1年で8kg増え、便秘と腹部・腰まわりが気になった相談
以前は食事調整で体重を管理できていましたが、1年間で8kg増え、水を飲んでも太るように感じていました。便秘、腹部と腰まわり、冷え、ストレス時の食欲も気になっていました。
食事を減らしても痩せない。むくんで体が重い。ストレスや生理前に食べ続けてしまう。下腹部や腰まわりが増えてきた。
肥満は体重だけの問題ではありません。内臓脂肪、食欲と睡眠、ストレス、水分代謝、便通、冷え、活動量、月経・更年期、服用薬などが重なります。
漢方では、固太り・便秘・熱こもり、水太り・汗かき、ストレス食い、下腹部の血流停滞、疲れて動けない状態などを分けて整理します。ただし、肥満症や急な体重増加では、漢方選びより医療評価を優先する場合があります。
太り方 × 体質から、あなたに合う漢方を見つけます。
| 漢方薬 | 比較する状態 |
|---|---|
| 防風通聖散 | 腹部に皮下脂肪が多く、便秘、のぼせ、肩こりがあり、比較的体力がある |
| 防已黄耆湯 | 疲れやすく汗をかきやすい、筋肉が柔らかい水ぶとり、むくみ |
| 九味檳榔湯 | 下肢のむくみ、腹部の張り、体の重だるさ、水分停滞 |
| 柴胡加竜骨牡蛎湯 | 緊張、不安、不眠、便秘、ストレスによる過食・食欲の乱れ |
| 桃核承気湯 | 便秘、のぼせ、イライラ、下腹部の張り、月経に伴う食欲変化 |
| 通導散 | 体力があり、便秘、下腹部の張り、肩こり、血の巡りの滞りが強い |
| 桂枝茯苓丸料 | 下腹部や腰まわり、冷えのぼせ、肩こり、月経症状を伴う |
| 加味逍遙散 | PMS・更年期、イライラ、不眠、ストレス食いが重なる |
防風通聖散や防已黄耆湯には肥満症の効能が示された製品がありますが、すべての肥満に同じ処方が合うわけではありません。その他の処方も含め、併発症状、体力、便通、冷え、血圧、持病、服用薬から比較します。
漢方選びより受診を優先するサイン
急な体重増加と強いむくみ・息切れ・胸苦しさ、胸痛や失神、極端な眠気、強い口渇と多尿、黄疸、過食嘔吐、下剤・利尿薬の乱用、自傷念慮がある場合は、肥満の体質として自己判断せず医療機関へ相談してください。
太り方と全身の状態をまとめて確認する
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日本では、成人のBMI25以上が肥満の目安です。ただし、肥満は体脂肪が過剰に蓄積した状態を示す判定で、BMIだけで治療の必要性は決まりません。
肥満症は、肥満に関連する健康障害を伴う、または内臓脂肪型肥満などで健康障害のリスクが高く、医学的に減量を必要とする病態です。血圧、血糖、脂質、尿酸、肝機能、睡眠時無呼吸、関節への負担なども確認します。
腹部脂肪、便秘、のぼせ、飲酒、血圧・血糖・脂質を確認します。
体重の日内変動、下肢のむくみ、汗、尿量、心・腎・肝疾患を確認します。
ストレス、生理前、更年期、睡眠不足、夜食、過食嘔吐の有無を確認します。
2026年6月24日集計の直近30日間のAI診断件数
「肥満」が選択された件数。全体の約18%、症状順位3位
体質チェックで「ぽっちゃり太っている」と回答。全体の約41%
男性3%、平均年齢47歳。40代・50代が中心
体質チェックで「ぽっちゃり太っている」と回答した方の体質割合は、湿痰33%、気滞21%、血瘀15%、陰虚8%、血虚8%でした。
以下の堀口和彦先生の相談データとは別母集団です。両データは合算せず、割合も直接比較しません。
堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データを整備した「肥満症例」から、肥満、持続的な体重増加、水太り、痩せにくさが主要な相談テーマとして分類された全20件を整理しました。
体質、併発症状、漢方薬は1人に複数記録される場合があります。
RAWデータ5ファイルから1,208件を抽出し、STRICT版で暫定統計候補187件を作成しました。その後、本人の現在症状、BMI・体重変化、一時的な体重変動、低体重、摂食障害、内分泌疾患、心・腎・肝疾患、睡眠時無呼吸、薬剤性、妊娠・産後、初期回答を原文照合し、20件を公開統計母集団としました。初期処方を原文で確定できた15件を処方選定集計に使用しています。代表相談例6件は、これらとは別症例です。
これは減量実績や効果を示すデータではなく、初期相談時の体質、併発症状、初期処方選定履歴です。
体質・症状は原文確認済み相談群20件、漢方薬は初期処方選定を確認できた15件を分母としています。複数回答のため件数・割合の合計は各母数・100%を超えます。棒の長さは各グラフ内の最多件数を基準にしています。処方件数は効果や推奨順位を示しません。
以下は、初期相談時の症状と堀口先生の初期回答で実際に選定された漢方薬を、個人が特定されないよう要約したものです。減量結果や効果を示す症例ではありません。
以前は食事調整で体重を管理できていましたが、1年間で8kg増え、水を飲んでも太るように感じていました。便秘、腹部と腰まわり、冷え、ストレス時の食欲も気になっていました。
強いストレスをきっかけに甘いものの過食が続き、短期間に7kg増えていました。便秘、イライラ、体の熱感、気力低下も重なっていました。
生理前約10日間に、食べても空腹感が続く過食、体重増加、過眠、集中力低下、のぼせが毎月重なっていました。便秘も生理前に悪化していました。
生活環境が変わって活動量が減り、BMI28台の体重増加が気になっていました。むくみ、体の重さ、更年期のほてり、関節の痛みも重なっていました。
初期回答で選定:九味檳榔湯
以前は約80kgから58kgまで減量しましたが、約1年前から過食が続き63kgまで戻っていました。便秘と月経不順も気になっていました。
BMI25に近い体重で過食が続き、午前中の体の重さ、むくみ、ほてり、水分を多く取る習慣が重なっていました。月経周期による食欲変化も確認されました。
初期回答で選定:女神散
代表相談例6件は、上記の公開統計母集団20件および初期処方選定確認群15件とは別症例です。
体質分類は、肥満症、糖尿病、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸、薬剤性体重増加などを見分ける検査の代わりにはなりません。医療上の原因を確認したうえで、太り方と併発症状を整理する補助として使います。
ストレスや緊張で食欲のリズムが乱れ、空腹でなくても食べる、生理前や夜間に過食する、体重の増減を繰り返す状態です。

