むくみに漢方|足のむくみ・顔の腫れ・水太りを体質別に考える

監修:堀口和彦|更新日:2026-06-22

夕方になると靴がきつい。朝起きると顔やまぶたが腫れている。足が重だるい。水太りのように体が重い。

むくみは、体の中の水分がうまく巡らず、足、顔、まぶた、手指、下半身などに停滞した状態です。医学的には浮腫と呼ばれ、組織のすき間に余分な体液がたまった状態として考えます。

漢方では、むくみを単に「水を抜けばよい状態」とは考えません。気・血・水・精のバランスが崩れ、水を動かす力、温める力、巡らせる力、排出する力が乱れた結果として見ます。

同じむくみでも、足がパンパンになる湿痰タイプ、熱感や便秘を伴う湿熱タイプ、冷えのぼせや肩こりを伴う血瘀タイプ、疲労や胃腸虚弱を伴う気虚タイプでは、合う漢方薬も養生も変わります。

あなたに合うむくみの漢方がわかる

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KanpoNow診断データで見るむくみの傾向

直近30日

7,676件

KanpoNowで行われたAI漢方診断の件数です。

むくみ症状

1,373件・18%

症状ランキングでは4位。相談が多い症状です。

下半身のむくみ

3,988件・52%

約2人に1人が、下半身のむくみやすさを自覚していました。

相談者の傾向

女性94%・平均47歳

40代・50代の女性に多い傾向がありました。

数字から分かること

「むくみ」を症状として選んだ方は18%ですが、「下半身がむくみやすい」と答えた方は52%でした。

つまり、本人は「むくみが主な悩み」と思っていなくても、体質としては水分が下半身にたまりやすい方が多いということです。

むくみ体質 1

湿痰 19%

余分な水分や濁りが体に停滞し、足のむくみ、水太り、重だるさにつながりやすい体質です。

むくみ体質 2

血瘀 15%

血流が滞り、骨盤内や下半身の巡りが悪くなり、冷えのぼせや足のむくみにつながりやすい体質です。

あなたのむくみは、水の停滞でしょうか。血流の滞りでしょうか。

足のむくみ、顔の腫れ、水太り、冷え、のぼせ、便秘、疲労感、睡眠まで含めて確認します。

むくみ体質を確認する

目次

  1. KanpoNow診断データで見るむくみの傾向
  2. むくみとは
  3. なぜむくみが起こるのか
  4. 漢方では「水毒・水滞」として見る
  5. むくみを8つの体質で見る
  6. 体質別むくみページへの案内
  7. 湿痰体質:水太り・下半身の重だるさ
  8. 湿熱体質:熱と炎症を伴うむくみ
  9. 血瘀体質:血行不良によるむくみ
  10. 血虚体質:栄養不足とむくみ
  11. 気虚体質:水を動かす力の不足
  12. 陽虚体質:冷えとポンプ機能低下
  13. 気滞体質:ストレスで水が滞る
  14. 陰虚体質:潤い不足と排尿の乱れ
  15. 性別・年代・職業・睡眠から見るむくみ
  16. むくみを整える生活養生
  17. 関連ページ
  18. よくある質問
  19. 受診の目安
  20. 参考・出典
  21. 体質チェックへ

むくみとは

むくみとは、血管の外側にある組織のすき間に、余分な水分がたまった状態です。足、顔、まぶた、手指、下半身などに出やすく、夕方に靴がきつい、朝に顔が腫れぼったい、足が重だるい、指輪が抜けにくいといった悩みとして現れます。

むくみは、長時間の立ち仕事や座り仕事、塩分の多い食事、飲酒、睡眠不足、運動不足でも起こります。一方で、心臓、腎臓、肝臓、甲状腺、静脈やリンパの病気、薬の影響などが関係することもあります。急なむくみや片側だけの腫れは注意が必要です。*①②③

「むくみ=利尿」「むくみ=水を飲めばよい」ではありません。

漢方では、むくみの背景にある冷え、熱、血の滞り、気の不足、ストレス、胃腸の弱りを見ます。水を出すだけでなく、水を巡らせる力を整えることが大切です。

なぜむくみが起こるのか

東洋医学では、身体を構成する気・血・水・精のバランスが崩れると、病気や不調が起こると考えます。むくみは、このうち「水」の巡りが悪くなり、体内に余分な水分が停滞した状態です。

