健診で繰り返し貧血を指摘され、更年期の不調もある相談
会社の健康診断で毎回、鉄欠乏性貧血を指摘されていました。更年期のイライラ、肩こり、不眠もあり、月経状況と体質を確認して初期処方が選定されました。

健診で貧血を指摘された。立ちくらみ、疲れ、息切れ、動悸、顔色の悪さがある。鉄剤を飲むと胃痛や便秘がつらい。
貧血は、血液が酸素を運ぶ力が不足した状態です。鉄欠乏だけでなく、月経過多や消化管出血、妊娠、慢性疾患、腎疾患、血液疾患などが原因になるため、まず血液検査と原因確認が必要です。
漢方では、検査と治療を続けたうえで、血の不足、胃腸の弱り、冷え、水分停滞、月経や出血、ストレスなどの随伴症状を整理します。
| 漢方薬 | 比較する状態 |
|---|---|
| 当帰芍薬散 | 冷え、立ちくらみ、めまい、むくみ、月経不順を伴う |
| 温経湯 | 手足の冷え、月経不順、乾燥、ほてりが重なる |
| 人参養栄湯 | 疲労、食欲不振、病後・術後の体力低下、冷えを伴う |
| 加味帰脾湯 | 不眠、不安、動悸、食欲低下、精神疲労が重なる |
| 芎帰膠艾湯 | 月経過多、不正出血、痔出血など出血傾向を伴う |
| 半夏白朮天麻湯 | 胃腸虚弱、頭重、ふらつき、むくみ、水分停滞が重なる |
| 柴胡桂枝乾姜湯 | 冷え、疲労、動悸、不眠、更年期前後の不調を伴う |
漢方薬は鉄剤、止血治療、婦人科・消化器科・血液内科などで行う原因治療の代わりではありません。検査値、出血原因、月経、胃腸、冷え、めまい、持病、服用薬を確認して比較します。
安静時の強い息切れ、胸痛、失神、意識の異常、歩けないほどのふらつき、黒色便・血便・吐血、急激な大量出血がある場合は、漢方を選ぶ前に速やかに医療機関へ相談してください。
月経量が非常に多い、妊娠中・産後、男性・閉経後の鉄欠乏、極端なヘモグロビン低値、体重減少、腎疾患・慢性炎症・血液疾患がある場合も原因確認を優先します。
貧血傾向と全身の状態をまとめて確認する
AI漢方診断であなたの漢方を見つける2026年6月25日集計の直近30日間のAI診断件数
「貧血」が選択された件数。全体の約2%、症状順位37位
体質チェックで「顔に血色がない」と回答。全体の約10%
男性6%、平均年齢45歳。50代31%、40代29%
AI診断内の体質割合は、気虚26%、血虚26%、湿痰15%、気滞12%、血瘀9%でした。
以下の堀口和彦先生の相談データとは別母集団です。両データは合算せず、割合も直接比較しません。
堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データを整備した「貧血症例」から、貧血を指摘された、顔色が悪い、立ちくらみ、疲れやすい、息切れなどが主要な相談テーマとして確認できた全11件を整理しました。
体質、併発症状、漢方薬は1人に複数記録される場合があります。
RAWデータ5ファイルから1,167件を抽出し、STRICT版で暫定統計候補131件を作成しました。その後、本人相談、現在性、検査・貧血指摘、出血背景、妊娠・産後、慢性疾患、鉄剤・薬剤背景、初期回答を基準照合し、採用した症例は原文を再確認して11件を公開統計母集団としました。初期処方を確認できた10件を処方選定集計に使用しています。代表相談例6件は、これらとは別症例です。
これは貧血の改善実績や治療効果を示すデータではなく、初期相談時の体質、併発症状、初期処方選定履歴です。
以下はカード表示専用の代表例です。統計・処方選定集計の分母には含めていません。個人が特定される情報、治療経過、効果を保証する表現は除いて要約しています。
会社の健康診断で毎回、鉄欠乏性貧血を指摘されていました。更年期のイライラ、肩こり、不眠もあり、月経状況と体質を確認して初期処方が選定されました。
長年、健診で軽度の貧血を指摘され、立ちくらみが増え、顔色の悪さと毎日のだるさを自覚していました。月経の変化も含めて、血を補い胃腸と月経を確認する処方が選定されました。
初期処方選定:温経湯
健診で貧血を指摘され、頻繁なふらつきと、ときどき回転するめまいがありました。睡眠不足で悪化しやすく、むくみや頭重も確認して初期処方が選定されました。
初期処方選定:半夏白朮天麻湯
医療機関で鉄の吸収がよくない体質と説明され、顔や下肢のむくみが月経時に強くなっていました。血の巡り、水分停滞、月経との関連を確認して処方が選定されました。
病院で貧血を指摘され、朝起きるのがつらく、耳鳴りと聞き取りにくさがありました。子宮の既往も踏まえ、血流と全身の緊張を確認して初期処方が選定されました。
検査値は薬が必要なほどではないものの貧血の境界域と説明され、疲れやすさ、動悸、冷え、月経周期の変化がありました。気滞・気虚・血虚を確認して処方が選定されました。
貧血は血虚だけで決まりません。胃腸から血を作る力、冷え、月経・出血、水分停滞、ストレス、熱感などを標準8体質で整理します。

