十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)

「十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)」は、『和剤局方』に記載される代表的な補剤です。「気(エネルギー)」と「血(栄養・巡り)」の両方が不足した状態を総合的に立て直すために組み立てられました。

成分(生薬)

黄耆、桂皮、地黄、芍薬、川芎、蒼朮、当帰、人参、茯苓、甘草

漢方的な考え方

疲れやすく、顔色が冴えない、手足が冷えるといった症状を、単なる一時的な不調ではなく「生命を支える基盤が弱いサイン」ととらえます。

  • 疲労倦怠・体力低下:気血ともに不足し、休息をとても疲れが取れず、回復力が追いつかなくなっている状態。
  • 食欲不振・貧血傾向:消化吸収力が弱まり、エネルギーを作るため、全身に栄養が行きにくい状態。
  • 手足の冷え・ねあせ:体を温め、外部の刺激から守るバリア機能(気)が不足し、冷えや不必要な汗が出やすい状態。

構成生薬の役割

  • 気を補い消化を助ける:人参・黄耆(おうぎ)・茯苓・甘草・蒼朮が、胃腸を支えながら活力を補い、エネルギーの産生を助けます。
  • 血を養い巡りを指す:当帰(とうき)・地黄(じおう)・薬薬・川芎(せんきゅう)が不足した血をたっぷりと補給し、体のすみずみまで栄養を届けます。
  • 身体を温める巡りを正冷す:桂皮(けいひ)が全体を温めて巡りを加速させることで、取り除き、気血両面の回復を強力にサポートします。

効能・効果(添付文書)

体力虚弱なものの次の諸症:病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血

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堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

※本ページは一般的な情報提供を目的としています。個別の診断・治療を目的とするものではありません。