1 水を作りすぎる

冷たい飲食物、食べすぎ、胃腸の弱りにより、処理しきれない水が体内に残ります。これが湿や痰に変わります。

2 水を動かせない

気の不足、冷え、運動不足、血流低下により、水を尿や汗として出す力が弱くなります。

3 水が下にたまる

水は冷えやすく、下にたまりやすいと考えます。足、下半身、まぶた、手指にむくみが出やすくなります。

特に下半身のむくみでは、ふくらはぎや太ももの筋肉のポンプ作用、骨盤内の血流、そけい部のリンパや静脈の流れが重要です。長時間同じ姿勢が続くと、血液やリンパが戻りにくくなり、夕方の足のむくみにつながります。

漢方では「水毒・水滞」として見る

漢方では、体内の水分は必要な場所を潤し、不要なものは尿や汗として排出されると考えます。この水の巡りが悪くなり、体内に余分な水が停滞した状態を、水毒、水滞、湿、痰などとして考えます。

水は、冷やす性質と下にたまりやすい性質を持つと考えます。そのため、冷えや代謝低下がある方では、足や下半身にむくみが出やすくなります。一方で、熱や炎症を伴う方では、顔が赤く腫れぼったい、喉が渇く、便秘があるといったむくみになることもあります。

むくみの出方 漢方で見たい背景 よくある体質
足がパンパン、下半身が重い 水分代謝が悪く、湿や痰が停滞 湿痰
熱感・喉の渇き・便秘を伴う 湿と熱がこもり、炎症を伴う 湿熱
冷えのぼせ、肩こり、足のむくみ 血の巡りが悪く、リンパや静脈も滞る 血瘀
色白、貧血気味、疲れやすい 血が不足し、水を血管内に保つ力が弱い 血虚
疲れるとむくむ、胃腸が弱い 水を動かす気が不足 気虚
芯から冷え、夜間尿や腰痛がある 陽気が不足し、水を巡らせる力が弱い 陽虚
ストレスで張る、尿がすっきり出ない 気が滞り、水の巡りも止まる 気滞
ほてり、口渇、排尿の乱れを伴う 潤い不足と虚熱で水のさばきが乱れる 陰虚

むくみを8つの体質で見る

むくみでは、特に湿痰、気虚、陽虚、血瘀が関係しやすくなります。熱感や便秘を伴う場合は湿熱、貧血傾向や冷えを伴う場合は血虚、排尿異常やほてりを伴う場合は陰虚、ストレスで張る場合は気滞も関係します。

水太り・下半身

湿痰

水分代謝が悪く、足のむくみ、重だるさ、水太りが目立つタイプです。

熱感・便秘

湿熱

湿と熱がこもり、腫れぼったさ、喉の渇き、便秘を伴うタイプです。

巡り・冷えのぼせ

血瘀

血の巡りが悪く、骨盤内や下半身のむくみが出やすいタイプです。

貧血気味・冷え

血虚

血が不足し、水分が外に漏れやすく、冷えや疲れを伴うタイプです。

疲労・胃腸虚弱

気虚

水を動かすエネルギーが不足し、だるさとむくみが出るタイプです。

芯から冷える

陽虚

体を温める力が弱く、下半身のむくみや夜間尿が目立つタイプです。

ストレス・張り

気滞

気の巡りが滞り、水も停滞し、腹部膨満感や尿の出にくさが出るタイプです。

排尿異常・ほてり

陰虚

潤い不足と虚熱があり、水のさばきが乱れやすいタイプです。

あなたの体質に合ったむくみの漢方が分かります。

むくみは「足だけ」「顔だけ」ではなく、冷え・熱・便通・尿・疲労・睡眠まで見て判断します。

あなたに合うむくみの漢方がわかる

更年期世代のむくみについては、より詳しい体質別ページも用意しています。40代後半〜50代以降のむくみ、ホットフラッシュ、冷えのぼせ、不眠、イライラなどが重なる方は、以下のページも参考にしてください。

