膝痛に漢方|膝に水がたまる・冷えると痛い・変形性膝関節症を体質別に考える

更新日:2026年7月21日監修:堀口和彦

膝痛に悩む人の膝のイメージ

歩き始めに膝が痛む。階段や正座がつらい。膝に水がたまる。冷えや雨の日に重く痛む。

膝痛は、変形性膝関節症、半月板・靱帯の損傷、関節炎などの状態確認が重要です。そのうえで漢方では、腫れと水分停滞、熱を伴う炎症、冷え、血流、筋力低下、体重負荷を全身の体質と合わせて考えます。

歩き始めの痛み階段・正座膝の水冷え筋力低下体重負荷

漢方薬を比較するときのポイント

膝痛の出方 比較する処方 先に確認すること
膝に水がたまり、むくみ・重だるさがある 防已黄耆湯薏苡仁湯 変形、半月板・靱帯、尿量、心臓・腎臓の病気を確認します。
赤く腫れ、熱感や強い痛みがある 越婢加朮湯麻杏薏甘湯 感染、痛風、偽痛風、関節リウマチを先に確認します。
冷えると痛み、足腰が弱い 八味地黄丸料牛車腎気丸 排尿、しびれ、血流、腎機能、前立腺、服用薬を確認します。
慢性の固定痛、動き始めの痛み 疎経活血湯桂枝茯苓丸料 外傷歴、腫れ、血栓リスク、抗凝固薬を確認します。
虚弱、筋力低下、慢性関節痛 大防風湯当帰芍薬散 貧血、食欲、体重減少、リウマチ・がん治療を確認します。
体重負荷、便秘、熱こもり 防風通聖散大柴胡湯 体力、血圧、便通、脱水、ほかの下剤を確認します。

膝痛の漢方選びで最初に分けること

膝が赤く熱をもつのか、冷えると痛むのか、水がたまるのか、慢性的にこわばるのか、足腰の弱りがあるのかを分けます。外傷、発熱、歩行困難、急な腫れがある場合は、体質判定より医療機関での確認を優先します。

症状 × 体質から、あなたに合う漢方を見つけます。

先に医療機関へ相談したい膝痛

次の症状がある場合は、AI診断や漢方選びより受診を優先してください。

  • 膝が赤く腫れて熱をもち、発熱や強いだるさがある
  • 転倒や外傷後に変形、強い腫れ、体重をかけられない痛みがある
  • 膝がロックする、急に伸びない・曲がらない
  • ふくらはぎの片側だけが腫れ、胸痛や息苦しさがある
  • しびれ、麻痺、足先の冷感や色の変化がある
  • 安静時痛や夜間痛が続き、原因不明の体重減少がある
  • 関節リウマチ、痛風、人工関節、手術後などで治療中である

膝痛と全身の状態をまとめて確認する

AI漢方診断であなたの漢方を見つける

膝痛とは

膝痛は、立ち上がり、歩き始め、階段、正座、しゃがむ動作などで起こります。変形性膝関節症では、初期に動作開始時の痛みがみられ、進行すると階段や正座、歩行にも支障が出ることがあります。

整形外科で確認すること

腫れ、関節の動き、圧痛、変形、外傷歴を確認し、必要に応じてX線やMRIなどで原因を評価します。

漢方で確認すること

水分停滞、熱感、冷え、慢性化、筋力と体力、腰や足首の状態、体重、胃腸、排尿などを全身から確認します。

KanpoNow AI診断データで見る膝痛

7,580件

2026年6月25日時点の直近30日間の診断件数

122件

「膝痛」が選択された件数。全体の約2%

女性92%

男性8%、平均年齢53歳

50代39%

60代以上27%

AI診断で膝痛を選択した方の体質

気滞

22%
湿痰

20%
血瘀

16%
中庸

11%
陰虚

11%

2026年6月25日の既存ページ集計です。以下の相談データとは別母集団です。

堀口先生の相談・初期処方選定データ

堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データを整備した「膝痛症例」から、膝の痛み、腫れ、水のたまり、冷え、動作時痛が主訴として確認できた全10件を整理しました。

