咳・喘息に漢方|空咳・痰が絡む咳・ゼーゼーする喘息を体質別に考える

更新日:2026年7月22日監修:堀口和彦

咳や喉の違和感に悩む人のイメージ

乾いた咳が続く。痰が絡んで切れにくい。会話や冷気で咳き込み、夜や明け方に悪化する。

咳は、期間、痰の有無と色、夜間・明け方の悪化、喘鳴、息苦しさ、鼻炎・後鼻漏、食後との関係、服用薬を確認する必要があります。

漢方では、水分が痰になる湿痰、粘膜が乾く陰虚、緊張で呼吸が詰まる気滞、炎症が強い湿熱などを分けます。ただし、強い呼吸困難や血痰、高熱、胸痛がある場合は医療機関を優先します。

乾いた空咳痰が絡む咳夜間・明け方会話・冷気で悪化喘鳴・息苦しさ鼻炎・後鼻漏

咳・喘息で比較される漢方薬

咳という症状名だけで決めず、乾燥、痰の性状、熱、冷え、喉や胸の緊張、体力を比較します。

症状の出方 比較する処方 一緒に確認すること
乾いた空咳、喉の乾燥、会話や冷気で咳き込む 麦門冬湯 咳の期間、口渇、感染症、甘草を含む薬の重複を確認します。
黄色く粘る痰、強い咳、熱感、喘鳴 麻杏甘石湯 呼吸困難、胸痛、発熱、血圧、他の麻黄・甘草含有薬を確認します。
粘る痰が切れにくく、長引く気管支炎様の咳 清肺湯 痰の色・におい・血の混入、肺炎や慢性肺疾患の有無を確認します。
緊張や会話で咳、胸苦しさ、喉のつかえを伴う 神秘湯半夏厚朴湯 喘息、心肺疾患、パニック発作、服用薬を確認します。
透明で薄い痰や鼻水が多く、冷えると悪化する 小青竜湯 動悸、血圧、発汗、胃腸の弱さ、他の麻黄・甘草含有薬を確認します。
風邪後の咳が長引き、疲労・食欲低下を伴う 人参養栄湯 肺炎、体重減少、貧血、持病、治療中の薬を確認します。

喘息の吸入薬や処方薬を自己判断で中止せず、使用中の薬と持病を医師または薬剤師へ伝えてください。

先に医療機関へ相談したい咳・喘息症状

次の場合は、AI診断や漢方選びだけで様子を見ないでください。

  • 強い息苦しさ、会話困難、横になれない呼吸苦がある
  • ゼーゼー・ヒューヒューが強く、発作時の薬を使っても改善しない
  • 唇や顔色が青白い、意識がぼんやりする、失神した
  • 胸痛、血痰・喀血、高熱、強いだるさを伴う
  • 体重減少、寝汗、長引く微熱がある
  • 咳が3週間以上続く、または何度も繰り返す
  • 喘息、咳喘息、COPD、間質性肺炎、心疾患等で治療中である
  • 吸入薬、気管支拡張薬、ACE阻害薬などを使用している
  • 妊娠中・授乳中、小児、高齢者、重い持病がある

咳・喘息と全身の状態をまとめて確認する

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KanpoNow AI診断データで見る咳・喘息

7,575件

2026年6月25日時点の直近30日間の診断件数

209件

「咳・喘息」が選択された件数。全体の約3%

女性92%

男性8%、平均年齢49歳

50代33%

40代22%

AI診断で咳・喘息を選択した方の体質

湿痰

17%
陰虚

17%
気滞

15%
血瘀

13%
血虚

12%

2026年6月25日の既存ページ集計です。以下の相談データとは別母集団です。

堀口先生の相談・初期処方選定データ

堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データを整備した「咳・喘息症例」から、空咳、痰が絡む咳、風邪後に長引く咳などが主要な相談テーマとして確認できた全5件を整理しました。

体質、併発症状、漢方薬は1人に複数記録される場合があります。

自動抽出64件を原文確認し、喘息・咳喘息の診断や吸入治療中、強い呼吸症状、血痰、感染直後、逆流性食道炎等の治療中、家族相談、咳が併記のみの例など59件を一般公開集計から除外しました。