1. 水太り・下半身の重だるさ

湿痰(しったん)体質のむくみ

湿痰は、体内の水はけが悪く、余分な水分や濁りが停滞しやすい体質です。足のむくみ、下半身の重だるさ、水太りとして現れやすいタイプです。

病態の考え方

胃腸の働きや代謝が落ちると、水分をうまく処理できなくなります。処理しきれない水が体内に残り、湿や痰として停滞します。

湿痰タイプでは、水が冷えを呼び、冷えがさらに水を動きにくくする悪循環が起こりやすくなります。特に下半身に水がたまり、足がパンパンになる、体が重い、雨の日に不調が出るといった特徴があります。

見られやすい症状

漢方の考え方・処方例

水太り、汗をかきやすい、疲れやすい、下半身が重だるいむくみでは、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)などが検討されることがあります。

水分代謝を整え、口渇、尿量の乱れ、頭重感、めまいなどを伴うむくみでは、五苓散(ごれいさん)などを考えることがあります。

胃腸が弱く、お腹の張りとともにむくみがある場合には、補気建中湯(ほきけんちゅうとう)などを検討することがあります。

更年期世代で、足がパンパン・下半身が重い方は、更年期むくみの湿痰タイプも参考にしてください。

養生のポイント

湿痰タイプでは、冷たい飲み物、水のガブ飲み、甘いもの、食べ過ぎがむくみを悪化させることがあります。温かいものを少しずつ飲み、胃腸を冷やさないことが大切です。

2. 熱と炎症を伴うパンパンなむくみ

湿熱(しつねつ)体質のむくみ

湿熱は、余分な水分と熱が結びついて停滞している体質です。腫れぼったい、熱感がある、喉が渇く、便秘がある、顔が赤いといった形で現れます。

病態の考え方

湿熱では、体内に余分な湿と熱がこもり、流通が悪くなります。新陳代謝する力はあっても、排泄が追いつかず、熱を帯びたむくみになりやすくなります。

便秘、飲酒、脂っこい食事、夜食、運動不足が重なると、湿熱が強まり、顔や手足がパンパンに感じられることがあります。

見られやすい症状

漢方の考え方・処方例

余分な熱と老廃物を便や尿、汗から排出し、むくみや便秘を整える処方として、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)などが検討されることがあります。

むくみ、喉の渇き、汗、関節の腫れや痛み、熱感を伴う場合には、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)などを考えることがあります。

熱感・便秘・のぼせを伴う更年期世代の方は、更年期むくみの湿熱タイプも参考にしてください。

養生のポイント

湿熱タイプでは、飲酒、夜食、脂っこい食事、便秘がむくみを悪化させることがあります。まずは便通を整え、夕食を軽めにし、体に熱と湿をため込まないことが大切です。

3. 血行不良によるむくみ

血瘀(けつお)体質のむくみ

血瘀は、血の巡りが滞りやすい体質です。骨盤内や下半身の血行不良により、足の付け根、下半身、足先のむくみとして現れることがあります。

病態の考え方

血の巡りが悪くなると、静脈やリンパの流れも滞りやすくなります。特に骨盤内の巡りが悪いと、足の付け根であるそけい部周辺の流れが悪くなり、下半身のむくみにつながります。

血瘀タイプでは、顔はのぼせるのに足は冷える、肩こりや頭痛が強い、シミやくすみが目立つといった巡りの偏りが見られます。

見られやすい症状

漢方の考え方・処方例

血の巡りを整え、のぼせと足の冷え、肩こり、下腹部の張りを伴うむくみでは、桂枝茯苓丸料(けいしぶくりょうがんりょう)などが検討されることがあります。

便秘や下腹部の張り、骨盤内の滞りが強い場合には、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)通導散(つうどうさん)などを考えることがあります。

冷えのぼせ・肩こり・足のむくみが重なる方は、更年期むくみの血瘀タイプも参考にしてください。

養生のポイント

血瘀タイプでは、足だけでなく骨盤まわりを動かすことが大切です。股関節の屈伸、ウォーキング、入浴、そけい部や膝裏のやさしいケアで、下半身の巡りを整えましょう。

4. 栄養不足と水分停滞の合併

血虚(けっきょ)体質のむくみ

血虚は、心身を養う血が不足しやすい体質です。貧血気味、冷え、疲れやすさ、めまい、立ちくらみを伴うむくみとして現れることがあります。

病態の考え方

血が不足すると、体に酸素や栄養を届ける力が弱くなります。また、血管内に水分を保つ力も弱まり、水分が細胞の間に漏れ出しやすくなると考えます。

血虚タイプでは、ただ水を出すだけでなく、血を補い、巡りを整えながら余分な水をさばくことが大切です。

見られやすい症状

漢方の考え方・処方例

血を補って巡りを良くしながら、体内の余分な水分をさばく処方として、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などが検討されることがあります。

