肥満に漢方|水太り・内臓脂肪・ストレス食いを体質別に考える

更新日:2026年7月24日監修:堀口和彦

腹部や腰まわりの体重増加、水太り、ストレス食いに悩む人

食事を減らしても痩せない。むくんで体が重い。ストレスや生理前に食べ続けてしまう。下腹部や腰まわりが増えてきた。

肥満は体重だけの問題ではありません。内臓脂肪、食欲と睡眠、ストレス、水分代謝、便通、冷え、活動量、月経・更年期、服用薬などが重なります。

漢方では、固太り・便秘・熱こもり、水太り・汗かき、ストレス食い、下腹部の血流停滞、疲れて動けない状態などを分けて整理します。ただし、肥満症や急な体重増加では、漢方選びより医療評価を優先する場合があります。

太り方 × 体質から、あなたに合う漢方を見つけます。

肥満・体重増加で比較される漢方薬

漢方薬 比較する状態
防風通聖散 腹部に皮下脂肪が多く、便秘、のぼせ、肩こりがあり、比較的体力がある
防已黄耆湯 疲れやすく汗をかきやすい、筋肉が柔らかい水ぶとり、むくみ
九味檳榔湯 下肢のむくみ、腹部の張り、体の重だるさ、水分停滞
柴胡加竜骨牡蛎湯 緊張、不安、不眠、便秘、ストレスによる過食・食欲の乱れ
桃核承気湯 便秘、のぼせ、イライラ、下腹部の張り、月経に伴う食欲変化
通導散 体力があり、便秘、下腹部の張り、肩こり、血の巡りの滞りが強い
桂枝茯苓丸料 下腹部や腰まわり、冷えのぼせ、肩こり、月経症状を伴う
加味逍遙散 PMS・更年期、イライラ、不眠、ストレス食いが重なる

防風通聖散や防已黄耆湯には肥満症の効能が示された製品がありますが、すべての肥満に同じ処方が合うわけではありません。その他の処方も含め、併発症状、体力、便通、冷え、血圧、持病、服用薬から比較します。

漢方選びより受診を優先するサイン

急な体重増加と強いむくみ・息切れ・胸苦しさ、胸痛や失神、極端な眠気、強い口渇と多尿、黄疸、過食嘔吐、下剤・利尿薬の乱用、自傷念慮がある場合は、肥満の体質として自己判断せず医療機関へ相談してください。

太り方と全身の状態をまとめて確認する

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肥満と肥満症は同じではありません

日本では、成人のBMI25以上が肥満の目安です。ただし、肥満は体脂肪が過剰に蓄積した状態を示す判定で、BMIだけで治療の必要性は決まりません。

肥満症は、肥満に関連する健康障害を伴う、または内臓脂肪型肥満などで健康障害のリスクが高く、医学的に減量を必要とする病態です。血圧、血糖、脂質、尿酸、肝機能、睡眠時無呼吸、関節への負担なども確認します。

固太り・内臓脂肪

腹部脂肪、便秘、のぼせ、飲酒、血圧・血糖・脂質を確認します。

水太り・むくみ

体重の日内変動、下肢のむくみ、汗、尿量、心・腎・肝疾患を確認します。

食欲の乱れ

ストレス、生理前、更年期、睡眠不足、夜食、過食嘔吐の有無を確認します。

先に確認したい原因と医療背景

  • 体重が増えた期間と増加量、BMI、腹囲
  • 血圧、血糖、HbA1c、脂質、尿酸、肝機能の健診結果
  • 急なむくみ、息切れ、胸苦しさ、尿量低下
  • いびき、無呼吸、起床時頭痛、日中の強い眠気
  • 甲状腺、副腎、糖尿病、PCOSなどの内分泌・代謝疾患
  • 抗精神病薬、抗うつ薬、ステロイド、ホルモン剤など服用薬の影響
  • 過食嘔吐、極端な食事制限、下剤・利尿薬の乱用
  • 妊娠・産後・授乳中、小児、高齢者、治療中の持病