5件

原文確認済みの相談群

5件

初期処方選定を確認できた群

女性4件

男性1件

平均44歳

36〜56歳

原文確認済み5件のため、割合グラフや処方ランキングは掲載していません。

一緒に記録された項目:疲労・体力低下2件、乾いた咳・空咳1件、喉の乾燥・刺激1件、冷え・気温・気圧1件、ストレス・緊張・運動1件。

記録された体質:血瘀3件、湿熱3件、気虚2件、血虚1件、陽虚1件。

初期回答で確認した処方:麻杏甘石湯2件、麦門冬湯2件、神秘湯2件、清肺湯1件、白虎加人参湯1件、荊芥連翹湯1件、防風通聖散1件。

代表相談例6件は表示専用に選定した別母集団で、相談件数の分母・分子には使用していません。AI診断データとの合算・割合の直接比較もしません。

原文確認した代表相談例

初期相談時の咳の出方と、堀口先生が初期回答で選定した漢方薬を、個人が特定されないよう要約しています。改善経過や効果を示す症例ではありません。

41歳女性

喉の乾燥と、会話で誘発される空咳が続く例

口と喉の乾燥があり、声を出すと喉がカラカラになって咳き込む状態が1年以上続いていました。医療機関の検査では異常が確認されていませんでした。

乾いた咳・空咳喉の乾燥会話で悪化

初期回答で選定:麦門冬湯白虎加人参湯

49歳女性

息を吸う時や会話中に咳が出る例

1か月ほど咳が続き、息を吸った時や会話中に咳が出ていました。喉に痰が張り付くような感覚もありました。

吸気・会話で咳痰の張り付き1か月持続

初期回答で選定:神秘湯荊芥連翹湯

代表相談例をさらに4件見る

36歳女性

風邪の後に、咳だけが数か月残る例

風邪が治った後も咳だけが数か月続き、同じ経過を以前にも繰り返していました。疲れや生活の乱れで下痢になることもありました。

風邪後の長引く咳反復性疲労

初期回答で選定:麦門冬湯麻杏甘石湯

56歳男性

毎年同じ時期に、風邪をきっかけに咳が長引く例

毎年同じ季節になると、風邪をきっかけに咳が長引く傾向がありました。相談時には、繰り返す咳に合う漢方薬を希望していました。

季節性風邪後反復する咳

初期回答で選定:清肺湯麻杏甘石湯

37歳女性

出始めると止まりにくい咳を繰り返す例

咳が出ない時もある一方、出始めると止まりにくく、1か月ほど頻度が増えていました。アレルギー、肩こり、便秘傾向も一緒に確認されました。

発作的な咳アレルギー肩こり・便秘

初期回答で選定:神秘湯防風通聖散

45歳女性

後鼻漏があり、風邪後に咳へ移行しやすい例

喉へ鼻水が流れる感覚が続き、風邪をひくと咳が長引く状態へ移行しやすい傾向がありました。相談時には呼吸器の薬は使用していませんでした。

後鼻漏風邪後の咳鼻・喉の炎症

初期回答で選定:辛夷清肺湯

代表相談例6件は、相談統計・処方集計の分母や分子には使用していません。

咳・喘息を8体質から確認する

同じ咳でも、乾いた空咳、透明な痰、黄色い痰、緊張で出る咳、疲労とともに長引く咳では、確認する体質が変わります。

水っぽい痰・鼻水

湿痰(しったん)体質の咳・喘息

水分代謝が滞り、透明で薄い痰、水っぽい鼻水、冷えで悪化する咳が出やすいタイプです。

咳・喘息と湿痰体質のイメージ
確認するサイン透明な痰、鼻水、冷えで悪化、むくみ、胃腸が弱い
処方を比べる視点小青竜湯六君子湯五苓散などを、冷え・胃腸・尿量から比較します。
乾燥・空咳

陰虚(いんきょ)体質の咳・喘息

喉や気道の潤いが不足し、乾いた咳、粘る痰、会話や冷気で誘発される咳が続きやすいタイプです。

咳・喘息と陰虚体質のイメージ
確認するサイン空咳、喉の乾燥、口渇、夜間・会話で悪化、痰が切れにくい
処方を比べる視点麦門冬湯などを中心に、熱感や口渇、感染症の有無を確認します。
緊張・喉のつかえ