疲労感が強く、気血ともに不足している場合には、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などを考えることがあります。

色白・貧血気味・疲れやすい更年期世代の方は、更年期むくみの血虚タイプも参考にしてください。

養生のポイント

血虚タイプでは、むくみがあるからといって食事を抜くと、さらに血が不足して疲れやすくなります。消化に良く、温かく、血を養う食事を意識しましょう。

5. 水を動かすエネルギー不足

気虚(ききょ)体質のむくみ

気虚は、生命エネルギーである気を作る力が不足しやすい体質です。むくみでは、水を巡らせ、尿や汗として押し出す力が足りない状態として現れます。

病態の考え方

気には、水を動かす力があります。胃腸が弱く、気を十分に作れないと、水分が体内で停滞しやすくなります。

気虚タイプでは、むくみに加えて、疲れやすい、食欲がない、だるい、風邪を引きやすいといった症状が目立ちます。水を抜くことだけでなく、気を補うことが必要になります。

見られやすい症状

漢方の考え方・処方例

気を補いながら水分代謝を促す処方として、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などが検討されることがあります。

お腹の張り、胃腸虚弱、腹部膨満感を伴うむくみでは、補気建中湯(ほきけんちゅうとう)なども候補になります。

養生のポイント

気虚タイプでは、強い運動や極端な食事制限でさらに疲れてしまうことがあります。まずは胃腸を休ませ、短い散歩や軽い屈伸運動から始めましょう。

6. 冷えとポンプ機能低下によるむくみ

陽虚(ようきょ)体質のむくみ

陽虚は、体を温める力が不足しやすい体質です。芯からの冷え、夜間頻尿、腰痛、足腰の弱り、下半身のむくみとして現れることがあります。

病態の考え方

陽気は、体を温め、水を巡らせ、不要な水を排出する原動力です。陽気が不足すると、水を動かす力が弱くなり、冷えとむくみが重なります。

陽虚タイプでは、体のポンプ機能や代謝機能が弱り、水が下半身にたまりやすくなります。夜間頻尿、腰や膝の弱り、未消化便、めまいを伴うこともあります。

見られやすい症状

漢方の考え方・処方例

身体を温め、水分代謝を立て直す処方として、冷えやむくみ、めまい、下痢を伴う場合には、真武湯(しんぶとう)などが検討されることがあります。

下半身の冷え、夜間尿、しびれ、足腰の弱りがある場合には、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)八味地黄丸料(はちみじおうがんりょう)などを考えることがあります。

芯から冷える・夜間尿・腰痛を伴う方は、更年期むくみの陽虚タイプも参考にしてください。

養生のポイント

陽虚タイプでは、体を冷やすむくみ対策が合わない場合があります。冷たい飲み物、生野菜中心の食事、薄着を避け、お腹、腰、足首を温めましょう。

7. ストレスで水が滞る

気滞(きたい)体質のむくみ

気滞は、気の巡りが滞りやすい体質です。ストレス、緊張、胸や腹の張り、排尿のしづらさとともに水が停滞する形で現れることがあります。

病態の考え方

気は、水を動かす力でもあります。ストレスで気の巡りが悪くなると、水の巡りも連動して滞ります。

気滞タイプでは、むくみだけでなく、胸やお腹の張り、げっぷ、のどの違和感、イライラ、憂うつ感が目立ちます。考え込みや緊張が強いほど、体の流れも止まりやすくなります。

見られやすい症状

漢方の考え方・処方例

気の滞りと水の停滞を同時に整える処方として、腹部膨満感、排尿困難、むくみがある場合には、分消湯(ぶんしょうとう)などが検討されることがあります。

のどのつかえ感や不安感が強い場合には、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などを考えることもあります。

