更年期の冷えに漢方|手足の冷え・冷えのぼせをを8つの体質から考える

更新日:2026年7月17日 監修:堀口和彦

更年期の手足や下半身の冷えに悩む女性

手足が氷のように冷たい。腰から下だけが冷えて重い。顔は熱くなるのに、お腹や太ももは冷たい。冬だけでなく、夏の冷房でもつらい。

更年期の冷えは、単なる寒がりだけではありません。女性ホルモンの変動、自律神経の揺らぎ、血流、水分代謝、胃腸の力、筋肉量、睡眠やストレスが重なり、全身の冷え、末端冷え、下半身の冷え、冷えのぼせとして現れることがあります。

漢方では「熱を作れない冷え」と「熱はあるのに巡らない冷え」を分け、8つの体質から比較します。温めるだけでよいのか、血や水を巡らせるのか、胃腸や体力を補うのかによって、選ぶ漢方薬が変わります。

手足・末端の冷え腰・下半身の冷え冷えのぼせむくみと重だるさ

更年期の冷えに合う漢方は「冷える場所+熱・むくみ・疲労」で選びます

  • 全身が芯から冷え、疲れや夜間尿があるなら、陽虚や気虚を比較します。
  • 手足が冷え、めまい、乾燥、顔色不良があるなら、血虚を比較します。
  • 顔はほてるのに、お腹・太もも・足が冷たいなら、血瘀、気滞、陰虚を比較します。
  • 下半身の冷えに、むくみや重だるさが重なるなら、湿痰を比較します。
  • 暑がり、多汗、過食、むくみの中に冷えが混在するなら、湿熱も確認します。

同じ「冷え」でも、補う、温める、巡らせる、水をさばく、緊張を緩めるなど、整え方は異なります。

片側だけが急に冷たい、白色・紫色になる、強い痛みやしびれがある、胸痛・息切れ・失神を伴う場合は、更年期の冷えと決めつけず医療機関へ相談してください。

強いだるさ、急な体重増加やむくみ、脱毛、動悸などが重なる場合は、貧血、甲状腺、血流、心臓・腎臓、膠原病、糖尿病などの確認が必要なことがあります。

更年期の冷えとは

冷え症は、周囲の人が寒さを感じない環境でも、手足や腰など特定の部位を本人が強く冷たいと感じ、生活上の苦痛になっている状態です。更年期には「腰や手足が冷えやすい」ことが症状の一つとして挙げられますが、冷えのすべてが女性ホルモンの低下だけで起こるわけではありません。

更年期では、ほてり・発汗と冷えが同時に出ることがあります。上半身は熱いのに下半身は冷たい、日中は汗をかくのに夜や冬は芯から冷えるなど、熱の偏りが目立つ点が特徴です。

体温計の数値と、本人が感じる冷えは別です。

平熱が正常でも手足だけがつらく冷えることがあります。一方、急な冷えや全身状態の変化は別の病気でも起こるため、冷える場所、左右差、皮膚の色、痛み、むくみ、動悸、体重変化まで確認します。

更年期の冷えに見られる4つの現れ方

産熱不足型

全身・芯から冷える

疲れやすい、食欲が弱い、低血圧、夜間尿などが重なる場合は、熱を作る力や内側から温める力を確認します。

末端型

手足・足先が冷たい

血の不足や巡り、筋肉量、長時間同じ姿勢、しもやけや皮膚色の変化を確認します。

下半身停滞型

腰・お腹・太ももが冷える

むくみ、重だるさ、頻尿、便通、骨盤内の巡り、水分代謝との関係を見ます。

冷えのぼせ型

顔は熱いのに足が冷える

ほてり、発汗、肩こり、イライラ、乾燥などを合わせ、熱と血流の偏りを確認します。

なぜ更年期に冷えやすくなるのか

1

体温調節が揺らぐ

女性ホルモンの変動に伴い、自律神経による血管の拡張・収縮や発汗の調節が不安定になり、ほてりと冷えが混在することがあります。

2

熱を作る力が低下する

食事量、胃腸機能、筋肉量、活動量、睡眠などが低下すると、体内で熱を作りにくくなります。無理な食事制限も冷えの一因になります。

3

血と水の巡りが偏る

長時間の座位・立位、むくみ、ストレス、骨盤内の巡りの低下などにより、熱が末端や下半身へ届きにくくなることがあります。

更年期の症状は、ホルモン変動だけでなく、体質、環境、仕事や家庭の負担、睡眠、病気、服薬などの影響を受けます。生活に支障がある場合は我慢せず、婦人科やかかりつけ医へ相談してください。