気滞(きたい)体質の咳・喘息

ストレスや緊張で気が滞り、喉のつかえ、胸苦しさ、会話中の咳が出やすいタイプです。

咳・喘息と気滞体質のイメージ
確認するサイン緊張で咳、喉の異物感、ため息、胸の詰まり、不安
処方を比べる視点神秘湯半夏厚朴湯などを比較し、喘息や心肺疾患を除外します。
黄色い痰・炎症

湿熱(しつねつ)体質の咳・喘息

痰や分泌物に熱が加わり、黄色く粘る痰、強い咳、熱感、喘鳴が出やすいタイプです。

咳・喘息と湿熱体質のイメージ
確認するサイン黄色い痰、熱感、強い咳、喉の渇き、便秘、飲酒で悪化
処方を比べる視点麻杏甘石湯清肺湯などを比較します。高熱や息苦しさは医療確認を優先します。
疲労・慢性化

気虚(ききょ)体質の咳・喘息

肺と全身を支える気が不足し、風邪をひきやすい、咳が長引く、息切れしやすいタイプです。

咳・喘息と気虚体質のイメージ
確認するサイン疲労、息切れ、声に力がない、胃腸虚弱、風邪を繰り返す
処方を比べる視点補中益気湯人参養栄湯六君子湯などを体力と食欲から比較します。
粘膜の回復力低下

血虚(けっきょ)体質の咳・喘息

気道粘膜を養う血が不足し、風邪後の咳や喉の違和感、疲労、乾燥が長引きやすいタイプです。

咳・喘息と血虚体質のイメージ
確認するサイン顔色、めまい、不眠、疲労、喉の違和感、乾燥
処方を比べる視点加味帰脾湯十全大補湯麦門冬湯などを比較します。
長引く咳・こわばり

血瘀(けつお)体質の咳・喘息

血流が滞り、慢性化した気道の炎症、胸や背中のこわばり、肩こりと咳が続きやすいタイプです。

咳・喘息と血瘀体質のイメージ
確認するサイン慢性化、胸背部のこわばり、肩こり、頭痛、冷えのぼせ
処方を比べる視点桂枝茯苓丸料などを体質全体から比較します。胸痛や血痰は医療機関を優先します。
冷え・水滞

陽虚(ようきょ)体質の咳・喘息

体を温める力が不足し、冷気や雨天で咳・薄い痰・息切れが悪化しやすいタイプです。

咳・喘息と陽虚体質のイメージ
確認するサイン冷えると悪化、薄い痰、むくみ、下痢、疲労、胃腸虚弱
処方を比べる視点小青竜湯真武湯などを、冷え・水分代謝・持病から比較します。

咳は、期間と痰・呼吸の状態を分けて考えます

咳は気道に入った異物や分泌物を外へ出す反射です。長引く咳には、感染後咳嗽、喘息・咳喘息、上気道咳症候群、胃食道逆流症、薬剤性咳嗽、COPD、間質性肺炎など、複数の原因が関係します。

乾燥空咳・喉の刺激

喉や気道が乾き、会話や冷気で咳が誘発される場合は、粘膜の状態を確認します。

色・量・粘り

透明で薄い痰か、黄色く粘る痰か、血が混じるかで確認すべき病態が変わります。

呼吸喘鳴・息苦しさ

ゼーゼー、胸苦しさ、夜間・明け方の悪化がある場合は、喘息等の医療評価を優先します。

咳・喘息で生活上確認したいこと

咳の時間ときっかけを記録する

夜間、明け方、会話、運動、冷気、食後、横になった時など、咳が出る条件を記録します。

痰の状態を確認する

色、量、粘り、におい、血の混入を確認します。血痰や急な変化は医療機関へ相談してください。

乾燥と刺激を避ける

喫煙・受動喫煙、ほこり、香料、冷たい空気、室内の乾燥が咳を誘発する場合があります。

治療薬を自己判断で止めない

吸入薬や処方薬は自己判断で中止せず、漢方を検討する際も使用中の薬を伝えます。

咳・喘息のよくある質問

咳・喘息には、どの漢方薬が使われますか?