KanpoNow AI診断データで見る肥満

7,599件

2026年6月24日集計の直近30日間のAI診断件数

1,374件

「肥満」が選択された件数。全体の約18%、症状順位3位

3,148件

体質チェックで「ぽっちゃり太っている」と回答。全体の約41%

女性97%

男性3%、平均年齢47歳。40代・50代が中心

体質チェックで「ぽっちゃり太っている」と回答した方の体質割合は、湿痰33%、気滞21%、血瘀15%、陰虚8%、血虚8%でした。

以下の堀口和彦先生の相談データとは別母集団です。両データは合算せず、割合も直接比較しません。

堀口先生の相談・初期処方選定データ

堀口和彦先生による過去の漢方相談・処方選定データを整備した「肥満症例」から、肥満、持続的な体重増加、水太り、痩せにくさが主要な相談テーマとして分類された全20件を整理しました。

体質、併発症状、漢方薬は1人に複数記録される場合があります。

RAWデータ5ファイルから1,208件を抽出し、STRICT版で暫定統計候補187件を作成しました。その後、本人の現在症状、BMI・体重変化、一時的な体重変動、低体重、摂食障害、内分泌疾患、心・腎・肝疾患、睡眠時無呼吸、薬剤性、妊娠・産後、初期回答を原文照合し、20件を公開統計母集団としました。初期処方を原文で確定できた15件を処方選定集計に使用しています。代表相談例6件は、これらとは別症例です。

これは減量実績や効果を示すデータではなく、初期相談時の体質、併発症状、初期処方選定履歴です。

体質判定

気虚

10件
50%
陰虚

7件
35%
血虚

6件
30%
陽虚

6件
30%
血瘀

5件
25%
湿痰

3件
15%
湿熱

3件
15%
気滞

2件
10%

一緒に記録された症状

ストレス・過食・甘いもの

8件
40%
便秘・腹部膨満

6件
30%
むくみ・水太り・低気圧

5件
25%
肩こり・頭痛・体の痛み

4件
20%
冷え・低体温・夜間尿

3件
15%
だるさ・疲労・運動不足

2件
10%
リバウンド・体重変動

2件
10%
胃もたれ・食欲の乱れ

2件
10%
下腹部・腰まわり

1件
5%
月経・PMS・更年期

1件
5%
暑がり・多汗・のぼせ

1件
5%
不眠・睡眠不足・夜食

1件
5%

初期回答で選定された漢方薬

体質・症状は原文確認済み相談群20件、漢方薬は初期処方選定を確認できた15件を分母としています。複数回答のため件数・割合の合計は各母数・100%を超えます。棒の長さは各グラフ内の最多件数を基準にしています。処方件数は効果や推奨順位を示しません。

原文確認した代表相談例

以下は、初期相談時の症状と堀口先生の初期回答で実際に選定された漢方薬を、個人が特定されないよう要約したものです。減量結果や効果を示す症例ではありません。

42歳女性

1年で8kg増え、便秘と腹部・腰まわりが気になった相談

以前は食事調整で体重を管理できていましたが、1年間で8kg増え、水を飲んでも太るように感じていました。便秘、腹部と腰まわり、冷え、ストレス時の食欲も気になっていました。

持続的な体重増加便秘・腹部冷え・ストレス食い

初期回答で選定:桃核承気湯、当帰芍薬散

27歳女性

ストレス後の甘いものの過食と7kgの体重増加の相談

強いストレスをきっかけに甘いものの過食が続き、短期間に7kg増えていました。便秘、イライラ、体の熱感、気力低下も重なっていました。

ストレス食い甘いもの便秘・熱感

初期回答で選定:柴胡加竜骨牡蛎湯、女神散

代表相談例をさらに4件見る

26歳女性

生理前の過食・体重増加・過眠を伴う相談

生理前約10日間に、食べても空腹感が続く過食、体重増加、過眠、集中力低下、のぼせが毎月重なっていました。便秘も生理前に悪化していました。

生理前の過食体重増加過眠・便秘

初期回答で選定:大黄牡丹皮湯、温経湯

54歳女性

活動量の低下と更年期変化に伴う体重増加の相談

生活環境が変わって活動量が減り、BMI28台の体重増加が気になっていました。むくみ、体の重さ、更年期のほてり、関節の痛みも重なっていました。

活動量低下むくみ更年期・関節痛

初期回答で選定:九味檳榔湯

28歳女性

減量後に過食で体重が戻り、便秘も続いた相談

以前は約80kgから58kgまで減量しましたが、約1年前から過食が続き63kgまで戻っていました。便秘と月経不順も気になっていました。

減量後の再増加過食便秘・月経不順

初期回答で選定:柴胡加竜骨牡蛎湯、桃核承気湯

23歳女性

過食、水分摂取、むくみと体の重さを伴う相談

BMI25に近い体重で過食が続き、午前中の体の重さ、むくみ、ほてり、水分を多く取る習慣が重なっていました。月経周期による食欲変化も確認されました。

過食むくみ・水分ほてり・月経関連

初期回答で選定:女神散

代表相談例6件は、上記の公開統計母集団20件および初期処方選定確認群15件とは別症例です。

肥満を8体質から考える

体質分類は、肥満症、糖尿病、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸、薬剤性体重増加などを見分ける検査の代わりにはなりません。医療上の原因を確認したうえで、太り方と併発症状を整理する補助として使います。