漢方では、冷えの「不足・滞り・偏り」を見ます

漢方では、冷えている部位だけでなく、熱を作れているか、血や水が巡っているか、上半身に熱が偏っていないかを見ます。冷えを強く感じても、温める処方だけが選択肢とは限りません。

  • 全身、手足、腰・お腹、下半身のどこが冷えるか
  • ほてり、発汗、寝汗と同時に出るか
  • むくみ、重だるさ、頻尿、めまいがあるか
  • 疲労、食欲、下痢・便秘など胃腸の状態
  • 肩こり、頭痛、月経歴、皮膚や髪の乾燥
  • ストレス、睡眠、季節、冷房、姿勢との関係

体質は1つではなく、複数重なることがあります。

気虚と陽虚、血虚と血瘀、気滞と湿痰などが重なると、全身の冷えと冷えのぼせ、むくみと乾燥など、一見反対の症状が同時に現れます。

更年期の冷えを8つの体質で見る早見表

更年期の冷えを考える8つの体質
体質 冷えの出方 一緒に出やすい不調 漢方で見るポイント 詳しく見る
気滞 ストレスで手足が冷える、症状に波がある イライラ、不安、喉・胸のつかえ 自律神経と気の巡り 気滞へ
陰虚 顔や手足はほてるのに、腹部や下半身が冷える 口渇、乾燥、寝汗、空咳 潤い不足と熱の偏り 陰虚へ
血虚 手足の末端が冷たい めまい、顔色不良、髪・肌の乾燥 全身を養う血の不足 血虚へ
血瘀 顔はのぼせるのに足が冷える 肩こり、頭痛、下腹部の張り、月経歴 血流と骨盤内の滞り 血瘀へ
気虚 疲れるほど冷え、温まりにくい 食欲低下、息切れ、軟便、だるさ 胃腸と熱を作る力 気虚へ
湿熱 暑がり・多汗なのに下半身が冷える むくみ、過食、肌荒れ、体の重さ 熱と余分な水の停滞 湿熱へ
湿痰 下半身が冷えて重い、むくむ めまい、胃もたれ、体重増加 水分代謝と循環 湿痰へ
陽虚 全身や腰から下が芯から冷える 夜間尿、低血圧、腰膝のだるさ、下痢 内側から温める力 陽虚へ

横にスクロールしてご覧いただけます。体質は複数重なることがあります。

気滞体質でストレスによる冷えに悩む女性
ストレス・張り・症状の波

気滞体質|緊張で熱が末端へ届かない

気滞は、ストレスや緊張で気の巡りが滞った状態です。手足が急に冷える、冷えとほてりが交互に出る、胸やお腹が張るなど、気分や環境で症状が変わります。

見分けるヒントイライラ、不安、ため息、喉のつかえ、便通の乱れ、仕事や人間関係で悪化。
漢方で見るポイントほてり、疲労、月経歴、胃腸、睡眠を確認し、単に温めすぎないようにします。