麦門冬湯、小青竜湯、麻杏甘石湯、清肺湯、神秘湯、半夏厚朴湯、補中益気湯、人参養栄湯などが比較されます。ただし、乾いた空咳か、透明で薄い痰か、黄色く粘る痰か、夜間の咳、喉のつかえ、風邪後の長引く咳、持病、服用薬によって判断が変わります。強い息苦しさ、喘鳴、胸痛、血痰、高熱がある場合は医療機関での確認を優先します。

乾いた空咳には、どのような漢方薬を比較しますか?

喉や気道の乾燥、会話や冷気で誘発される空咳、痰が少なく切れにくい咳では、麦門冬湯などを比較します。口渇や熱感が強い場合は別の処方も検討します。長引く場合は咳喘息、感染後咳嗽、胃食道逆流症などの確認も必要です。

痰が多い咳は、どのように分けますか?

透明で水っぽい痰と鼻水があり、冷えで悪化する場合は湿痰・陽虚を確認します。黄色く粘る痰、熱感、強い咳がある場合は炎症や感染症を確認します。痰の色、量、におい、血の混入を記録してください。

緊張や会話で咳が出ることはありますか?

あります。喉や胸の緊張、喉のつかえ感、不安やストレスが重なると咳が誘発されることがあります。神秘湯や半夏厚朴湯などを比較する場合がありますが、喘息や気道疾患が隠れていないかを先に確認します。

風邪の後に咳だけが長引く場合、漢方だけで様子を見てもよいですか?

数日で軽くなる咳とは分けて考えます。3週間以上続く咳、繰り返す咳、夜間・明け方の咳では、感染後咳嗽、咳喘息、喘息、後鼻漏、胃食道逆流症などの確認が必要です。医療機関で原因を確認したうえで体質に合う漢方を検討します。

喘息の吸入薬と漢方薬は併用できますか?

併用できる場合がありますが、吸入ステロイドや気管支拡張薬を自己判断で中止しないでください。使用中の吸入薬、内服薬、発作時薬、持病を医師または薬剤師へ伝え、甘草や麻黄を含む処方の重複にも注意します。

咳が出る時に、すぐ受診した方がよい症状は何ですか?

強い息苦しさ、会話困難、横になれない呼吸苦、唇や顔色の異常、胸痛、血痰、高熱、意識がぼんやりする症状は緊急性があります。喘息発作が普段より強い場合も、漢方や市販薬だけで様子を見ないでください。

咳と胃食道逆流症は関係しますか?

胃酸や胃内容物の逆流が喉や気道を刺激して、咳の原因になることがあります。胸やけ、酸っぱいものが上がる、食後や横になると咳が増える場合は医療機関へ相談してください。処方薬を自己判断で中止しないことも重要です。

相談データの割合は、AI診断データと比較できますか?

直接比較できません。KanpoNow AI漢方診断データと、堀口先生の過去の相談・初期処方選定データは別母集団です。今回の原文確認済み相談群は5件で、30件未満のため相談グラフや処方ランキングは掲載していません。

AI漢方診断では、咳・喘息について何を確認しますか?

咳の期間、乾いた咳か痰を伴うか、痰の色と量、夜間・明け方の悪化、喘鳴、息苦しさ、鼻炎・後鼻漏、喉の乾燥、食後との関係、冷え、疲労、ストレス、持病、服用薬を確認します。緊急症状や治療中喘息がある場合は医療機関を優先します。

受診の目安

咳が3週間以上続く、繰り返す、夜間・明け方に悪化する場合は、原因を医療機関で確認してください。強い息苦しさ、会話困難、胸痛、血痰、高熱、顔色不良がある場合は速やかな受診が必要です。

参考・出典

スマートフォンでAI漢方診断を行うイメージ

咳・喘息に合う漢方を、症状と体質から確認する

咳の期間、痰の色と量、夜間・明け方、喘鳴、息苦しさ、鼻炎、後鼻漏、喉の乾燥、食後との関係、冷え、疲労、ストレス、持病、服用薬まで含めて確認します。

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※本ページは一般的な情報提供を目的とし、個別の診断や治療に代わるものではありません。喘息・咳喘息の吸入薬や処方薬を使用中の方、持病がある方、妊娠中・授乳中の方、小児、高齢の方は、自己判断で薬を開始・中止せず医師または薬剤師へ相談してください。

監修者プロフィール
堀口和彦

堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師

光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。

著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。