ストレスでお腹が張る・尿が出にくい方は、更年期むくみの気滞タイプも参考にしてください。

養生のポイント

気滞タイプでは、じっと考え続けるほど巡りが悪くなります。散歩、掃除、ストレッチ、深呼吸など、気を動かす行動を早めに入れることが大切です。

8. 潤い不足と排尿の乱れ

陰虚(いんきょ)体質のむくみ

陰虚は、体を潤し、熱を鎮める陰が不足しやすい体質です。むくみとは一見反対に見えますが、下半身や腎の働きが乱れることで、水のさばきが悪くなり、一部に水が偏ることがあります。

病態の考え方

陰虚では、潤い不足によって虚熱が生じ、手足のほてり、寝汗、口の渇き、イライラが出やすくなります。同時に、腎の水分調整が乱れると、頻尿や排尿困難、むくみが現れることがあります。

このタイプでは、ただ水を出すのではなく、潤いを補いながら余分な熱を冷まし、水のさばきを整えることが大切です。

見られやすい症状

漢方の考え方・処方例

腎の潤いを補い、虚熱を鎮めながら水分代謝を整える処方として、六味丸(ろくみがん)などが検討されることがあります。

ほてりや熱感が強く、排尿の乱れを伴う場合には、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)などを考えることがあります。残尿感や排尿の不調、不安感を伴う場合には、清心蓮子飲(せいしんれいしんいん)などを検討することもあります。

養生のポイント

陰虚タイプでは、汗をかいて水を出せばよいとは限りません。サウナ、長風呂、過度な発汗、辛いもの、夜更かしは潤いを消耗し、ほてりや不眠を悪化させることがあります。

むくみの漢方薬は、体質で選びます

「足がむくむから五苓散」「水太りだから防已黄耆湯」と一律に決めるのではなく、むくみの背景を確認することが大切です。

水太り・汗・疲れやすさ

湿痰・気虚を中心に見ます。

防已黄耆湯を見る
熱感・便秘・のぼせ

湿熱を中心に見ます。

防風通聖散を見る
冷えのぼせ・肩こり

血瘀を中心に見ます。

桂枝茯苓丸料を見る

性別・年代・職業・睡眠から見るむくみ

女性のむくみ

女性は月経周期、妊娠、出産、更年期など、ホルモン変動の影響で水分代謝や血流が揺らぎやすくなります。生理前にむくみやすい方、冷えのぼせや肩こりを伴う方では、血虚や血瘀、気滞の視点も重要です。

更年期以降にむくみが増えた方は、更年期のむくみに漢方で、ホルモン変動・自律神経・冷え・血流の観点から詳しく確認できます。

男性のむくみ

男性では、飲酒、塩分過多、過食、肥満、メタボリック傾向による湿熱タイプのむくみが目立つことがあります。夜間頻尿、下半身の冷え、足腰の弱りがある場合は、陽虚の視点も加えて見ます。

立ち仕事・デスクワークのむくみ

立ち仕事では、重力により血液やリンパが下半身に停滞しやすくなります。デスクワークでは、骨盤内やそけい部が圧迫され、下半身の巡りが悪くなります。どちらも、ふくらはぎ、股関節、そけい部を動かすことが重要です。

睡眠不足とむくみ

睡眠は、気血を養い、水分代謝を立て直す時間です。睡眠不足が続くと、気虚、血虚、陰虚が進み、翌朝になっても顔や足のむくみが取れにくくなります。

むくみを整える生活養生

1. 水分のガブ飲みを避ける

「むくみを取るには水をたくさん飲むべき」と考える方もいますが、すべての人に当てはまるわけではありません。湿痰や陽虚タイプでは、水分を処理する力が落ちているため、水のガブ飲みでかえってむくみが悪化することがあります。

喉が渇いたときに、温かいものや常温のものを少しずつ飲むことを意識しましょう。尿量、むくみ、冷え、胃もたれを見ながら調整することが大切です。

2. 静脈とリンパを流す運動をする

下半身のむくみでは、足だけでなく骨盤内やそけい部の流れも大切です。膝や股関節の屈伸、足首回し、つま先立ち、ウォーキングなどで、静脈血とリンパの流れを助けましょう。