比較される漢方薬:加味逍遙散柴胡桂枝乾姜湯など。

のぼせ、イライラ、肩こり、冷えが混在する場合は加味逍遙散、疲労や不安、不眠、冷えが重なる場合は柴胡桂枝乾姜湯などを比較します。

陰虚体質でほてりと冷えが混在する女性
乾燥・寝汗・冷えのぼせ

陰虚体質|潤い不足で熱が偏る

陰虚は、体を潤し熱を鎮める力が不足した状態です。顔や手足はほてるのに、お腹や下半身は冷たい、口や皮膚が乾く、寝汗があるといった形で現れます。

見分けるヒント口渇、乾燥肌、空咳、寝汗、手足のほてり、便が硬い。
漢方で見るポイント温めるだけで乾燥やほてりを強めないよう、潤いと血流を同時に見ます。

比較される漢方薬:温経湯白虎加人参湯など。

手足のほてりと下腹部の冷え、乾燥、月経歴が重なる場合は温経湯、強い熱感、口渇、発汗が中心の場合は白虎加人参湯などを比較します。

血虚体質で手足の冷えとめまいに悩む女性
末端冷え・めまい・乾燥

血虚体質|手足まで熱を運ぶ材料が不足する

血虚は、心身を養う血が不足した状態です。手足の冷えに、めまい、顔色不良、疲労、髪や肌の乾燥、眠りの浅さなどが重なります。

見分けるヒントやせ型、食事量が少ない、立ちくらみ、爪や髪の変化、唇の乾燥。
漢方で見るポイント胃腸が栄養を取り込めるか、出血や月経歴、貧血の検査状況も確認します。

比較される漢方薬:人参養栄湯加味帰脾湯など。

疲労、食欲低下、冷え、乾燥が目立つ場合は人参養栄湯、不眠、不安、動悸、胃腸の弱さも重なる場合は加味帰脾湯などを比較します。

血瘀体質で冷えのぼせに悩む女性
冷えのぼせ・肩こり・下腹部

血瘀体質|熱が上半身に偏り、足へ届かない

血瘀は、血の巡りが滞った状態です。顔は熱いのに足先は冷える、肩こりや頭痛が強い、下腹部が張るなど、上と下の温度差が目立ちます。

見分けるヒントシミやくすみ、固定した痛み、月経痛や筋腫の既往、足先の冷え。
漢方で見るポイント腹部所見、便秘、体力、熱感を確認し、血の巡りを整える処方を比較します。

比較される漢方薬:桂枝茯苓丸料桃核承気湯など。

冷えのぼせ、肩こり、下腹部症状が中心なら桂枝茯苓丸料、比較的体力があり、便秘、のぼせ、下腹部の圧痛が強い場合は桃核承気湯などを比較します。

気虚体質で疲労と全身の冷えに悩む女性
疲労・胃腸虚弱・温まりにくい

気虚体質|熱を作るエネルギーが不足する

気虚は、胃腸や体力が弱く、食事から熱を作る力が不足した状態です。疲れるほど冷え、食欲が落ちるとさらに温まりにくくなります。

見分けるヒント食欲低下、息切れ、声に力がない、軟便、朝からだるい、運動後に消耗する。
漢方で見るポイント冷えだけでなく、食事量、胃もたれ、下痢、睡眠、体重変化を確認します。

比較される漢方薬:人参湯十全大補湯など。

胃腸の冷え、食欲低下、軟便が目立つ場合は人参湯、気血の不足が強く、疲労、冷え、回復力低下がある場合は十全大補湯などを比較します。

湿熱体質で上半身の熱と下半身の冷えが混在する女性
暑がり・多汗・むくみ

湿熱体質|熱と余分な水が同時に停滞する

湿熱は、余分な水分と熱がこもった状態です。顔や上半身は暑く汗をかく一方、むくんだ下半身や末端は冷えることがあります。

見分けるヒント多汗、のぼせ、肌荒れ、過食、腹部脂肪、むくみ、体の重さ。
漢方で見るポイント冷えだけを温めず、熱、食生活、便通、水分代謝を合わせて確認します。

比較される漢方薬:女神散九味檳榔湯など。

のぼせ、発汗、イライラなど更年期の熱感が中心なら女神散、むくみ、腹部膨満、体の重さ、下半身の冷えが重なる場合は九味檳榔湯などを比較します。

湿痰体質で下半身の冷えとむくみに悩む女性
下半身・むくみ・重だるさ

湿痰体質|余分な水が下半身を冷やす

湿痰は、余分な水分や老廃物が停滞した状態です。足、太もも、腰が冷え、むくみ、重だるさ、めまい、胃もたれが重なります。

見分けるヒント雨天で悪化、着圧ソックスが必要、水太り、舌の歯痕、胃のチャプチャプ感。
漢方で見るポイント水分摂取量だけでなく、尿、発汗、胃腸、心臓・腎臓の状態を確認します。