気滞・血虚・陰虚・血瘀・気虚・湿痰・陽虚・湿熱の8体質一覧
同じ体重増加でも、ストレス食い、血の不足、睡眠不足、下腹部の滞り、疲労、水太り、冷え、内臓脂肪で確認する方向が変わります。
ストレス食い・リバウンド型

気滞体質

ストレスや緊張で食欲のリズムが乱れ、空腹でなくても食べる、生理前や夜間に過食する、体重の増減を繰り返す状態です。

肥満と気滞体質のイメージ
確認するサインイライラ、ため息、夜食、PMS、胸腹部の張り
処方を比べる視点柴胡加竜骨牡蛎湯、加味逍遙散などを、睡眠・便通・月経・体力から比較します。
疲労・甘いもの欲求型

血虚体質

血が不足し、疲れ、不安、立ちくらみ、月経変化とともに、甘いものや過食で一時的に心身を補おうとしやすい状態です。

肥満と血虚体質のイメージ
確認するサイン顔色不良、立ちくらみ、動悸、眠りが浅い、生理前の過食
処方を比べる視点当帰芍薬散、加味帰脾湯などを、貧血の検査・冷え・むくみ・不眠から比較します。
睡眠不足・夜間食欲型

陰虚体質

睡眠不足や過労で潤いと鎮静力が消耗し、疲れているのに眠れない、ほてる、夜に食欲が出る状態です。

肥満と陰虚体質のイメージ
確認するサイン夜更かし、ほてり、寝汗、口渇、夜間の食欲
処方を比べる視点六味丸、酸棗仁湯などを、体重より乾燥・ほてり・睡眠の状態から比較します。
下腹部・腰まわり型

血瘀体質

血の巡りが滞り、下腹部や腰まわり、便秘、肩こり、冷えのぼせ、月経症状が重なりやすい状態です。

肥満と血瘀体質のイメージ
確認するサイン下腹部の張り、肩こり、頭痛、便秘、月経痛
処方を比べる視点桂枝茯苓丸料、桃核承気湯などを、便秘・体力・妊娠可能性から比較します。
疲れて動けない型

気虚体質

胃腸と活動のエネルギーが不足し、疲れて運動できない、食後に眠い、むくみやすい状態です。強い食事制限でさらに消耗することがあります。

肥満と気虚体質のイメージ
確認するサイン疲労、食欲低下、息切れ、食後の眠気、汗かき
処方を比べる視点補中益気湯、防已黄耆湯などを、胃腸・汗・水太りから比較します。
水太り・むくみ型

湿痰体質

余分な水分が停滞し、下半身のむくみ、体の重さ、雨の日の不調、腹部の張りとして現れやすい状態です。

肥満と湿痰体質のイメージ
確認するサインむくみ、下半身の重さ、汗、水分摂取、尿量
処方を比べる視点防已黄耆湯、九味檳榔湯などを、急なむくみや臓器疾患を除外して比較します。
冷え・代謝低下型

陽虚体質

体を温め動かす力が不足し、冷え、下半身のむくみ、夜間尿、足腰のだるさとともに痩せにくい状態です。

肥満と陽虚体質のイメージ
確認するサイン低体温、冷え、夜間尿、軟便、足腰のだるさ
処方を比べる視点真武湯、八味地黄丸料などを、腎機能・排尿・下痢・年齢から比較します。
内臓脂肪・便秘・熱こもり型

湿熱体質

過食、飲酒、便秘、運動不足で余分な脂肪・水分・熱がたまり、腹部脂肪、暑がり、多汗、のぼせが出やすい状態です。

肥満と湿熱体質のイメージ
確認するサイン腹部脂肪、便秘、のぼせ、多汗、飲酒、血圧・血糖・脂質
処方を比べる視点防風通聖散、大柴胡湯などを、体力・便通・心血管リスクから比較します。