体質、併発症状、漢方薬は1人に複数記録される場合があります。

自動抽出21件を原文確認し、関節リウマチ・甲状腺治療中、半月板・靱帯損傷、術後、脊柱管狭窄症、強い心血管症状、膝痛が主訴でない例など11件を一般公開集計から除外しました。膝痛の相談として初期処方選定を明確に確認できた処方確認群は5件です。

10件

原文確認済みの相談群

5件

初期処方選定を確認できた群

女性8件

男性2件

平均59歳

39〜76歳

相談統計グラフと処方ランキングは掲載していません。

公開基準を満たした相談が30件未満のため、割合や順位として一般化せず、原文で確認できた論点を定性的に整理しています。

動作時の痛み

階段、正座、歩き始め、長時間の座位など、負荷がかかる動作との関係を確認しました。

体重と筋力

体重負荷、仕事での膝の使用、下肢筋力の低下、腰痛の併存がみられました。

水分停滞と冷え

膝の水、むくみ、冷え、天候変化、下半身の重だるさが重なる相談がありました。

体質の重なり

湿痰、湿熱、陽虚、気虚、血瘀などが複数重なる例があり、膝だけでなく全身状態の確認が必要でした。

代表相談例6件は表示用に選定したもので、相談件数の分母・分子には使用していません。AI診断データとの合算・割合の直接比較もしません。

原文確認した代表相談例

初期相談時の症状と、膝痛が主題となった時点で堀口先生が選定した漢方薬を、個人が特定されないよう要約しています。改善経過や効果を示す症例ではありません。

76歳男性

階段で膝が痛み、下肢筋力の衰えと冷えを伴う例

左膝の痛みと下肢筋力の低下を感じ、階段昇降が気になっていました。運動習慣はありましたが、冷房や涼しい環境で寒さを感じやすい状態でした。

男性階段時痛筋力低下・冷え

初期回答で選定:八味地黄丸料

68歳女性

長年の両膝痛と、歩きにくさ・筋力低下を伴う例

両膝の痛みが長く続き、ここ1年ほど足の筋力低下と歩きにくさが目立っていました。サプリメントを続けても十分な変化を感じていませんでした。

女性慢性両膝痛歩行・筋力

初期回答で選定:柴胡加竜骨牡蛎湯疎経活血湯

代表相談例をさらに4件見る

57歳女性

正座で膝が痛み、体重と代謝も気になる例

正座をすると膝が痛く、運動を続けても体重が落ちにくいことや、悪玉コレステロールの高さも気になっていました。

女性正座時痛体重・代謝

初期回答で選定:九味檳榔湯薏苡仁湯

60歳女性

膝の曲げ伸ばし負荷と、下腹部の冷えを伴う例

仕事を休めず膝の曲げ伸ばしが多い状態が続き、膝痛が長引いていました。体重負荷、下腹部の冷え、硬い便もありました。

女性反復負荷冷え・体重負荷

初期回答で選定:九味檳榔湯防風通聖散

39歳女性

仕事中の腰・膝の痛みと、体重負荷を伴う例

保育の仕事で抱き上げや立ち座りが多く、腰痛と膝痛が仕事に支障を与えていました。体重負荷も気になっていました。

女性仕事時の負荷腰痛・膝痛

膝痛を含む初回具体選定:防風通聖散麻杏薏甘湯

39歳女性

膝に水がたまり、体重負荷を指摘された例

約1か月続く膝痛で受診し、膝に水がたまっていると説明され、体重を減らすよう勧められていました。口渇と多い水分摂取もありました。

女性膝の水体重負荷

膝痛を含む初回具体選定:越婢加朮湯麻杏薏甘湯

代表相談例6件は、相談件数の分母・分子には使用していません。

膝痛を8体質から考える

膝痛は、1つの体質だけでなく、水分停滞、冷え、血流、筋力、炎症が重なることがあります。体質カードは診断名ではなく、症状を整理する視点です。

漢方の8体質を一覧で示したイメージ
8体質を比較し、膝の局所症状と全身状態を合わせて確認します。
こわばり・緊張

気滞(きたい)体質の膝痛

ストレスや痛みへの不安で体に力が入り、膝だけでなく腰や股関節も動かしにくくなるタイプです。

膝痛と気滞体質のイメージ
確認するサイン緊張で痛みが強まる、ため息、肩こり、睡眠の乱れ
処方を比べる視点痛みの場所と炎症を確認したうえで、全身の緊張と巡りを整える視点を加えます。柴胡加竜骨牡蛎湯疎経活血湯などを体質に応じて比較します。
筋肉・腱の栄養不足