比較される漢方薬:苓姜朮甘湯当帰芍薬散など。

腰から下が冷えて水分が停滞する場合は苓姜朮甘湯、冷え、むくみ、めまい、月経変化などが重なる場合は当帰芍薬散などを比較します。

陽虚体質で全身と腰から下の冷えに悩む女性
芯から冷える・夜間尿・腰膝

陽虚体質|内側から温める力が不足する

陽虚は、体を温め活動させる力が不足した状態です。全身や腰から下が芯から冷え、夜間尿、低血圧、腰や膝のだるさ、下痢などが重なります。

見分けるヒント温めると楽、朝が弱い、頻尿、夜間尿、足腰の弱り、冷たい飲食で悪化。
漢方で見るポイント年齢、胃腸、むくみ、しびれ、腎機能、服薬状況を確認します。

比較される漢方薬:八味地黄丸料牛車腎気丸など。

腰から下の冷え、頻尿、腰膝のだるさがある場合は八味地黄丸料、むくみ、しびれ、足腰の症状がより強い場合は牛車腎気丸などを比較します。

更年期の冷えで比較される漢方薬

漢方薬は「冷え」という症状名だけで選びません。体力、胃腸、ほてり、むくみ、便通、頻尿、月経歴、服薬状況を確認します。

冷えの出方 比較される漢方薬 確認したい症状
冷えのぼせ・イライラ 加味逍遙散温経湯 ほてり、発汗、肩こり、乾燥、月経歴
全身冷え・疲労・不眠 柴胡桂枝乾姜湯加味帰脾湯 不安、だるさ、食欲、睡眠、低血圧
末端冷え・めまい・むくみ 当帰芍薬散人参養栄湯 顔色、乾燥、月経、食欲、体格
下半身冷え・水分停滞 苓姜朮甘湯九味檳榔湯 むくみ、尿、腹部膨満、重だるさ
腰から下の冷え・頻尿 八味地黄丸料牛車腎気丸 夜間尿、腰膝、しびれ、胃腸

処方名は比較例です。体質、持病、併用薬によって適否が異なります。

複数の漢方薬を自己判断で重ねないでください。

甘草、麻黄、地黄、大黄などを含む処方は、体質や併用薬によって副作用や胃腸症状が出ることがあります。病院、市販、通販で使用している漢方薬やサプリメントを医師・薬剤師へ伝えてください。

更年期の冷えを生活で整える6つのポイント

1. お腹・腰・足首を守る

冷えのぼせがある人は上半身を厚着しすぎず、腹巻き、レッグウォーマーなどで下半身を中心に保温します。

2. 温かい食事を規則的に

食事を抜いたり、冷たい飲食物だけで済ませたりせず、汁物、煮物、穀類など胃腸に負担の少ない食事を取ります。

3. 水分を一気に飲まない

むくみや胃もたれがある場合は、冷水のがぶ飲みを避け、温かい飲み物を少量ずつ取ります。水分制限は自己判断で行いません。

4. 筋肉を無理なく使う

散歩、かかと上げ、軽いスクワット、足首回しなどを続けます。疲労が強い日は短時間にとどめます。

5. 同じ姿勢を続けない

長時間座る・立つ仕事では、1時間に一度を目安に足首や股関節を動かし、下半身の循環を保ちます。

6. 冷えの記録をつける

時間帯、季節、食事、睡眠、ストレス、ほてり、むくみとの関係を記録すると、体質や受診時の説明に役立ちます。

更年期の冷えについてよくある質問

更年期の冷えには、どの漢方薬がよいですか?

一つに決めることはできません。全身が芯から冷える、手足だけが冷える、下半身がむくんで冷える、顔は熱いのに足が冷えるなど、冷える場所と、疲労、乾燥、ほてり、むくみ、胃腸、頻尿を合わせて体質を比較します。

顔は熱いのに足が冷えるのは、なぜですか?

更年期の体温調節の揺らぎに加え、血流や自律神経の偏り、水分停滞などが関係することがあります。漢方では血瘀、気滞、陰虚などを比較し、足だけを温めるのではなく全身の巡りを確認します。

夏でも冷えるのは更年期の症状ですか?