血が不足し、疲れ、不安、立ちくらみ、月経変化とともに、甘いものや過食で一時的に心身を補おうとしやすい状態です。

睡眠不足や過労で潤いと鎮静力が消耗し、疲れているのに眠れない、ほてる、夜に食欲が出る状態です。

血の巡りが滞り、下腹部や腰まわり、便秘、肩こり、冷えのぼせ、月経症状が重なりやすい状態です。

胃腸と活動のエネルギーが不足し、疲れて運動できない、食後に眠い、むくみやすい状態です。強い食事制限でさらに消耗することがあります。

余分な水分が停滞し、下半身のむくみ、体の重さ、雨の日の不調、腹部の張りとして現れやすい状態です。

体を温め動かす力が不足し、冷え、下半身のむくみ、夜間尿、足腰のだるさとともに痩せにくい状態です。

過食、飲酒、便秘、運動不足で余分な脂肪・水分・熱がたまり、腹部脂肪、暑がり、多汗、のぼせが出やすい状態です。

| 確認軸 | 比較する漢方薬 | 注意点 |
|---|---|---|
| 固太り・便秘・熱感 | 防風通聖散 | 下痢、胃腸虚弱、動悸、不眠、高血圧、心疾患、甲状腺機能亢進症、妊娠中などでは慎重に確認します。 |
| 水ぶとり・汗かき・疲労 | 防已黄耆湯 | 急なむくみ、息切れ、尿量低下、片足だけの腫れは医療機関を優先します。 |
| 下肢のむくみ・腹部の張り | 九味檳榔湯 | 心・腎・肝疾患、薬剤性むくみ、脱水との区別が必要です。 |
| ストレス食い・不眠・便秘 | 柴胡加竜骨牡蛎湯 | 過食嘔吐や強い精神症状は、専門医療への相談を優先します。 |
| 便秘・下腹部・のぼせ | 桃核承気湯、通導散 | 大黄などを含み、妊娠可能性、下痢、腹痛、胃腸虚弱、他の下剤との重複に注意します。 |
| PMS・更年期・冷えのぼせ | 桂枝茯苓丸料、加味逍遙散 | 肥満そのものの適応とは限らず、月経・更年期症状と体質から比較します。 |
BMI、腹囲、血圧、血糖、脂質、尿酸、肝機能を確認し、肥満症に当てはまる可能性があれば内科で相談します。
間食、飲酒、夜食、飲料を含めて数日記録します。極端な制限と反動の過食を繰り返さないことが重要です。
睡眠不足、いびき、日中の眠気は食欲や活動量に影響します。無呼吸が疑われる場合は医療機関へ相談します。
歩行、筋力トレーニング、日常活動を無理のない範囲で継続します。胸痛、強い息切れ、関節痛がある場合は先に診察を受けます。
次の場合は、自己判断で漢方やダイエットだけを続けないでください。
※本ページは一般的な情報提供を目的とし、肥満症の診断や治療を代替するものではありません。肥満・急な体重増加には、糖尿病、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸、心臓・腎臓・肝臓の病気、薬剤性、摂食障害などが関係することがあります。防風通聖散などには麻黄・大黄・甘草等を含む製品があり、動悸、下痢、血圧上昇、低カリウム血症、生薬重複等への注意が必要です。持病や服用薬がある方は、自己判断で薬を開始・中止・変更せず、医師または薬剤師へ相談してください。
光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。
著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。