首・肩・背中が長年こり、頭重感と冷えもある
長年にわたり首、肩、背中がこわばり、後頭部の圧迫感や頭重感もありました。夏は頭部や脇の発汗が多い一方、冬は体の芯から冷え、婦人科手術歴もあったため、冷えと熱の偏り、疲労、ホルモン変動を合わせて確認した例です。
首筋がパンパンに張る。肩甲骨や背中まで重い。マッサージをしても、すぐに戻ってしまう。
更年期の肩こりは、女性ホルモンの変動だけでなく、ストレス、睡眠の乱れ、冷え、発汗、長時間の同じ姿勢、眼精疲労などが重なって起こることがあります。
漢方では肩だけを見ず、緊張で張るのか、血の巡りが滞っているのか、疲労や胃腸の弱りがあるのか、むくみや頭重感を伴うのかを確認して体質を比較します。
同じ肩こりでも、確認する体質が違います
実際には複数の体質が重なるため、「肩こり」という症状名だけで漢方薬を決めないことが重要です。
急な強い痛み、胸痛、息切れ、片側のしびれ・脱力がある場合は、漢方より先に受診してください。
肩が上がらない、着替えが難しい、夜間痛が強い場合も、単なる肩こりではなく肩関節や頸椎の病気が関係することがあります。
更年期は、閉経を挟む前後およそ10年間を指します。この時期には、肩こり、腰痛、手足の痛み、疲労、発汗、冷え、睡眠の乱れなど、さまざまな症状が現れることがあります。
ただし、肩こりは更年期だけに特有の症状ではありません。若い頃から続いているこり、パソコン作業、姿勢、運動不足、精神的なストレス、冷房などが関係することもあります。症状が強い場合は、頸椎や肩関節などの病気がないか確認することも大切です。
「肩こり=更年期」と決めつけないでください。
いつから始まったか、首・肩・背中のどこがつらいか、腕が上がるか、しびれや頭痛を伴うかを確認すると、体質だけでなく受診の必要性も判断しやすくなります。
ストレス、食いしばり、不安、不眠などが重なり、力が抜けにくい状態です。
頭痛、冷えのぼせ、便秘、固定した痛みなど、血の巡りの偏りを確認します。
疲労、食欲低下、気力低下、睡眠不足など、回復力の不足を確認します。
胃もたれ、雨天時の悪化、体の重さなど、水分停滞の要素を確認します。
更年期には女性ホルモンが変動し、発汗、冷え、睡眠、気分などが不安定になります。これらが筋肉の緊張や疲労感と重なることがあります。
パソコンやスマートフォン、前かがみの姿勢が続くと、首から肩・背中にかけての筋肉へ負担がかかります。
不眠、寝汗、夜間頻尿などで睡眠が分断されると、肩まわりの緊張や疲労が翌朝まで残りやすくなります。
肩こりだけを我慢するのではなく、更年期症状が生活に支障を与えている場合は婦人科へ、肩関節の動きやしびれが問題となる場合は整形外科へ相談してください。
漢方では、肩こりの場所と感覚だけでなく、一緒に現れる不調を確認します。緊張で気が滞ると首筋が張りやすく、血の巡りが滞ると頑固な痛みや頭痛につながると考えます。
一方、気や血が不足すると筋肉を支えにくくなり、疲労や目の疲れと肩こりが重なります。余分な水分が停滞すると、頭重感、めまい、むくみを伴う重だるいこりとして現れることがあります。
体質は、1つにきれいに分かれるものではありません。
気滞に血虚が重なる、血瘀に湿熱が重なる、気虚に湿痰が重なるなど、複数の体質が同時に見られます。体質名だけで漢方薬を決めず、症状全体と服薬状況を確認します。
| 体質 | 肩こりの出方 | 一緒に出やすい不調 | 漢方で見るポイント | 詳しく見る |
|---|---|---|---|---|
| 気滞 | ストレスで首筋が張る | 不安、イライラ、不眠、喉のつかえ | 緊張と気の滞り | 気滞へ |
| 血虚 | 疲れると肩が重く、目も疲れる | 疲労、乾燥、めまい、眠りの浅さ | 筋肉を養う血の不足 | 血虚へ |
| 陰虚 | 過労や寝不足で悪化する | ほてり、寝汗、口渇、不眠 | 潤いと回復力の不足 | 陰虚へ |
| 血瘀 | 芯から重く、頑固に続く | 頭痛、冷えのぼせ、便秘、固定痛 | 血の巡りの滞り | 血瘀へ |
| 気虚 | 疲労で肩甲骨・背中までこる | 食欲低下、気力低下、息切れ | 筋肉を支える力の不足 | 気虚へ |
| 湿痰 | 頭・肩が重く、すっきりしない | めまい、むくみ、胃もたれ | 水分と痰の停滞 | 湿痰へ |
| 陽虚 | 冷えるとこわばり、温めると楽 | 手足・腰の冷え、頻尿、疲労 | 温め支える力の不足 | 陽虚へ |