ストレスで気の巡りと胃腸機能が乱れ、食欲低下、不眠、胸のつかえ、月経前後の不調と貧血傾向が重なりやすい状態です。

血が不足し、顔色の悪さ、立ちくらみ、冷え、動悸、髪や爪の変化、不眠が出やすい状態です。実際の貧血は血液検査で確認します。

体を潤し鎮める力が不足し、口渇、乾燥、ほてり、寝汗、不眠が重なりやすい状態です。出血や低栄養の有無も確認します。

血の巡りが滞り、月経痛、経血の塊、下腹部痛、肩こり、冷えのぼせが重なりやすい状態です。多量出血は婦人科評価を優先します。

胃腸と活動のエネルギーが不足し、食欲低下、疲労、息切れ、回復力低下が出やすい状態です。

余分な水分が胃腸や頭部に停滞し、胃もたれ、むくみ、頭重、ふらつき、食後のだるさが出やすい状態です。

体を温め動かす力が不足し、強い冷え、低血圧、下痢、足腰の弱り、慢性疲労が重なりやすい状態です。

余分な水分と熱がこもり、皮膚炎、ほてり、口の苦味、便秘、月経前後の不調が重なりやすい状態です。貧血そのものとは分けて考えます。

貧血は、赤血球やヘモグロビンが不足し、全身へ酸素を運ぶ力が低下した状態です。立ちくらみ、疲労、息切れ、動悸、頭痛、顔色不良などが出ることがありますが、症状だけでは確定できません。
ヘモグロビン、赤血球数、MCVなどから、貧血の有無と種類を確認します。
フェリチン、血清鉄、総鉄結合能などから鉄欠乏を確認します。
月経・出血、食事、吸収、妊娠、腎臓、炎症、血液疾患、薬剤などを確認します。
鉄剤や婦人科・消化器科などの治療を自己判断で中止せず、検査値を継続して確認します。
赤身肉、魚、卵、豆類などを、胃腸に合わせた量と調理法で摂ります。
月経量、出血期間、黒色便・血便、鉄剤による便秘などを記録し、受診時に伝えます。
息切れや動悸が強い時は無理な運動を避け、原因治療と休養を優先します。

※本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、医師・薬剤師による個別の診断・治療に代わるものではありません。漢方薬は鉄剤、止血治療、婦人科・消化器科・血液内科等での原因治療の代わりではありません。持病、妊娠・授乳、服用薬、検査値によって適否は異なります。安静時の強い息切れ、胸痛、失神、意識障害、黒色便・血便・吐血、急激な大量出血などがある場合は速やかに医療機関へ相談してください。
光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。
著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。