杏仁(きょうにん)
次の要点
- 杏仁(きょうにん)はアンズ(Prunus armeniaca など)の成熟種子から得た仁で、伝統的に止咳平喘・潤腸通便のはたらきが知られます。咳・咳や喘息様の症状、乾燥による便秘の改善を目指して配合されています。
- 内容は? アミグダリンなどのシアン配糖体、脂肪油(オレイン酸・リノール酸など)を含みます。
- 注意点 含有成分の特性上、過量は避けます。悪心・嘔吐などの不快症状が出るときは中止し、症状が強い・長い場合は参加を検討します。
杏仁の基礎データ
- 感想: きょうにん
- 基原・由来: アンズ(Prunus armeniaca L. など)またはチュウゴクアンの成熟種子の仁。日本薬局方に収載。
- 主成分:アミグダリンなどのシアン配糖体、脂肪油。
- 性味: 苦 / 微温 帰経: 肺・大腸。
伝統的な使われ方
咳嗽・喘促進・痰が絡む咳、胸のつかえに応用し、また乾燥による便秘の改善にも用いられてきました。 止咳・平咳を主眼に麻黄・石膏・甘草などとのほか、潤腸通便では麻子仁などの潤下薬と併用します。
この生薬を含む漢方薬の例
- 潤腸湯(じゅんちょうとう)(肩こり・便秘・皮膚など)
- 神秘湯(しんぴとう)(喘鳴・咳・気管支炎など)
- 清肺湯(せいはいとう)(たんの多く出るせき、気管支炎など)
- 続命湯(ぞくめいとう)(気管支炎・・頭重など)
- 麻子仁丸料(ましにんがんりょう)(頭重・便秘・食欲不振など)
安全性と受験の目安
通常の配合量では概ね安全とされていますが、悪心・嘔吐、めまい、しびれなどの不快な症状が出た場合は使用を中止してください。
- すぐ相談:息苦しさや強い胸痛、血痰、高熱が持続。
- 服薬中:他剤併用や基礎疾患があるときは、自己判断での継続・中止を避け、専門家へ。
※このページは一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の決定には医療専門家の判断が必要です。
よくある質問
Q.どんな体質・症状に向きますか?
A. 痰がからむ咳や喘息様の咳、胸のつかえに向きます。また乾燥傾向でコロコロした便の便秘にも応用されます。
Q. 苦杏仁(くきょうにん)と甜杏仁(てんきょうにん)は違いますか?
A. 従来、薬用には苦味のある苦杏仁を用い、食品としては甜杏仁(甘い品種)が使われてきました。
*参考・出典
- 公益社団法人 東京生薬協会「キョウニン(杏仁)」 ①
- ツムラ「漢方ビュー|生薬辞典:杏仁」 ②
- 富山大学 和漢医薬学総合研究所「伝統医薬DB:杏仁」 ③
- MSDマニュアル(呼吸器・消化器症状の注意点・参加目安)④