| 湿熱 | 熱感と重だるさが混在する | 発汗、便秘、のぼせ、体重増加 | 余分な熱と水分 | 湿熱へ |
横にスクロールしてご覧いただけます。体質は複数重なることがあります。
気滞は、ストレスや緊張で気の巡りが滞った状態です。首筋が張り、肩をすくめるような姿勢が続き、考え事や不眠で悪化しやすくなります。
血虚は、筋肉や神経を養う血が不足した状態です。夕方に肩が重くなり、目の疲れ、めまい、乾燥、眠りの浅さが重なることがあります。
陰虚は、体を潤し、熱を落ち着かせ、休ませる力が不足した状態です。寝汗、口渇、ほてり、不眠があり、過労や睡眠不足で肩こりが抜けにくくなります。
血瘀は、血の巡りが滞った状態です。もんでも戻りやすい頑固な肩こり、頭痛、冷えのぼせ、便秘などが重なることがあります。
気虚は、心身を動かし回復させる気が不足した状態です。仕事や家事の後に肩甲骨や背中まで重くなり、休んでも回復しにくい形で現れます。
湿痰は、余分な水分や濁りが停滞した状態です。肩がずっしり重く、頭重感、めまい、むくみ、胃もたれが重なります。
陽虚は、体を温め支える力が不足した状態です。冬や冷房で肩がこわばり、手足や腰も冷え、疲れや頻尿が重なることがあります。
湿熱は、余分な水分と熱が停滞した状態です。暑がり、発汗、便秘、体重増加などがあり、首や肩に熱感と重だるさが出ることがあります。
肩こりに使われる漢方薬でも、緊張、冷え、疲労、頭痛、めまい、便通など、背景によって方向性は異なります。
| 漢方薬 | 比較するときの特徴 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| 柴胡桂枝乾姜湯 | 冷え、寝汗、口渇、神経過敏、頭痛、肩こり | 虚弱と冷え、上半身の熱感が混在するか |
| 温経湯 | 冷えのぼせ、乾燥、月経変化、頭痛、肩こり | 冷えと血・潤いの不足が重なるか |
| 加味逍遙散 | ストレス、気分の波、冷えのぼせ、肩こり、不眠 | 気滞と血虚が重なり、症状が揺れるか |
| 桂枝茯苓丸料 | 頑固な肩こり、頭痛、冷えのぼせ、むくみ | 血の巡りの滞りが中心か |
| 半夏白朮天麻湯 | 頭重感、めまい、胃腸虚弱、重だるい肩こり | 湿痰と胃腸の弱りがあるか |
| 柴胡加竜骨牡蛎湯 | 不安、動悸、不眠、便秘、緊張、肩こり | 比較的体力があり、心身の高ぶりが強いか |
鎮痛薬、筋弛緩薬、睡眠薬、降圧薬などは自己判断で中止・変更しないでください。
漢方薬を追加する場合も、甘草などの生薬の重複、血圧、心臓・腎臓・肝臓の病気、妊娠・授乳、ほかの薬との併用を確認する必要があります。
30~60分ごとに立ち、肩甲骨を寄せる、腕を上げる、首をゆっくり動かすなど、短い休憩を入れます。
画面の高さ、椅子、照明を調整し、目の乾燥や疲れが強い場合は眼科で確認します。
冷えでこわばる方は入浴や蒸しタオルを利用します。強い熱感や炎症がある場合は、無理に温め続けないでください。
寝汗、不眠、夜間頻尿がある場合は、肩こりだけでなく睡眠を妨げている症状への対策が必要です。
息を長く吐く、肩を下げる、顎の力を抜くなど、日中に力が入っていないかを確認します。
腕が上がらない、しびれや脱力がある、夜間痛が強い場合は、体操を続ける前に整形外科へ相談します。
一つに決めることはできません。ストレスで首筋が張る、頭痛や冷えのぼせを伴う、疲労や食欲低下が強い、むくみやめまいがあるなど、肩こりの出方と一緒に現れる症状から体質を比較します。
更年期には女性ホルモンの変動に加え、睡眠の乱れ、発汗や冷え、ストレス、長時間同じ姿勢を続けることなどが重なります。ただし、肩こりは更年期だけで起こる症状ではないため、姿勢や頸椎、肩関節、眼精疲労なども確認します。
考えられます。漢方では、緊張による気の滞り、血の巡り、水分停滞、疲労や胃腸の弱りなどを確認します。ただし、腕が上がらない、しびれや筋力低下がある場合は、先に整形外科で確認してください。
気滞、血虚、血瘀、湿痰などを比較します。締め付けられる頭痛、目の乾燥や疲労、首筋の張り、めまい、むくみなど、どの症状が中心かによって考え方が変わります。急な激しい頭痛や神経症状がある場合は受診が必要です。
寝具や睡眠姿勢に加え、不眠、歯ぎしり、冷え、寝汗、疲労回復の不足を確認します。漢方では気滞、血虚、陰虚、陽虚などを比較しますが、大きないびきや無呼吸、強い夜間痛がある場合は医療機関へ相談してください。