血虚(けっきょ)体質の膝痛

筋肉や腱を養う血が不足し、膝を支える力が落ち、慢性痛やしびれ、疲れやすさが重なるタイプです。

膝痛と血虚体質のイメージ
確認するサイン筋力低下、しびれ、顔色不良、疲労、冷え
処方を比べる視点虚弱や慢性化が目立つ場合は、大防風湯当帰芍薬散などを、胃腸と体力から比較します。
潤い不足・夜間痛

陰虚(いんきょ)体質の膝痛

加齢や過労で体を潤す力が不足し、関節の乾き、夜間の熱感、口渇などが重なるタイプです。

膝痛と陰虚体質のイメージ
確認するサイン夜間痛、ほてり、口渇、乾燥、眠りの浅さ
処方を比べる視点陰虚だけで膝痛の処方を決めず、血虚、血瘀、湿熱、腎の弱りとの組み合わせを確認します。
固定痛・動き始めの痛み

血瘀(けつお)体質の膝痛

血の巡りが滞り、痛む場所が固定し、歩き始めや冷えで痛みやすいタイプです。

膝痛と血瘀体質のイメージ
確認するサイン慢性痛、固定痛、しびれ、冷え、外傷後の長引く痛み
処方を比べる視点慢性の巡りの悪さには、疎経活血湯桂枝茯苓丸料などを、腫れと便通から比較します。
筋力低下・疲労

気虚(ききょ)体質の膝痛

気力と筋力が不足し、立ち上がりや階段で膝を支えにくく、動くと疲れるタイプです。

膝痛と気虚体質のイメージ
確認するサイン足腰の弱り、息切れ、疲労、食欲低下、汗をかきやすい
処方を比べる視点虚弱と関節の慢性化が重なる場合は、大防風湯防已黄耆湯などを体力とむくみから比較します。
水・腫れ・重だるさ

湿痰(しったん)体質の膝痛

余分な水分が下半身や関節に停滞し、膝に水がたまる、腫れる、低気圧で重いタイプです。

膝痛と湿痰体質のイメージ
確認するサイン膝の水、むくみ、雨天悪化、体の重さ、水太り
処方を比べる視点水分停滞が中心なら、防已黄耆湯薏苡仁湯などを、体力・発汗・尿から比較します。
冷え・加齢・足腰の弱り

陽虚(ようきょ)体質の膝痛

体を温める力と足腰を支える力が低下し、冷えると痛み、長く歩くとつらいタイプです。

膝痛と陽虚体質のイメージ
確認するサイン下半身の冷え、夜間尿、腰のだるさ、筋力低下
処方を比べる視点冷えと加齢による足腰の弱りには、八味地黄丸料牛車腎気丸などを、排尿としびれから比較します。
赤み・熱感・炎症

湿熱(しつねつ)体質の膝痛

水分停滞に熱が加わり、膝が赤く腫れる、触ると熱い、強く痛むタイプです。

膝痛と湿熱体質のイメージ
確認するサイン熱感、赤み、急な腫れ、口渇、便秘、体重増加
処方を比べる視点急性炎症や感染を先に除外し、体質に応じて越婢加朮湯麻杏薏甘湯などを比較します。

生活で確認すること

急性期と慢性期を分ける

赤く熱い急性期は無理に温めず、慢性で冷えると痛む場合は冷やさないようにします。

膝だけでなく股関節と足首を見る

股関節、足首、ふくらはぎの硬さは膝の負担に影響します。痛みのない範囲で動かします。

筋力を落としすぎない

医療者の指示に沿って大腿四頭筋などを鍛えます。強い痛みや腫れがある時は休みます。

体重と靴を見直す

急な減量や無理な運動を避け、食事と活動量を調整します。靴底の偏りや歩き方も確認します。

よくある質問

膝痛には、どの漢方薬が使われますか?