冷房、薄着、冷たい飲食物、運動不足などに更年期の体温調節の揺らぎが重なり、夏でも手足やお腹が冷えることがあります。ただし、貧血や甲状腺など別の原因もあるため、強い症状が続く場合は受診してください。

冷えがあるときは水分を減らしたほうがよいですか?

自己判断で水分を制限しないでください。むくみや胃もたれがある人は、冷たい水の一気飲みを避け、温かい飲み物を少量ずつ取る方法があります。心臓や腎臓の病気がある場合は医師の指示を優先します。

冷え性でもホットフラッシュは起こりますか?

起こります。顔や上半身が急に熱くなる一方、お腹、太もも、足先は冷たいという人もいます。温めるだけでのぼせが強くなることがあるため、冷えと熱の両方を確認します。

運動をすれば冷えは改善しますか?

筋肉を使うことは熱産生や循環に役立ちますが、疲労や体力低下が強い人が激しい運動をすると消耗することがあります。散歩や足首運動などから始め、胸痛、息切れ、めまいがあれば中止して受診してください。

片方の手足だけが冷たい場合も更年期ですか?

片側だけの急な冷え、しびれ、強い痛み、白色や紫色への変化は、血流障害や神経の問題などを確認する必要があります。更年期と自己判断せず、早めに医療機関へ相談してください。

更年期の冷えは、婦人科と内科のどちらへ相談しますか?

ほてり、発汗、月経変化など更年期症状全体がある場合は婦人科が目安です。強いだるさ、むくみ、体重変化、動悸、息切れ、皮膚色の変化などがある場合は、内科やかかりつけ医にも相談してください。

医療機関へ相談したい目安

  • 片側の手足だけが急に冷たい、しびれる、痛む
  • 手足が白色・紫色になり、強い痛みを伴う
  • 胸痛、強い息切れ、動悸、失神がある
  • 発熱や震えるような悪寒が急に出た
  • 強いだるさ、急な体重増加、全身のむくみがある
  • 脱毛、便秘、眠気、体重増加などが急に目立つ
  • 冷えやしびれが進行し、歩行や日常生活に支障がある
  • 貧血、甲状腺疾患、糖尿病、膠原病、心臓・腎臓の病気がある

更年期症状全体は婦人科、全身のだるさや甲状腺・貧血などが気になる場合は内科、手足の色や血流の異常は循環器内科・血管外科、強いしびれや筋力低下は神経内科・整形外科が相談先の目安です。

参考・出典

  1. 厚生労働省「更年期」
  2. 日本女性医学学会「冷え」
  3. 日本女性医学学会「のぼせ」
  4. 日本女性医学学会「手足のしびれ・こわばり」
  5. PMDA「一般用医薬品・要指導医薬品 添付文書等情報検索」
  6. PMDA「医療用医薬品 添付文書等情報検索」
  7. 堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データ

堀口先生の相談データから見る、更年期冷えの特徴

堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データを整備した「更年期症例」から、冷えが主訴として分類された全52件を整理しました。

