二朮湯(にじゅつとう)
二朮湯(にじゅつとう)は、明代の医書『万病回春』に記される、肩のトラブルのための処方です。「肩が挙がらない」「動かすと痛む」といった四十肩・五十肩の症状を、体内に溜まった余分な水分(湿)や停滞物(痰)が通り道を塞いでいる状態と捉え、それらを取り除くことでスムーズな動きを取り戻します。
成分(生薬)
半夏、蒼朮、威霊仙、黄芩、香附子、陳皮、白朮、茯苓、甘草、生姜、天南星、和羌活
漢方的な考え方
漢方では、肩の痛みを単なる関節の問題だけでなく、胃腸の弱りなどから生じた「湿痰(しったん)」が経絡(気の通り道)に流れ込み、停滞して起こるものと考えます。本方は、この“詰まり”を強力に掃除し、湿気や冷えの影響を受けやすい肩周りの環境を内側から整えるアプローチを取ります。
- ● 四十肩・五十肩: 肩を動かすと鋭い痛みが走り、服の着脱や結髪などの動作が不自由になったり、夜中に痛みで目が覚めたりするような状態。
- ● 肩・上腕の重だるい痛み: 肩から腕にかけて、何かが引っかかっているような重だるさや、慢性的な違和感が続いている状態。
- ● 天候で悪化する痛み: 雨の日や湿度の高い時期、あるいは冷房などで体が冷えた際に、肩の痛みや強ばりが一段と強くなる状態。
構成生薬の役割
- ● 余分な水と停滞物を除く: 蒼朮(そうじゅつ)・白朮(びゃくじゅつ)・茯苓が溜まった水分をさばき、半夏(はんげ)・天南星(てんなんしょう)・陳皮が痛みの元となる「痰」を除去して詰まりを解消します。
- ● 経絡の通りをスムーズにする: 威霊仙(いれいせん)と和羌活(わきょうかつ)が肩周りの経絡に直接働きかけ、風湿による痛みを取り除いて関節の可動域を広げる助けをします。
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● 緊張を緩め調和する: 香附子(こうぶし)が滞った気を巡らせて慢性的な緊張を緩め、生姜・甘草・黄芩(おうごん)が全体のバランスを整えることで、肩臂の痛みを根本から和らげます。
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