漢方薬を比較するときのポイント

確認軸 比較する漢方薬 注意点
固太り・便秘・熱感 防風通聖散 下痢、胃腸虚弱、動悸、不眠、高血圧、心疾患、甲状腺機能亢進症、妊娠中などでは慎重に確認します。
水ぶとり・汗かき・疲労 防已黄耆湯 急なむくみ、息切れ、尿量低下、片足だけの腫れは医療機関を優先します。
下肢のむくみ・腹部の張り 九味檳榔湯 心・腎・肝疾患、薬剤性むくみ、脱水との区別が必要です。
ストレス食い・不眠・便秘 柴胡加竜骨牡蛎湯 過食嘔吐や強い精神症状は、専門医療への相談を優先します。
便秘・下腹部・のぼせ 桃核承気湯、通導散 大黄などを含み、妊娠可能性、下痢、腹痛、胃腸虚弱、他の下剤との重複に注意します。
PMS・更年期・冷えのぼせ 桂枝茯苓丸料、加味逍遙散 肥満そのものの適応とは限らず、月経・更年期症状と体質から比較します。

生活で確認すること

体重だけでなく腹囲と健診を確認

BMI、腹囲、血圧、血糖、脂質、尿酸、肝機能を確認し、肥満症に当てはまる可能性があれば内科で相談します。

食事を記録する

間食、飲酒、夜食、飲料を含めて数日記録します。極端な制限と反動の過食を繰り返さないことが重要です。

睡眠と食欲を一緒に見る

睡眠不足、いびき、日中の眠気は食欲や活動量に影響します。無呼吸が疑われる場合は医療機関へ相談します。

続けられる活動を増やす

歩行、筋力トレーニング、日常活動を無理のない範囲で継続します。胸痛、強い息切れ、関節痛がある場合は先に診察を受けます。

よくある質問

肥満には、防風通聖散がよいですか?

肥満だからといって、すべての方に防風通聖散が合うわけではありません。腹部脂肪が多く、便秘、のぼせ、肩こりなどがあり、比較的体力がある場合に比較される処方です。水太りや汗かきが目立つ場合は防已黄耆湯、下肢のむくみや腹部の張りがある場合は九味檳榔湯など、太り方と体質によって候補が変わります。

水太り・むくみ型の肥満では、どの漢方薬が比較されますか?

疲れやすく汗をかきやすい水ぶとりでは防已黄耆湯、下肢のむくみや腹部の張り、重だるさでは九味檳榔湯、水分の偏りや頭重感を伴う場合は五苓散などが比較されます。ただし、急なむくみ、息切れ、胸苦しさ、尿量低下、片足だけの腫れがある場合は、漢方選びより医療機関での確認を優先してください。

ストレス食いや生理前の過食には、どの漢方薬が比較されますか?

緊張、不安、不眠、便秘を伴うストレス食いでは柴胡加竜骨牡蛎湯、更年期やPMSのイライラ・のぼせを伴う場合は加味逍遙散、便秘や下腹部の張り、生理前の過食が重なる場合は桃核承気湯などが比較されます。過食嘔吐、下剤の乱用、極端な食事制限、自傷念慮がある場合は、肥満の漢方選びではなく専門医療への相談を優先します。

便秘・内臓脂肪・お腹まわりの肥満には、どの漢方薬が比較されますか?

腹部脂肪が多く、便秘、のぼせ、暑がりがある場合は防風通聖散、胸や脇腹の張り、便秘、ストレスが強い場合は大柴胡湯、下腹部の張りや冷えのぼせ、月経症状を伴う場合は桃核承気湯や通導散などが比較されます。下痢、腹痛、胃腸虚弱、妊娠可能性、他の下剤との重複は必ず確認します。

冷え太りや、疲れて動けない肥満には、どの漢方薬が比較されますか?

疲れやすく汗をかきやすい水ぶとりでは防已黄耆湯、胃腸が弱く気力が出ない場合は補中益気湯、深い冷え、むくみ、下痢を伴う場合は真武湯、足腰の冷えや夜間尿がある場合は八味地黄丸料などが比較されます。強い食事制限や激しい運動でさらに消耗しないよう、胃腸、体力、冷え、排尿、持病を確認します。

更年期太りには、どの漢方薬が比較されますか?

