気管支だけでなく自律神経を整える視点が重要です。
咳・喘息を整える生活養生
1. 水分の摂りすぎと冷飲食を避ける
水っぽい痰や鼻水が多い方では、水分の摂りすぎや冷たい飲食が湿痰を増やすことがあります。喉が渇いた時に、温かいものを少しずつ摂りましょう。
2. 乾いた咳では粘膜を潤す
空咳や喉の乾燥がある方は、睡眠不足、夜更かし、飲酒、辛いもの、乾燥した室内で悪化しやすくなります。加湿、睡眠、温かい飲み物、喉の保護を意識しましょう。
3. 胃腸に負担をかけない
痰が絡む咳では、甘いもの、脂っこいもの、夜食、食べすぎが痰を増やすことがあります。胃腸にやさしい温かい食事を腹八分目にしましょう。
4. 腹式呼吸で胸郭をゆるめる
緊張で咳や喘鳴が出やすい方は、呼吸が浅くなりがちです。朝晩、仰向けでおへその下を意識し、ゆっくり吐く腹式呼吸を行いましょう。
5. 睡眠で陰と免疫を回復する
睡眠不足は、気道粘膜の潤いと回復力を落とします。咳が長引く時ほど、無理をせず早めに横になり、体の修復時間を確保しましょう。
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よくある質問
咳には、どの漢方薬がよいですか?
咳だからといって、すべての方に同じ漢方薬が合うわけではありません。乾いた咳では陰虚、水っぽい痰や鼻水では湿痰、黄色く粘る痰では湿熱、緊張で出る咳では気滞を考えます。
空咳にはどの体質が関係しますか?
コンコンとした空咳、喉の乾燥、痰が少なく粘る咳では、陰虚を考えることがあります。気道の潤いが不足し、刺激に敏感になっている状態です。
水っぽい痰や鼻水が多い咳は、どの体質ですか?
透明で薄い痰や水っぽい鼻水が多い場合は、湿痰や陽虚を考えることがあります。冷えや水分代謝の停滞により、余分な水が肺や鼻に出ているタイプです。
緊張すると咳が出ることはありますか?
あります。ストレスや緊張で気が滞ると、喉や胸がつかえ、咳が出やすくなることがあります。喉の異物感や胸苦しさを伴う場合は、気滞の視点が重要です。
咳が長引く場合、漢方だけで様子を見てよいですか?
咳が長引く場合は、咳喘息、喘息、感染後咳嗽、後鼻漏、胃食道逆流症、薬剤性、間質性肺炎などの確認が必要です。長引く咳、息苦しさ、発熱、血痰がある場合は医療機関で確認してください。
受診の目安
以下のような場合は、体質による咳・喘息と決めつけず、医療機関に相談してください。
- 息苦しさ、ゼーゼー、ヒューヒューが強い場合
- 呼吸が苦しく、横になれない場合
- 唇や顔色が悪い、会話が難しい場合
- 高熱、胸痛、強いだるさを伴う場合
- 血痰がある場合
- 咳が3週間以上続く場合
- 夜間や明け方に咳や喘鳴で目が覚める場合
- 体重減少、寝汗、長引く微熱を伴う場合
- 喘息の診断があり、発作がいつもより強い場合
- 小児、高齢者、妊娠中、持病がある方の咳・喘息
咳・喘息は、呼吸状態の確認が最優先です。
喘息発作、肺炎、結核、COVID-19、間質性肺炎、心不全、薬剤性の咳などが関係することもあります。息苦しさ、胸痛、血痰、高熱、長引く咳がある場合は、早めに医療機関で確認してください。
参考・出典
- *① 日本呼吸器学会「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2版2025」
- *② MSDマニュアル プロフェッショナル版「喘息」
- *③ 厚生労働省「気管支喘息」
- *④ PMDA 医療用医薬品 添付文書等情報検索
AI漢方診断へ
咳・喘息は、同じ「咳が出る」症状でも、体質によって考え方が変わります。
乾燥しているのか、水分が余っているのか、熱がこもっているのか、ストレスで気が逆上しているのか、体力が落ちて慢性化しているのか。まずは自分の体質を知ることが、漢方選びの第一歩です。
咳・喘息に合う漢方を、体質から確認する
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堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師
光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。
著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。