土鼈甲(どべっこう)

まずは要点

  • どんな生薬? 土鼈甲(どべっこう)はスッポン(Pelodiscus sinensis など)の甲羅(主に背甲)を乾燥した生薬で、伝統的に滋陰潜陽・軟堅散結・退熱除蒸のはたらきが知られます。陰虚の発熱や寝汗、しこり・腫瘤の傾向に応用されます。*①④
  • 中身は? カルシウム塩や膠質成分などを含み、古来滋陰・軟堅の目的で用いられてきました。*④
  • 注意点 長引く高熱・寝汗・体重減少、持続する出血、急速に大きくなるしこりは受診を。動物由来生薬のため由来・品質に留意し、自己判断での長期連用・過量は避けます。*④

土鼈甲の基礎データ

  • 読み方: どべっこう
  • 基原・由来: スッポン科(Pelodiscus 属等)の甲羅。地域によりアムールスッポンやシュレーゲルスッポンも用例。*④
  • 主要成分: カルシウム塩、膠質成分 など。*④
  • 性味: 鹹 / 微寒 帰経: 肝・腎。*④

伝統的な使われ方

滋陰潜陽・退熱除蒸により、陰虚発熱・骨蒸潮熱・盗汗などの虚熱症状に。軟堅散結として、肋下の痞硬や腹部のしこり、無月経・不正出血の体質傾向に応用され、処方では延年半夏湯・黄耆別甲湯・秦艽鼈甲湯・解労散・変製心気飲などに配合されます。*①④

この生薬を含む漢方薬例

  • 黄耆鼈甲湯
  • 秦艽鼈甲湯
  • 解労散
  • 変製心気飲

安全性と受診の目安

高熱が続く、寝汗と体重減少が顕著、しこり・腫瘤が急に大きくなる/痛む、不正出血が続く——こうした場合は医療機関へ。他剤併用や基礎疾患がある場合は専門家に相談してください。*④

  • すぐ相談: 39℃以上の発熱が持続、呼吸苦、強い胸痛、持続する出血。
  • 服薬中: 改善が乏しい/悪化する、胃腸の不調が強い場合は中止し受診。

※このページは一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の決定には医療専門家の判断が必要です。

よくある質問

Q. 亀板(きばん)との違いは?

A. どちらも滋陰目的の動物生薬ですが、土鼈甲はスッポン由来で滋陰潜陽・軟堅散結を重視、亀板(カメ由来)は滋陰補腎・強筋健骨の色合いがやや強いとされます。用途や配合は文献により異なります。*②⑤

Q. どんな体質・症状に向きますか?

A. 陰虚に伴う虚熱(寝汗・ほてり・午後の発熱)や、痞硬・しこり傾向が目立つ場合に。体力が極端に落ちている、原因不明の出血が続くなどの時は受診を優先します。*①④

*参考・出典

  1. 漢方薬のきぐすり.com「土別甲」
  2. イアトリズム事典「亀板」
  3. イアトリズム事典「鼈甲」
  4. 富山大学「伝統医薬DB:土別甲」
  5. 富山大学「伝統医薬DB:亀板」
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堀口和彦(漢方薬剤師) 監修:堀口 和彦(漢方薬剤師)

執筆: KanpoNow編集部

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