3. 冷えを防ぐ

水は冷えるとさらに動きにくくなると考えます。冷たい飲み物、生野菜の多食、薄着、エアコンの冷気は、湿痰や陽虚タイプのむくみを悪化させることがあります。

首、手首、足首、お腹を冷やさないようにしましょう。特に足首と下腹部を温めることは、下半身の水分代謝を助けます。

4. 塩分・アルコール・夜食を見直す

塩分の多い食事、飲酒、夜遅い食事は、翌朝の顔のむくみや体の重だるさにつながることがあります。湿熱タイプでは、便秘や熱感も悪化しやすくなります。

5. 良質な睡眠を確保する

むくみ解消において、睡眠はとても重要です。横になることで下半身にたまった血液やリンパが戻りやすくなり、腎臓や肝臓による代謝も進みます。夜更かしを避け、睡眠時間を確保しましょう。

むくみの養生は、体質によって変わります。

水を出すべきか、温めるべきか、血を巡らせるべきか、気を補うべきか。まずは体質を確認してみましょう。

あなたに合うむくみの漢方がわかる

よくある質問

むくみには、どの漢方薬がよいですか?

むくみだからといって、すべての方に同じ漢方薬が合うわけではありません。水太りの湿痰、熱と便秘を伴う湿熱、血行不良の血瘀、貧血気味の血虚、芯から冷える陽虚、ストレスで張る気滞など、体質によって考え方が変わります。

むくみがあるときは、水をたくさん飲んだほうがよいですか?

体質によります。湿痰や陽虚タイプでは、水分を処理する力が落ちているため、冷たい水を大量に飲むと、むくみや冷えが悪化することがあります。喉が渇いたときに、温かいものを少しずつ飲むことをおすすめします。

夕方に足がむくむのは病気ですか?

長時間の立ち仕事や座り仕事、塩分、運動不足でも起こります。ただし、片側だけの腫れ、痛み、赤み、息切れ、胸痛、尿の異常などがある場合は、早めに医療機関を受診してください。

顔やまぶたのむくみも漢方で考えられますか?

考えられます。顔のむくみは、水分代謝の低下、湿熱、血虚、陽虚、睡眠不足、塩分や飲酒などが関係することがあります。ただし、急に強い顔のむくみが出た場合や、尿の異常を伴う場合は医療機関で確認してください。

むくみと水太りは同じですか?

完全に同じではありませんが、漢方ではどちらも湿痰や水滞として関連づけて考えることがあります。体重増加、下半身の重だるさ、冷え、汗をかきやすいなどがある場合は、水分代謝と胃腸の働きを整える視点が大切です。

更年期のむくみと普通のむくみは違いますか?

更年期のむくみでは、女性ホルモンの変動、自律神経の乱れ、冷え、のぼせ、血流低下、睡眠不足が重なりやすくなります。40代後半以降でむくみ方が変わった方は、更年期のむくみに漢方も参考にしてください。

受診の目安

以下のような場合は、体質によるむくみと決めつけず、医療機関を受診してください。

むくみは、体からの大事なサインです。

心臓、腎臓、肝臓、甲状腺、血栓、リンパ、薬の影響などが関係することもあります。急なむくみや強い症状がある場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。

参考・出典

体質チェックへ

むくみは、同じ「水がたまる」症状でも、体質によって考え方が変わります。

冷えて水が動かないのか、熱を帯びて腫れぼったいのか、血の巡りが悪いのか、気が不足して水を押し出せないのか。まずは自分の体質を知ることが、漢方選びの第一歩です。

むくみに合う漢方を、体質から確認する

足のむくみ、顔の腫れ、水太り、冷え、のぼせ、便秘、疲労感、睡眠、生活背景まで含めて確認します。

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※本ページは一般的な情報提供を目的としたものであり、医師・薬剤師等の専門家による個別の医療アドバイスに代わるものではありません。漢方薬は体質や症状、持病、服薬状況によって適否が異なります。持病がある方、服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は、自己判断で服用せず、事前に医師または薬剤師にご相談ください。急なむくみ、片側だけの腫れ、息切れ、胸痛、尿の異常などがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

監修者プロフィール
堀口和彦

堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師

光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。

著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。