体質、併発症状、漢方薬は1人に複数記録される場合があります。

21件 気滞

体質判定で最も多く確認されました。

13件 血虚

次に多く確認された体質です。

14件 便秘・便通の乱れ

一緒に記録された症状で最も多い項目です。

14件 最多の選定記録

柴胡桂枝乾姜湯が最も多く記録されました。

体質判定

気滞
21件
血虚
13件
陰虚
12件
陽虚
11件
血瘀
9件
気虚
8件
湿熱
2件

※1人に複数の体質が記録されるため、合計は52件を超えることがあります。

冷えと一緒に記録された症状

便秘・便通の乱れ
14件
不安・緊張
11件
頭痛・頭重
11件
不眠
10件
首こり・肩こり
9件
皮膚のかゆみ
8件
疲労・気力低下
8件
口渇・乾燥
7件

初期回答で選定された漢方薬

柴胡桂枝乾姜湯
14件
温経湯
9件
九味檳榔湯
8件
桂枝茯苓丸料
7件
荊芥連翹湯
7件

※処方件数は効果や推奨の順位ではありません。相談時の体質、体力、便通、胃腸、睡眠、持病、服薬状況などを含めた選定記録です。

公開用に要約した代表相談例

気滞・血瘀・血虚を中心に考えた例|47歳女性

手足はほてるのに、お腹と太ももは冷たい

ホットフラッシュがあり、手のひらと足の裏はほてる一方、二の腕、お腹まわり、太ももは冷たく感じていました。イライラ、喉のつかえ、硬い便、体重増加も重なり、熱と冷えの偏り、自律神経、血の巡りを合わせて確認した例です。

選定記録にある漢方薬:加味逍遙散温経湯

陽虚・気虚を中心に考えた例|43歳女性

全身が冷え、疲れが取れず、むくみもある

全身の冷えと強い疲労感があり、体力低下、むくみ、抜け毛、乾燥肌、眠気、イライラが重なっていました。冷えだけでなく、熱を作る力、胃腸、睡眠、自律神経を確認した例です。

選定記録にある漢方薬:柴胡桂枝乾姜湯加味帰脾湯

ほかの相談例4件を見る

血虚・水分停滞を中心に考えた例|47歳女性

下半身の冷えに、足のむくみと耳鳴りが重なる

立ち仕事が続き、足のむくみと下半身の冷えが強く、耳鳴り、頭痛、便秘、生理前の不安感もありました。下半身の水分停滞と血の不足、自律神経の緊張を合わせて確認した例です。

選定記録にある漢方薬:柴胡桂枝乾姜湯当帰芍薬散

気虚・血虚を中心に考えた例|43歳女性

一年中手足が冷え、足腰がだるい

手足の冷えは一年中続き、足と腰のだるさもありました。事務仕事で座る時間が長く、睡眠は途中で目が覚める状態でした。末端の冷えだけでなく、胃腸から気血を作る力と睡眠を確認した例です。

選定記録にある漢方薬:人参養栄湯加味帰脾湯

血行と自律神経を中心に考えた例|43歳女性

低体温で、冬はしもやけになる

もともと低体温で冷えやすく、冬はしもやけができる一方、更年期にはほてりと中途覚醒、早朝覚醒がありました。冷えと熱の両方、自律神経、血流、便通を一緒に確認した例です。

選定記録にある漢方薬:柴胡加竜骨牡蛎湯女神散

気滞・湿痰を中心に考えた例|47歳女性

下腹部、お尻、太ももが冷たく感じる

40歳を過ぎてから、イライラ、首の後ろの発汗、生理周期の変化、息苦しさ、だるさ、過食が目立ちました。下腹部、お尻、太ももは触ると冷たいことが多く、冷たい飲食やストレスで不調が強くなるため、自律神経と水分代謝を確認した例です。

選定記録にある漢方薬:九味檳榔湯女神散

※この相談例は、堀口和彦先生による「うち漢方/光和堂薬局」時代の漢方相談・処方選定データを、個人が特定されない形で公開用に匿名化・要約したものです。KanpoNow薬局の販売実績・改善実績を示すものではなく、特定の漢方薬の効果を保証するものでもありません。

更年期の冷えは、同じ「冷たい」でも、体質によって考え方が変わります。

冷える場所、ほてり、むくみ、疲労、乾燥、胃腸、頻尿、睡眠まで含めて体質傾向を確認してください。

KanpoNowのAI漢方診断は、堀口先生の漢方相談・処方選定の考え方をもとに、症状と複数の体質傾向から漢方薬の候補を提案します。

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本ページは一般的な健康情報と、匿名化された過去の相談データをもとに漢方の考え方を紹介するものであり、診断・治療・服薬指示を目的とするものではありません。持病がある方、治療中の方、妊娠中・授乳中の方、ホルモン補充療法や漢方薬を使用中の方は、自己判断で薬を中止・変更せず、医師または薬剤師へ相談してください。片側だけの急な冷え、皮膚色の変化、強い痛みやしびれ、胸痛、息切れ、失神、発熱や強い悪寒がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

監修者プロフィール
堀口和彦

堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師

光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。

著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。