更年期の不調として肩や背中の痛み・こりが現れることはありますが、長時間のパソコン作業、姿勢、頸椎や肩関節の病気などでも起こります。疲労、胃腸、むくみ、頭重感を伴う場合は、気虚や湿痰なども比較します。
肩が上がらない、着替えが難しい、夜間痛が強い場合は、単なる肩こりではなく肩関節周囲炎などの可能性があります。自己判断で肩こりとして扱わず、整形外科へ相談してください。
併用できる場合はありますが、治療内容、持病、血圧、肝臓・腎臓の状態、現在の薬によって判断が必要です。処方薬を自己判断で中止・変更せず、漢方薬を追加する前に医師または薬剤師へ相談してください。
いいえ。処方件数は効果や推奨の順位ではありません。肩こりだけでなく、冷え、便通、睡眠、疲労、頭痛、むくみ、体力、服薬状況などを含めて選定された記録です。
肩や腕の動き、しびれ、痛みが中心なら整形外科、更年期症状が複数重なる場合は婦人科、胸痛や息切れがある場合は内科・循環器内科へ相談してください。
堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データを整備した「更年期症例」から、肩こりが主訴として分類された全41件を整理しました。
体質、併発症状、漢方薬は1人に複数記録される場合があります。
体質判定で最も多く確認されました。
体質判定で2番目に多く確認されました。
一緒に記録された症状で最も多い項目です。
初期回答の選定記録で最も多く確認されました。
※1人に複数の体質が記録されるため、合計は41件を超える場合があります。
※1人に複数の症状が記録されるため、合計は41件を超える場合があります。
※処方件数は効果や推奨の順位ではありません。相談時の肩こりの出方、体質、体力、便通、睡眠、服薬状況を含めた選定記録です。
長年にわたり首、肩、背中がこわばり、後頭部の圧迫感や頭重感もありました。夏は頭部や脇の発汗が多い一方、冬は体の芯から冷え、婦人科手術歴もあったため、冷えと熱の偏り、疲労、ホルモン変動を合わせて確認した例です。
些細なことを考え続けてイライラし、嫌な夢や中途覚醒もありました。起床時から首と肩がこることがあり、緊張、不眠、気分の波と肩こりの関係を確認した例です。
肩甲骨まわりのこりが強く、日中のだるさと眠気、寝汗、めまい、イライラ、便秘もありました。更年期に伴う自律神経の揺らぎと、疲労、冷え、血の不足を合わせて確認した例です。
肩こりと首こりに頭痛が重なり、夜中に何度も目が覚め、むくみもありました。若い頃から低血圧傾向があり、血の不足と巡り、自律神経の緊張を確認した例です。
痩せすぎ、疲労倦怠感、不安、不眠、気力低下に加え、肩こり、頻尿、フワフワするめまいがありました。低血圧傾向と胃腸・体力の弱りを中心に確認した例です。
1~2年ほど首、肩、背中のこりが続き、疲れやすく気力も低下していました。マッサージや整体だけでは変わりにくく、便通も3日に1回程度だったため、巡りと水分代謝、便通を合わせて確認した例です。
※この集計と相談例は、堀口和彦先生による「うち漢方/光和堂薬局」時代の漢方相談・処方選定データを、個人が特定されない形で公開用に匿名化・要約したものです。KanpoNow薬局の販売実績・改善実績を示すものではなく、特定の漢方薬の効果を保証するものでもありません。
更年期の肩こりは、同じ「肩がこる」でも、体質によって考え方が変わります。
首筋の張り、肩甲骨・背中の重さ、頭痛、眼精疲労、冷え、疲労、便通、睡眠まで含めて、自分の体質傾向を確認してください。
KanpoNowのAI漢方診断は、堀口先生の漢方相談・処方選定の考え方をもとに、症状と複数の体質傾向から漢方薬の候補を提案します。
AI漢方診断をする(無料)本ページは一般的な健康情報と、匿名化された過去の相談データをもとに漢方の考え方を紹介するものであり、診断・治療・服薬指示を目的とするものではありません。持病がある方、治療中の方、妊娠中・授乳中の方、ホルモン補充療法や鎮痛薬、筋弛緩薬、睡眠薬、降圧薬などを使用中の方は、自己判断で薬を中止・変更せず、医師または薬剤師へ相談してください。急な強い痛み、胸痛、息切れ、片側のしびれ・脱力、激しい頭痛がある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。
著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。