疎経活血湯防已黄耆湯薏苡仁湯麻杏薏甘湯越婢加朮湯牛車腎気丸八味地黄丸料大防風湯などが比較されます。ただし、腫れ、熱感、水のたまり、冷え、外傷歴、変形、体力、持病、服用薬によって判断が変わります。

膝に水がたまる場合は、どのように考えますか?

膝の水は、変形性膝関節症、半月板や靱帯の損傷、炎症などでも起こります。漢方では水分停滞の体質も確認しますが、繰り返す腫れや強い痛みがある場合は整形外科で原因を確認してください。

冷えると膝が痛む場合も漢方を考えられますか?

考えられます。冷えると悪化し、温めると楽になる場合は、陽虚や血瘀、寒湿の視点を確認します。ただし、腫れや熱感がある急性期は、自己判断で強く温めないでください。

膝が赤く腫れて熱い場合は、漢方で様子を見てもよいですか?

赤み、熱感、急な腫れ、発熱、体重をかけられない痛みがある場合は、感染性関節炎、痛風、偽痛風などの確認を優先します。漢方だけで様子を見ず、速やかに医療機関へ相談してください。

変形性膝関節症にも漢方は使われますか?

整形外科で状態を確認し、運動療法、体重管理、薬物療法などと併用して、冷え、水分停滞、慢性痛、足腰の弱りを整える目的で検討されることがあります。変形そのものを漢方だけで元に戻すものではありません。

半月板損傷や靱帯損傷の膝痛にも使えますか?

外傷や構造的な損傷では、整形外科で損傷の程度を確認することが先です。漢方は痛みや腫れ、冷え、回復期の全身状態を補助的に整える目的で検討されます。

膝が痛いときも運動した方がよいですか?

赤く腫れて熱い急性期や、歩けないほど痛い時は安静と受診を優先します。慢性期は、医療者の指示の下で大腿四頭筋や股関節周囲を無理なく鍛え、関節の動きを保つことが大切です。

整形外科の薬や注射を受けている場合、漢方を併用できますか?

薬や治療内容によります。鎮痛薬、抗凝固薬、ステロイド、利尿薬などとの併用確認が必要です。自己判断で治療を中止せず、医師または薬剤師へ相談してください。

相談データの割合はAI診断データと比較できますか?

直接比較できません。AI漢方診断データと、堀口先生の過去の相談・初期処方選定データは別母集団です。今回の原文確認済み相談は10件で、30件未満のため割合グラフや処方ランキングは掲載していません。

AI漢方診断では、膝痛について何を確認しますか?

痛む場所、歩き始め・階段・正座との関係、腫れ、水、熱感、冷え、天候、外傷歴、しびれ、腰痛、筋力、体重、持病、服用薬を確認します。危険な症状や治療中の病気がある場合は医療機関での確認を優先します。

受診の目安

次の場合は、自己判断で漢方だけを続けないでください。

  • 膝が赤く腫れ、触ると熱く、発熱がある
  • 転倒・衝突後に強く腫れ、歩けない
  • 急に膝が動かなくなる、ロックする
  • 水が繰り返したまる、変形が進んでいる
  • 朝のこわばりや複数関節の腫れが続く
  • 夜間痛・安静時痛と体重減少がある
  • しびれ、麻痺、足先の冷感や色の変化がある
  • 人工関節・術後、リウマチ・痛風・がんなどで治療中である

参考・出典

膝痛と全身の状態を整理する

痛みの場所、動作、腫れ、水、熱感、冷え、しびれ、腰痛、筋力、体重、持病、服用薬を確認します。

AI漢方診断で、あなたに合う漢方を見つける

※本ページは一般的な情報提供を目的とし、診断や治療を代替するものではありません。膝痛には、変形性膝関節症、半月板・靱帯損傷、関節リウマチ、痛風・偽痛風、感染性関節炎、神経・血流障害、骨折などが関係する場合があります。自己判断で薬や治療を中止・変更せず、医師または薬剤師へ相談してください。

監修者プロフィール
堀口和彦

堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師

光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。

著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。