更年期のイライラ、不眠、のぼせ、ストレス食いには加味逍遙散、下腹部や腰まわり、肩こり、冷えのぼせには桂枝茯苓丸料、冷えやむくみ、めまいを伴う場合は当帰芍薬散などが比較されます。更年期太りでも、便秘型、水太り型、冷え型、ストレス食い型で候補は変わります。

食事量を減らしても痩せない場合は、何を確認しますか?

間食、飲酒、夜食、睡眠、活動量、便通、むくみ、冷え、服用薬を確認します。便秘と熱こもりでは防風通聖散、水太りでは防已黄耆湯や九味檳榔湯、疲労と胃腸虚弱では補中益気湯などが比較されますが、甲状腺疾患、糖尿病、睡眠時無呼吸、薬剤性体重増加が疑われる場合は検査を優先します。

BMIが25以上なら、必ず漢方薬で減量した方がよいですか?

BMI25以上は日本で肥満と判定する目安ですが、それだけで漢方薬や治療が必要とは決まりません。腹囲、内臓脂肪、血圧、血糖、脂質、尿酸、肝機能、睡眠時無呼吸、関節への負担を確認します。防風通聖散や防已黄耆湯なども、BMIだけで選ばず、便通、体力、冷え、むくみ、持病、服用薬から判断します。

肥満症治療薬やサプリメントと漢方薬を併用できますか?

自己判断で併用しないでください。GLP-1受容体作動薬などの肥満症治療薬、下剤、利尿薬、サプリメントと、防風通聖散、桃核承気湯、通導散、防已黄耆湯などの漢方薬を使う場合は、すべて医師または薬剤師へ伝えます。麻黄、大黄、甘草などの重複による動悸、下痢、血圧変化、低カリウム血症にも注意が必要です。

急に体重が増えた場合も、肥満向けの漢方薬を選んでよいですか?

数日から数週間で急に体重が増え、強いむくみ、息切れ、胸苦しさ、尿量低下を伴う場合は、脂肪の増加ではなく体液貯留の可能性があります。防已黄耆湯、五苓散、九味檳榔湯などを自己判断で始めず、心臓、腎臓、肝臓、血栓、薬剤性の確認を優先してください。

受診の目安

次の場合は、自己判断で漢方やダイエットだけを続けないでください。

  • 数日から数週間で急に体重が増え、むくみ、息切れ、胸苦しさがある
  • 胸痛、失神、強い動悸、安静時の息苦しさがある
  • 強い口渇、多飲、多尿、急な体重減少、意識がぼんやりする
  • 黄疸、褐色尿、強いだるさ、腹部の張りがある
  • いびき、無呼吸、起床時頭痛、日中の強い眠気がある
  • 過食嘔吐、極端な食事制限、下剤・利尿薬の乱用がある
  • 月経異常、強い冷え、脱毛、急な便秘などがある
  • 血圧、血糖、脂質、尿酸、肝機能の異常を指摘された
  • 肥満症治療薬、向精神薬、ステロイド、ホルモン剤などを使用している
  • 妊娠中・授乳中、小児、高齢者、持病治療中である

参考・出典

太り方と全身の体質を整理する

体重変化、水太り、腹部脂肪、便秘、食欲、ストレス、睡眠、冷え、むくみ、月経・更年期、健診結果、持病、服用薬を確認します。

AI漢方診断で、あなたに合う漢方を見つける

※本ページは一般的な情報提供を目的とし、肥満症の診断や治療を代替するものではありません。肥満・急な体重増加には、糖尿病、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸、心臓・腎臓・肝臓の病気、薬剤性、摂食障害などが関係することがあります。防風通聖散などには麻黄・大黄・甘草等を含む製品があり、動悸、下痢、血圧上昇、低カリウム血症、生薬重複等への注意が必要です。持病や服用薬がある方は、自己判断で薬を開始・中止・変更せず、医師または薬剤師へ相談してください。

監修者プロフィール
堀口和彦

堀口 和彦 東洋医学・漢方薬剤師/鍼灸師

光和堂薬局 院長。埼玉県生まれ。東京理科大学薬学部卒、同大学院修士課程修了。総合漢方研究会 学術部員。元東京大学大学院医学系研究科 客員研究員。公益法人埼玉県鍼灸師会会員。さいたま市学校薬剤師(指扇中学校)。一般財団法人日本漢方連盟 会員。

著書に『やさしい漢方入門』(健友館)、『パプアニューギニアの薬草文化』(アボック社)、『体質で決まる漢方と養生‐気精血水‐』(万来舎)など。