鹿茸(ろくじょう)
まずは要点
- どんな生薬? 鹿茸(ろくじょう)はシカ(Cervus spp.)の幼角(袋角)を乾燥した生薬で、伝統的に温補腎陽・益精血・強筋骨のはたらきが知られます。冷えや倦怠、腰膝のだるさ、排尿トラブルなど腎陽虚のサインに配合されます。*①②
- 中身は? タンパク質やコラーゲン様成分、脂質、ミネラルなどを含みます(加工・部位により組成は異なります)。*①
- 注意点 のぼせ・口渇・便秘などの熱証、高血圧や動悸・不眠が強い場合には不向きのことがあります。胸痛・息切れの急な悪化、排尿困難や血尿、発熱を伴う時は受診を検討します。*④
鹿茸の基礎データ
- 読み方: ろくじょう
- 基原・由来: シカ(Cervus spp., シカ科)の幼角。日本薬局方に収載(ラテン名例:CERVI CORNU PANTOTRICHUM)。*②
- 主要成分: タンパク質・コラーゲン様成分、脂質、ミネラル等。*①
- 性味: 甘・鹹 / 温 帰経: 腎・肝。*①
伝統的な使われ方
腎陽虚に伴う冷え・倦怠・腰膝のだるさ、頻尿・夜間尿、性機能の低下などに応用されます。地黄・山茱萸・山薬などと合わせて腎を補い、桂皮・附子など温陽薬と併用して回陽を助けます(右帰丸・右帰飲など)。*①②
この生薬を含む漢方薬例
- 右帰丸(うきがん)
- 参茸補血丸(じんじょうほけつがん)
安全性と受診の目安
動悸・胸痛、呼吸困難、強い頭痛や高熱、排尿困難や血尿、むくみの急激な悪化を伴う場合は医療機関に相談してください。持病(高血圧・心疾患・腎疾患)や他剤併用がある場合は専門家へ。自己判断での長期連用・過量は避けます。*④
- すぐ相談: 胸痛・息切れ、めまい・失神、血尿・排尿困難、発熱を伴う腰痛。
- 服薬中: 症状が改善しない/悪化する場合は受診。
※このページは一般的な情報提供を目的としています。診断や治療の決定には医療専門家の判断が必要です。
よくある質問
Q. 鹿角(ろっかく)や鹿角膠との違いは?
A. 鹿茸は幼角(袋角)で温補腎陽・益精血の力が強いとされます。鹿角(成長した角)や鹿角膠(ゼラチン化したもの)は収斂・補益の性質がやや異なります。*①②
Q. どんな体質・症状に向きますか?
A. 冷えや倦怠、腰膝のだるさ・痛み、頻尿・夜間尿など腎陽虚の傾向に向きます。のぼせ・口渇・便秘などの熱証が強い場合は不向きです。*①②
*参考・出典
- 富山大学 和漢医薬学総合研究所「伝統医薬DB:鹿茸」 ①
- 日本薬局方名称DB:鹿茸(CERVI CORNU PANTOTRICHUM) ②
- MSDマニュアル家庭版(泌尿器・心血管の受診目安) ④